そこは獣人たちの世界

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第二章

市場探索

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4人でぞろぞろと市場に行ったけど、かなり活気があふれていた。昨日までは人が少なく感じたけど、王都よりも多いんじゃないかってくらい人がごった返していた。

「まぁこれもしゃあねぇだろ。何日も引っ込んでたら買いに来たくなるもんだよなぁ。」

「人の波がひどいな。キオ、はぐれるなよ?」

「うん、気を付ける。」

「・・・キオ君が気を付ける。」

「は?」「あ?」

ドラドさんの謎の反応にガロと水竜の声が重なった。僕も思わずドラドさんのほうを向いてぽかんと口を開けてしまう。


「いや、すまない。なんでもない。」

「おま、そんなことも言うんだな。かなり意外だ。」

「ドラド・・・いや、もういい。行こうか。」

ガロがすごく何か言いたげだったけど、市場の人波にと入っていってそんなことはどうでもよくなる。そこらじゅうの露店に魚貝がいっぱい並べられているからだ。
ただちょっと残念なことに多くの露店が海鮪と海鮭を並べている。ただ全く同じではなく大きさが違ったり、完全に動いてないのから、まだまだ元気に動いてるのだったり、これはよく見て買わないといけなさそうだ。

「買うなら動きのいい奴にするといい。気になる露店があったら寄っていいぞ。」

「うん、貝は欲しいな!」

「閉じている貝が開いてない店を選ぶといい。あの露店がいいだろう。」

ガロの注意を聞きつつ、魚ではなくドラドさんが指さした貝を並べてる露店に近寄る。元の世界で見たことある貝が100くらいずつ板台に並ぶけど、どれにもちゃんと値札と名前が台の前におかれている。他の露店よりもしっかりやってるみたいだ。

「いらっしゃい!俺が潜って取ってきたどれも新鮮な貝だよ!」

「ほぉ、潜って取ってきたのか。それにしては量が多いな?」

「へぇ!俺は少し風の魔法が使えて、潜る時に酸素保管できるんで!」

「なるほどな、水魔法で海の水をどかすのはやったことあるが、風にもそういう使い方あるわな。」

風の使い方も面白いと思ったけど、水竜も海の水をどかすって、すごいことしてるように感じるけど、まさか普通?いや店員のラブラドール風の犬種の人が驚いてるし、すごいことなんだろう。まぁそれよりも貝だ貝!
やっぱりといっていいのか、貝にも名前の頭に海とついてるけど全く知らないのはない。帆立、鮑、浅蜊、蜆、そして栄螺の5種だ。栄螺意外のかいはしっかりと蓋が閉じているけど、時々開いてあたりを探るようにしてる。しっかり生きてる証拠だろう。どれも見た目通りの名前だし、使い方は元の世界と同じでいいだろう。

「じゃあ全部20ずつください!」

「お、おう、そんなに買ってくれるのか?」

「だしを作るならほんとはもっと買いたいんですけど、買いすぎると他の人が買えないと思って。」

「なんだ、そんなことなら気にしなくていいぞ!俺以外にも貝の露店はある!全部買っちまってくれてもいいんだぜ?鮮度いいうちに売り切っちまえたほうがうれしいからな!」

「そうか、なら全部買っていいぞキオ。」

「え、いいの?」

「あぁ、全部もらおう。」

「まいど!」

ガロが即決でギルドカードを店員さんのカードと重ねて買い占めてしまった。露店裏から瓶箱を出して店員さんが詰めていってくれて、詰めた瓶箱をガロはポーチに入れていく。
全部ガロに渡し終えると店員さんはほくほく顔でそそくさと撤退準備をし始める。すぐ隣の露店の人がちょっとうらやましそうにこちらを見ていた。ちらっと見たけど、明らかに鮮度不足な海鮭を並べている。同情でも買いたくはないかな。
さらに市場を進むと、今度は珍しい魚を売ってるところを見つける。見た目的にあれはチョウチンアンコウだよね?動いてるし鮮度もよさそうだ。気になる、気になるけどアンコウ鍋のアンコウとしては使えるんだろうか?調べたいけど、ここでスマホはまずいよなぁ。

「あれが気になるのか?深海光鮟鱇だな。食べれるのか?」

「オレはあんなんくいたくねぇぞ。」

「うーん、アンコウ鍋っていうのがあるんだけど、あの種類を使うんじゃなかった気がするんだよね。」

「それなら自分が食べたことがある。店で聞いたことがあったが光鮟鱇は使っていないといっていた。」

「そっか、じゃあやめておこう。」

アンコウはあきらめたけどすぐ近くにイカが売っていた。あ、でも水竜とドラドさんがクラーケンを狩ったんだっけ?クラーケンもイカだよね?タコで書かれてる話もあったか。食べれるのかな?

「今度はイカか。クラーケンを思い出すぜ。大きさは全く違いすぎるけどよ。」

「クラーケンって、食べられるの?」

「食べる?そんな記録はないな。クラーケンの素材なら防具として加工する方が有意義だろう。」

「そっか、じゃあ買っていいかな?」

「イカならその店より奥の店のほうが鮮度がよさそうだ。あっちに行くぞ。」

今度はガロの提案のってさらに奥のイカを扱う店に寄る。なぜか吊るされてるけど足をうねうねうねうねと動かしまくっている。吊るされてるのもあって数は20と多くない。

「いらっしゃーい!裏にも在庫あるから、どんどん買っていってねー!」

「あぁ、やっぱり鮮度がいいな。出てる分全部もらおう。」

「おー!ありがとーねー!」

独特なしゃべり方のインコみたいな鳥種のおねぇさんがギルドカードでお金を受け取ると、喜んで一つ一つ丁寧に外して瓶箱に詰めてガロに渡していく。よく見ると隣の海鮪を売っていて、買い終わった客に瓶箱に詰めてあげていた。生きてるからそうしないといけないのかな?
他の店はなかなかめぼしいものはなく、そのまま海前の市場の奥まで行くと一番最後に小さめの壺を売っている店があった。なんでツボ?と思うと、壺からタコの足が出ていた。

「タコ売ってる!」

「タコ?あぁあれか。」

「う、タコって食ったことあるけど、なんかあんまりうまくなかったぞ。」

「店が悪かったのか?自分はそれなりだったぞ。」

「えーと、買ってもいい?」

「あぁ、いいぞ。足がしっかり動いてる。鮮度も悪くなさそうだ。」

「まじかー・・・」

ちょっと水竜は微妙そうだけど僕は楽しみにしつつタコを売ってる店にと近寄る。値札を見ると海蛸だと思ってたら壺蛸という名前だった。壺の大きさ的にもバスケットボールくらいだろう。
売り子の人が黒い毛の猫種のおばあちゃん的な人でゆったりとした動きでこちらを見て、ゆったりとした口調で喋り始めた。

「はいいらっしゃい。壺蛸がほしいのかい?珍しいね。少ないけど買っていっておくれ。」

「少ないというが、壺は50もあるじゃないか。すべて入っているのか?」

「そうね、全部入ってるよ。でも出てるこの50だけだよ。」

「ほう、これを一人でご老人が集めたのか?」

「そうね、紐つけた壺を沈めておけば壺蛸は釣れるからね。」

喋り方も雰囲気もそこそこ老人な感じだけど、50個もの蛸壺を集めてるならかなり元気ってことだろう。なかなかのプロなのかもしれない。

「全部買い占めても問題ないか?それとも残した方がいいだろうか。」

「そうね、できれば20で止めてくれると嬉しいよ。」

「では20貰おう。良いかキオ?」

「うん、それだけあれば十分。」

「またほしかったら明後日以降ににきてね。うちは2日ごとに出してるからね。」

ガロと買取を終えると壺そのままで蓋だけして渡される。ガロも何も言わずにポーチを大きく開けて壺を入れていく。そんなんで逃げたりしないか不安だけど、ガロは何も言わないし大丈夫なんだろう。
貝5種にイカとタコ、魚は手に入れなかったけど前に買った川鮪と川鮭が残ってるし一応これで魚介類が集まったといえるわけだ。にんまりしつつ市場を後にした。
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