そこは獣人たちの世界

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第三章

聖都ギルド

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ゴウさんから借りた家の内見も済んだしと聖都を練り歩いてギルドにと向かう。家の作りが石作りやレンガ作り、木製と様々な形式に分かれていて統一感があんまりないこと以外は、人並の流れも雰囲気も王都と同じようなもんだった。
あぁ、もう一つ違うところがあった。時折ちらほらとフードを被った真っ白のローブの神官らしき姿がちらほらと見受けられる。人並と同じように歩いてるから何かを見張ってるってわけじゃなく普通に生活してる風だけど。

「ねぇガロ、ちょっと聖都について聞いても大丈夫?」

「ん?そうだな、どうやら勧誘のために見張られたりもないようだからいいだろ。ただもう少し小さくな。」

どうやら練り歩く中で見張られてないかをずっと確認してたようだ。それでももう少し小さくしゃべるように神官のほうに少し目をやりながら言われたしきにはなってるようだけど。

「了解。まぁ大したことじゃないんだけど、教会に属してる人は雄でも雌でも神官?それとも巫女っていったりする?」

「みこ?いや性別関係なく神官だ。」

「そっか。ありがと。」

「そんなことがききたかったのか・・・」

ガロには言わなくっても元の世界の知識だと分かったようで外なのにちょっと飽きれたような顔をされた。でも気になっちゃったんだからしょうがないじゃん?
会話という会話はそれくらいでギルドにとつく。大きさは王都と同じくらいだしつくりも同じ。間違えることはなさそうで安心する。ただ中に入ると部屋中真っ白なつくりになってて、清潔感アピールがすごい。外は同じに見えたのに。
あと他の人も何人か往来してるのにガロが入ってきたら明らかに目線がいくつか飛んできてた。すぐにそらされたけどやっぱ注目されてるっぽい。Sランクだからってわけだけでもなさそう。
そんな目線を気にも留めず受付の短い列に並んでゆったり待つガロはやっぱ大物だよね。僕もできるだけ見渡したりしてよそ者感出さないように気を付けながら一緒に並んで順番を待つ。

「いらっしゃいませガロ様。本日はゴウ様からの依頼の件ですね?」

「あぁそうだ。話が早くて助かる。今集まっているドラゴンの資料がほしい。」

「かしこまりました。少々お待ちください。」

ちょっと受付してくれた声色的に雄の兎種の人が席を外して奥に引っ込むけど、すぐに戻ってきて資料を受け渡してくれる。事前準備済みってところだろう。

「こちらになります。」

「あぁ助かる。持ち出しても?」

「いえ、ギルド内での閲覧にとどめ、お手数ですがご返却ください。」

「わかった。2階の個室を使いたい。」

「かしこまりました。一番奥の部屋をお使いください。」

「よし、行くぞ。」

「ありがとうございました。」

僕は軽く会釈だけしてガロにとそそくさとついていく。そして言われた通り二階の一番奥の密談室に入ると、すこし部屋の中を見渡す。王都ではそんなことしなかったけど、警戒してる?でもすぐに落ち着いた様子で椅子に座ったし杞憂だったのかな?

「まったく、なんでこんな資料を持ち出し禁止なんだかわからないな。この部屋を使わせるつもりだと思ったが、何もないし。」

「え?ふつう持ち出せるようなものなの?」

「まぁな。とにかく確認しちまおう。」

資料を広げられたのはいいけど、なんか書いてあることがどれもいまいちな内容だ。聖都の近くを通った影がすごく大きかっただの、吠える声が聞こえただの、ほんとにドラゴン関連なのかって報告まである。

「なにこれ?」

「言っただろ?普通は持ち出せるようなものだと。まぁまともなのはこれくらいだな。」

多角を飛んでいたのだろうけど聖都を埋めつくすような影の大きさと、空を見上げたものが金色の大きな姿を確認したらしい。いくつも報告が上がってるから金色のドラゴンってのがわかっただけでも成果なのかな。

「それにしても、まさか金角きんかくか。かなり危険な相手だな。住みついた原因の究明と排除だけでいなくなってくれるといいが。」

「え?戦いたくないような相手ってこと?」

「あぁ、報告が正しければゴールドホーンドラゴン、この間のリヴァイアサンなんてかわいいような相手だ。」

あの凶悪に思えたリヴァイアサンがかわいく見える相手って・・・そっかゴールドホーンドラゴンって大地そのものを超広範囲に操る力を持つドラゴンだ。だから金角きんかくなのか。
というか5枚の資料をガロはもう全部目を通したようだ。あっという間の短い時間だったけど、僕が全部見る必要はない。すぐに密談室をでて受付にと戻る。

「多少は役に立った。返却する。」

「返却いただきありがとうございます。そしてガロ様、お手数ですがギルドマスターの手が空きましたのでお呼びしております。マスタールームまでお願いいたします。キオさんもご一緒にどうぞ。」

「・・・そういうことか。わかった、すぐ向かおう。」

もしかしてこの短時間の間にギルドマスターが手を開けておいたってこと?ガロの足止めだったのは間違いないようだ。聖都のギルドマスター、たしかレヴィーアさんだったっけ。どういうつもりでガロを呼んだのかわからないけど、不通に住むことではないから呼んだんだよね。
そういえば受付はさっきの兎種の人だったけど、ガロは様で僕はさんづけか。いや、ランク的には僕の方が彼より下の可能性高いし、さん付けだけでも当然かな。というかそんなこと気にしてもしょうがないよね。
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