そこは獣人たちの世界

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第三章

聖都教会神殿

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昨日は特訓自体は休みだったけど、疲労度的にはむしろひどかった。なんっていうかガロがかなりねちっこく攻めてきて、いやまぁ僕も求めちゃったのが悪いのかもだけど、って思い出したらダメだ!もう聖都にと行く準備はできてるんだから。

「昨日も言ったが騒ぐなよ?聖都の転移先は教会だが神殿と合わさった建物だ。」

「わかってるよ。崇拝対象である神の像の形が違うんでしょ?」

「あぁ、あれが正しい姿だと言われてる。それじゃあ行くぞ」

基本的にしゃべらないように、ちょっと会話くらいはいいけど大きな声を出しすぎるなって言われたんだよね。王都の教会でもそんなことは言われなかったから神殿だけが別ってことだろう。
ギルドで受け取った転移石で聖都にと飛ぶ。白店した視界が開けると真っ白で大きい部屋にと着いた。いつもの転移部屋かと思ったけど、窓の数がすごくて光がめちゃくちゃ差し込んできてる。ちょっとまぶしいくらい。

「転移がおすみでしたらお進みくださいませ。」

ちょっと臆したけど目の前から促す女性の声がしてガロについて部屋を出る。神官、いや女性なら巫女?この世界だと分けて言うんだっけ?とにかくなぜかフード付きのローブを来ていてどんな種族かわからなかった。
部屋を出てもまっ直ぐ外に続く道ではなく、なぜか一度中央の神殿部分を通るつくりになっているそうで、そっちにと歩いていく。途中にさっきもみた白の生地に金の糸で模様のついてるだけのシンプルなフード付きローブを着てる人がちらほらと歩いてるのを見かけた。この教会神殿での正装なんだろうな。
そして中央の神殿部分にとつくとすさまじく大きい三神の像が飾ってある。でもガロの言った通り像の姿が全然違う。今まで見てきたのはここの神官たちみたいにフードを付けた姿でどんな種族の姿か写していなかった。だけどここの三神像はしっかりと姿を出している。なるほどここが原点とでもいいたいのようだ。
そして集まってる人々がみな跪き軽くだが頭を下げている。神官達は深々と頭を下げ、手を組んで完全に祈りをささげている。これぞ崇拝というべき光景だった。

「キオ、ここじゃ邪魔になる。少し前に出たらひざまずいて軽く頭を下げろ。」

「あ、うん。」

どうやら僕もその崇拝の光景に混ざらなきゃいけないらしい。周りに合わせて同じように片膝をついて軽く頭を下げつつ、近づいたついでにしっかりと三神の像の姿を見る。
まず一番見る女神ガルダシヒアはいわゆる神龍種の姿をしていた。羽はないが龍の顔をしている。でもちゃんと女性らしさが出ている。胸のふくらみ以外からも女神だとわかるのがいい。そして何よりそのすさまじくいくつにも枝分かれした角だ。ディバンさんよりも確実に多い。多すぎて数えたくもない。
でもそのすべてに色とりどりの宝石付き装飾品がつけられている。ネックレスや腕輪、チョーカーにペンダント、細い部分には指輪っぽいのまでつけられている。あんまりにも豪華すぎて目がくらみそうだ。
それに対して真ん中の創神マイシャリフィは凛々しい雄の姿で羽もあるドラゴン種に見えた。雄だからか一切の飾りはないけど、これならドラゴン種だって神龍種なんじゃないのかな?なんて思ったけど、足元をよく見ると蛇のような尾の部分だけで、ガルダシヒアと違って二足の足がない。
隣の裁神レグテシェリアも足の部分は蛇のようになっていた。ガルダシヒアのように翼も持っていない。だがその顔が異様で7つの龍の顔がついていた。特に中央のこの広間の部分を見つめる顔には角もついていていかつい。その角にだけ綺麗な真珠のネックレスがついていた。ガルダシヒアには真珠の装飾品はついてないのに。
多分それぞれに意味があるんだろう。創神と裁神は足を持たないからこそ神なのかもしれないけど、それだと女神刃なんだってなるか。とにかく女神の姿と同じだから神龍種って呼ばれてるんじゃないかってことはわかった。もっと知りたいなら聖都で調べればわかりそうだし。

「よし、いくぞ。」

「了解。」

あんまり長くなかったけどいいんだろうか?まぁ冒険者風の人は僕たち以外にもいてそれほど長くなくやめてるからいいのかな?ただここに来てる普通の格好の人も多い。祈り自体は僕がやったように簡易的だけど、祈ってる時間は長そうだ。僕たちが祈り始める前からずっと動いてないし。
あんまり気にしすぎても失礼だろうし聞きたいこともできたからさっさと外に出よう。ガロも心なしか少し速足だった。よく気配を探ってみるとガロのほうを神官の人たちが遠めに見てたっぽい。勧誘されるって言ってたもんなぁ。
話しかけられるのかと強張っていたけど、結局出るまで向こうから何かしては来なかった。杞憂に終わったのか、それともこれからなのかはわからないけど、まだ話しかけない方がよさそうだ。
まず聖都についたらまっ直ぐに僕たちが目指す場所がある。それはギルドで貴族であるゴウ様からの借り物として渡された家のカギだ。完全に冒険者であるということは表に隠している雰囲気に緊張したけど、ガロは贈り物自体は普通に受け取っていた。なんでもゴウさんのいくつもある家の一つを貸してもらったらしい。あの塔を見た後だからわかる。多分豪華なんだろう。
そう思ってたら大きい道からは外れちょっと入り組んだ道を進んだところでガロが止まる。この家なのかな?見たところ周りの家と同じつくりでどう見てもゴウさんが使うような家に見えないけど。

「考えてることはわかるぞ。この家はどちらかといえば冒険者としてのゴウさんの家だ。まぁ外見だけな。中身はかなりいいものがそろってるって聞いたぞ。」

「う、そうなんだ。」

「まぁこれ以上は、入って話そう。」

「え?うん。」

あたりを見渡してたから僕も見渡してみたけど、特につけられたりとかはしてないよね?してるなら今みたいな会話だってしないはずだし。まさかガロも気づけないような隠密性のある相手がいる?なんかいろいろ考えすぎて聖都が怖くなってきた。
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