そこは獣人たちの世界

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第三章

ステーキ堪能

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「失礼します。」

それほどせずに再びノックの後に、牛種の人がカートにステーキを乗せてやってきた。ジュウジュウといい音が結構離れてるのに聞こえてくる。ちゃんと鉄板にのせてあるようだ。

「お待たせいたしました。500のステーキセット、白米大盛り、スープ大を先にお渡しいたします。中の鉄板は暑いのでお気を付けください。」

「おぉ、ほんとにおおいな。こりゃいい。」

ナイフとフォークをまず置いた後、出てきたスープがまずでかい。形はスープカップなのに大きさは普通に使うようなカップの5倍くらいある。普通サイズでも大きいんだろうな。そして白米もラーメンの器暗いのにどんと盛られている。そして最後に置かれたメインの500ステーキも縦じゃなくちゃんと横にでかい。鉄板に収まってるのは鉄板自体が大きいおかげだろう。

「こちらが200ステーキと白米少なめになります。ご注文は以上でよろしかったでしょうか。」

「あぁ、また頼みたいものができたら呼ばせてもらう。」

「かしこまりました。こちらが当店特製ステーキソース、こちらがニンニク醤油になります。お好みでお肉にかけてください。ではどうぞごゆっくり。」

僕の前に置かれた鉄板もガロのと同じ大きさだ。多分グラムにかかわらず同じのを使ってるんだろう。僕はセットで頼んでないからステーキだけが大きい鉄板に半分ほど乗っているだけだ。ガロのには丸型に整えられたポテトとブロッコリー、そしてコーンものっていて色があるって感じがする。

「俺のを見てどうした?セットのほうがよかったか?」

「ううん、そんなには食べれないから。ご飯もこの量でちょうどいいし。」

僕のライスはちょうどいい茶碗のおおきさだ。普通に半合くらいの量だろう。お肉との比的にもこのくらいがありがたい。ただステーキに茶碗はちょっと会わない気もしちゃうけど。

「そうか、なら冷めないうちに食うぞ。いただきます。」

「うん、いただきます。」

ガロは何もかけずに大きく切り取って即座に一口、そしてライスをかきこんだ。僕もまず端のほうを切ってそのまま食べてみる。しっかり火の通った牛肉の味が直接伝わってくる。結構これだけでも美味しい。しっかり塩コショウで下味はつけているようだ。
でもやっぱりちょっと物足りない。にんにく醤油も気になるけど、ここは特製ステーキソースをかけてみる。おっとかける前にちゃんと切り分けてっと。熱い鉄板にもかかりジューとより強い音を立てる。ソースの焼けるにおいがたまらない。
誘われるままに二口目をほおばる。これは、すっごくお肉に合う!ほのかな甘みはフルーツと玉ねぎかな?ニンニクも入ってるみたいだけど強すぎない。いつの間にかライスをフォークで食べてたようで、結構減っていた。まぁいいんだ、お肉だけで味わうのも好きだし。

「なかなかうまいが、やっぱ焼いているだけといえば焼いているだけなんだよな。あんまり料理って感じしなかったか?」

「え?いやいや、ちゃんと料理してると思うよ?いつも僕が変にころうとしてるだけ。このソースとかはかなり凝ってると思うし。」

「ん、そうか、キオが満足してるんならいい。」

あんまりガロは満足してない?でも進む手は早いからおいしいはおいしいはずだよね。僕も久しぶりに自分で作った料理じゃないって感じだからか進む手が早く、結構あっという間に食べ切ってしまった。なかなかにお腹いっぱいだ。

「ふぅ、おいしかった。」

「いつもよりも早かったな。」

「そうだね。でもガロの言う通り、こういうお店でもデザートの用意はほとんどないみたいだね。」

改めてメニューをみてみると焼き方はステーキ、サイコロ、串やき、蒸し焼きとあるし、シチューみたいなのもあるっぽいけど肉の種類に比べると料理の種類は多くないように感じてしまう。
そして一応甘味の項目があるけど、お店に売ってたアイスクリームやチョコレートが付いたの、ジャムとクラッカーと買ってきた感のあるようなものばかりになってしまっている。もしかしたらちゃんと作ってるのかもしれないけど。
できればケーキの一つでもあったらよかったけど、ないんだなぁ。そりゃクッキーはこういう店で食べるものとは思わないからあると思ってなかったけど。

「そうだな、甘いものって言うとアイスクリーム、チョコレート、ジャムくらいなもんだ。砂糖はあるんだがな。」

「うーん、次はもっと本格的にケーキでも作ってみるかなぁ。あとはプリンとか。ゼリーとか?」

「なんかいろいろあるみたいだな?楽しみにしておきたいが、今日以降はあんま作る余裕ないと思うぞ。」

「あ、やっぱり?じゃあ今日の夜に向けてケーキでも帰って作るかな。」

「ほぉ、んじゃこの店はとりあえずいいのか?」

「うん、連れてきてくれてありがと。」

「あぁ、会計するぞ。」

ガロがベルを鳴らす。支払いもこの部屋でいいのか。てっきり下に行ってお会計かと思ってた。すぐに扉がノックされて僕たちを対応してくれてた牛種の人がまた来てくれる。

「失礼します。ご用件をお伺いいたします。」

「あぁ、会計を頼む。これでいいよな?」

「はい、かしこまりました。よければお外までご案内させていただいても?」

「ん、そうだな。頼もうか。」

ガロと牛種の人がギルドカードを重ねてお会計を済ます。そして食べたのはそのままに牛種の人に案内されるままレストランの入り口まであっというまだった。

「またのご来店をお待ちしております。」

最後まで深々としたお辞儀で丁寧な牛種の人に、僕も軽く会釈して、大通りを人波にそって進み始める。あっという間にレストランは見えなくなっていた。
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