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第一話 久しぶりの社交界
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「はぁ~……」
煌びやかなパーティー会場の隅っこに立ちながら、私は大きく溜息を漏らした。
数年ぶりに社交界に出席したけど、談笑する貴族達も、会場の運営に奔走する使用人も、そして私の周りには一人しか立っていないのも、最後に出席した時と変わらない。
「シエル様、ご気分が優れませんか?」
「ううん、大丈夫だよ! 心配してくれてありがとう、ラルフ!」
黒い髪で片目が隠れている、長身の男性――私の専属の執事をしているラルフが、クールな表情を一切崩さずに、私の心配をしてくれた。そんなラルフに、私はグッと握り拳を作ってみせる。
別に私は、ここにいるのが嫌だとか、気分が悪いから溜息を吐いたわけではない。数年振りだというのに、全然状況が変わっていないと思ったら、なんだか無意識に溜息が出ちゃっただけ。
「それならなによりです。お久しぶりの社交界なのですから、お知り合いに挨拶回りをしなくてよろしいのですか?」
「別に必要ないと思うよ? 私、平凡な女だってバカにされてるし。パーティーが始まってから誰も話しかけてこないのが、良い証拠だよ。それとも、ラルフは私が挨拶回りをしてバカにされるのを見たい?」
「いえ、微塵も見たくございません」
「なら、二人で一緒に隅っこでのんびりしていようよ。こんな嫌な場所でも、あなたと二人なら楽しいよ!」
ニッコリと笑いながらそう言うと、ラルフは小さく頷いた。
私は代々商人をしている、マーチャント男爵家の次女として、この世に生を受けた。いずれはマーチャント家を支える人間になれるように、毎日勉強と習い事に明け暮れ、お父様の厳しい躾にも耐えてきた。
しかし、私はいくら勉強をしても、習い事をしても、才能が開花することは無かった。全く出来ないわけではないけど、何をしても人並みか、下手したらそれ以下だった。
その一方で、私のお姉様と妹は、それぞれ卓越したものを持っていた。
お姉様は勉学にとても優れ、学者の人達と遜色が無いくらい頭が良い。おまけに百年に一人の美人と噂されるくらいの美貌だ。
妹は運動神経が抜群に良くて、スポーツや武術はプロでも敵わないくらいだ。人形の可愛らしい表情で元気よくスポーツや武術に明け暮れるその姿には、多くの熱狂的なファンがいる。
そして極めつけは、魔法と呼ばれる不思議な力を、私の姉妹は扱えて、私自身は全く扱えないということだ。
魔法は一人に一つだけ使うことが出来る、人間の常識を超えた力だ。とても希少な力で、使える人は少ない。
私の姉妹の魔法の力については、どんな力なのか教えてもらえてないけど、私が魔法を使えない事実は変わらない。
そんな平凡な私は、お父様にマーチャント家の役に立たないと見捨てられ、姉妹からは毎日バカにされ、虐げられている。お姉様からはネチネチと嫌味を言われ、妹には武術の練習台にされたりしている。
それがいつの間にか、私は平凡で情けない人間として、貴族の人達にも認識された。その結果、誰も私の所に来なくなったというわけだ。
言っておくけど、誰も来なくて寂しいとかは全然ないよ? ラルフがいつも一緒にいてくれるから、一人ぼっちじゃないもの!
「久しぶりに社交界に出席できたというのに、辛気くさい顔でなにをしている。挨拶回りもできんのか」
「あ、お父様にヴィオラお姉様」
ラルフと静かに隅っこにいるつもりだったのに、お父様であるデニス・マーチャントが、ツルツルな頭を光らせながらやってきた。その隣では、私の姉のヴィオラ・マーチャントが、長くて綺麗な白い髪を、耳にかけながらにこやかに笑っている。
「せめて愛嬌を振りまくくらいはせんか、バカ者め」
「仕方がありませんわ、お父様。シエルのような凡人には、私達のような崇高な人間の当たり前が、全く通じませんもの」
にこやかな顔をしながら、毒を吐いてくるヴィオラお姉様。これはいつものことだから、あまり気にはならないかな。慣れって怖い。
「公共の場でシエル様を貶すようなお言葉は、控えていただけますでしょうか」
「良いんだよ、ラルフ」
淡々と、しかし怒りを含めた言葉をぶつけるラルフを、やんわりとたしなめる。ここで言い争いをしていても、良いことは無いもんね。
「お父様、さっきヴィオラお姉様と一緒に、誰かと話していたみたいですけど、こっちに来てよかったんですか?」
「仕事のことで話をしていただけだ。それが終わったら、お前の情けない姿が目に入ったから、釘を刺しに来てやったのだ」
正直な話、大きなお世話と言わざるを得ないけど、ここは素直に頷いておこう。だって、変にこじれたらまた面倒なことになるし、更にラルフに嫌な思いをさせてしまう。
「今日のお相手も、とっても優しい方でしたわね。私達の話を、すんなりと受け入れてくださいましたわ」
「うむ、我々は本当に運が良い。一人、余計な者が生まれたことを除いてな」
「旦那様、先程から品の無いお言葉を並べているご自覚がおありですか?」
また私のことを馬鹿にしようとしたお父様に、再びラルフが食ってかかった。
ラルフは私の専属の執事だからなのか、どんな状況でも私の味方をしてくれて、凄く頼りになるの。それに、真面目で優しくて冷静で、おいしいお菓子と紅茶も用意してくれる。
でも、こうして私の家族に遠慮無しに意見を言ったりするから、見てる方からすると、ヒヤヒヤすることもあるんだ……。
「貴様、ただの執事の分際で、誰に口をきいている? 突然やってきた貴様を雇ったのは、誰だと思っている?」
「まぁまぁ、そんなにギスギスしてないで、せっかくのパーティーなんだから楽しまないと!」
「あら、リンダじゃないの」
空気が悪くなってきたところにやってきたのは、妹のリンダ・マーチャントだった。小柄な彼女は私と同じ青色で、ウェーブがかかったロングヘアーが特徴的な少女だ。
身内の私が言うのはあれだけど、リンダはとても愛らしい美少女だ。それもあってか、いつもリンダには男性達が言い寄り、よく家でお茶をしている。酷い時は、自室に連れ込んで……これ以上はやめておこうかな、うん。
「ただでさえシエルお姉様は、平凡でダメダメなのに、男性にもモテない可哀想な人なんだから、そんなに言ったら惨めだよ! ねー、みんなもそう思うよね?」
『はい! リンダ様の仰る通りです!!』
自分だって私をバカにしているじゃないかと思っていると、リンダの周りの男性達が、一斉に返事を返した。
今のでなんとなくわかるかもしれないけど、リンダに惚れ込んだ人達は、ちょっとその惚れ方が普通じゃない。中には家庭を壊してまで、リンダに言い寄ってくる人達もいるくらいだ。
……可愛いとは思うけど、そこまでする気持ちは理解できないかな。むしろ、あまりリンダとは一緒にいたくないくらいだもの。異性にしかわからない魅力があるのかな?
「ところでシエルお姉様、婚約者のマーヴィン様は? あ、ついにフラれた!? あたしと違ってモテないお姉様がフラれたら、もう終わりじゃん?」
「フラれてないから。他の人に挨拶をしているから、こっちに来るのが遅れているだけだよ」
まあ……確かに私はモテるという経験はしたことがない。
私の特徴なんて、肩くらいまでの長さに揃えている内巻きの青い髪と、無駄に大きくてクリッとした青い目くらいで、容姿はヴィオラお姉様やリンダには敵わないし、身長も女性の平均にも満たないし、スタイルが良いわけでもない。とにかく、何も秀でたものも持ってない。
こんなんでモテろというほうが、無理な話だよ。
「シエル様、周りのご迷惑になるのでお静かに。それと、噂をすればとやらですよ」
やんわりとラルフに注意をされた私の元に、一人の男性が真っ赤な髪をなびかせながらやってきた。
彼が今日のパーティーの主催者で、私の婚約者のマーヴィン・テネース侯爵子息様だ。いつも社交界に出席しない私を招待したのも、この人だ。
私とは古い付き合いで、今でも親しくしてくれる、数少ない人だ。私としては、本当のお兄様のように思っている。
だから、両家の都合で婚約者になった時は、正直戸惑った。
彼のことは好きではあるけど、異性というよりも家族として好きだから、結婚と言われてもピンと来なかったの。
「マーヴィン様、本日はお招きいただき、誠にありがとうございます」
「…………」
貴族の人達が良くやる、スカートの裾を持ってやるお辞儀をするが、マーヴィン様からは何の返事も帰ってこない。
マーヴィン様は、いつもはとても優しくて紳士的な人だ。私と話す時は、楽しそうに聞いてくれる。
でも、今日のマーヴィン様はいつもと違う。まるで大きな氷像になってしまったのかと思うくらい、冷たく感じる。
「シエル。今日は君について、ご家族や来賓の方々に報告がある」
「報告?」
「ああ。シエル・マーチャント殿。今日限りで君との婚約を破棄させてもらう」
煌びやかなパーティー会場の隅っこに立ちながら、私は大きく溜息を漏らした。
数年ぶりに社交界に出席したけど、談笑する貴族達も、会場の運営に奔走する使用人も、そして私の周りには一人しか立っていないのも、最後に出席した時と変わらない。
「シエル様、ご気分が優れませんか?」
「ううん、大丈夫だよ! 心配してくれてありがとう、ラルフ!」
黒い髪で片目が隠れている、長身の男性――私の専属の執事をしているラルフが、クールな表情を一切崩さずに、私の心配をしてくれた。そんなラルフに、私はグッと握り拳を作ってみせる。
別に私は、ここにいるのが嫌だとか、気分が悪いから溜息を吐いたわけではない。数年振りだというのに、全然状況が変わっていないと思ったら、なんだか無意識に溜息が出ちゃっただけ。
「それならなによりです。お久しぶりの社交界なのですから、お知り合いに挨拶回りをしなくてよろしいのですか?」
「別に必要ないと思うよ? 私、平凡な女だってバカにされてるし。パーティーが始まってから誰も話しかけてこないのが、良い証拠だよ。それとも、ラルフは私が挨拶回りをしてバカにされるのを見たい?」
「いえ、微塵も見たくございません」
「なら、二人で一緒に隅っこでのんびりしていようよ。こんな嫌な場所でも、あなたと二人なら楽しいよ!」
ニッコリと笑いながらそう言うと、ラルフは小さく頷いた。
私は代々商人をしている、マーチャント男爵家の次女として、この世に生を受けた。いずれはマーチャント家を支える人間になれるように、毎日勉強と習い事に明け暮れ、お父様の厳しい躾にも耐えてきた。
しかし、私はいくら勉強をしても、習い事をしても、才能が開花することは無かった。全く出来ないわけではないけど、何をしても人並みか、下手したらそれ以下だった。
その一方で、私のお姉様と妹は、それぞれ卓越したものを持っていた。
お姉様は勉学にとても優れ、学者の人達と遜色が無いくらい頭が良い。おまけに百年に一人の美人と噂されるくらいの美貌だ。
妹は運動神経が抜群に良くて、スポーツや武術はプロでも敵わないくらいだ。人形の可愛らしい表情で元気よくスポーツや武術に明け暮れるその姿には、多くの熱狂的なファンがいる。
そして極めつけは、魔法と呼ばれる不思議な力を、私の姉妹は扱えて、私自身は全く扱えないということだ。
魔法は一人に一つだけ使うことが出来る、人間の常識を超えた力だ。とても希少な力で、使える人は少ない。
私の姉妹の魔法の力については、どんな力なのか教えてもらえてないけど、私が魔法を使えない事実は変わらない。
そんな平凡な私は、お父様にマーチャント家の役に立たないと見捨てられ、姉妹からは毎日バカにされ、虐げられている。お姉様からはネチネチと嫌味を言われ、妹には武術の練習台にされたりしている。
それがいつの間にか、私は平凡で情けない人間として、貴族の人達にも認識された。その結果、誰も私の所に来なくなったというわけだ。
言っておくけど、誰も来なくて寂しいとかは全然ないよ? ラルフがいつも一緒にいてくれるから、一人ぼっちじゃないもの!
「久しぶりに社交界に出席できたというのに、辛気くさい顔でなにをしている。挨拶回りもできんのか」
「あ、お父様にヴィオラお姉様」
ラルフと静かに隅っこにいるつもりだったのに、お父様であるデニス・マーチャントが、ツルツルな頭を光らせながらやってきた。その隣では、私の姉のヴィオラ・マーチャントが、長くて綺麗な白い髪を、耳にかけながらにこやかに笑っている。
「せめて愛嬌を振りまくくらいはせんか、バカ者め」
「仕方がありませんわ、お父様。シエルのような凡人には、私達のような崇高な人間の当たり前が、全く通じませんもの」
にこやかな顔をしながら、毒を吐いてくるヴィオラお姉様。これはいつものことだから、あまり気にはならないかな。慣れって怖い。
「公共の場でシエル様を貶すようなお言葉は、控えていただけますでしょうか」
「良いんだよ、ラルフ」
淡々と、しかし怒りを含めた言葉をぶつけるラルフを、やんわりとたしなめる。ここで言い争いをしていても、良いことは無いもんね。
「お父様、さっきヴィオラお姉様と一緒に、誰かと話していたみたいですけど、こっちに来てよかったんですか?」
「仕事のことで話をしていただけだ。それが終わったら、お前の情けない姿が目に入ったから、釘を刺しに来てやったのだ」
正直な話、大きなお世話と言わざるを得ないけど、ここは素直に頷いておこう。だって、変にこじれたらまた面倒なことになるし、更にラルフに嫌な思いをさせてしまう。
「今日のお相手も、とっても優しい方でしたわね。私達の話を、すんなりと受け入れてくださいましたわ」
「うむ、我々は本当に運が良い。一人、余計な者が生まれたことを除いてな」
「旦那様、先程から品の無いお言葉を並べているご自覚がおありですか?」
また私のことを馬鹿にしようとしたお父様に、再びラルフが食ってかかった。
ラルフは私の専属の執事だからなのか、どんな状況でも私の味方をしてくれて、凄く頼りになるの。それに、真面目で優しくて冷静で、おいしいお菓子と紅茶も用意してくれる。
でも、こうして私の家族に遠慮無しに意見を言ったりするから、見てる方からすると、ヒヤヒヤすることもあるんだ……。
「貴様、ただの執事の分際で、誰に口をきいている? 突然やってきた貴様を雇ったのは、誰だと思っている?」
「まぁまぁ、そんなにギスギスしてないで、せっかくのパーティーなんだから楽しまないと!」
「あら、リンダじゃないの」
空気が悪くなってきたところにやってきたのは、妹のリンダ・マーチャントだった。小柄な彼女は私と同じ青色で、ウェーブがかかったロングヘアーが特徴的な少女だ。
身内の私が言うのはあれだけど、リンダはとても愛らしい美少女だ。それもあってか、いつもリンダには男性達が言い寄り、よく家でお茶をしている。酷い時は、自室に連れ込んで……これ以上はやめておこうかな、うん。
「ただでさえシエルお姉様は、平凡でダメダメなのに、男性にもモテない可哀想な人なんだから、そんなに言ったら惨めだよ! ねー、みんなもそう思うよね?」
『はい! リンダ様の仰る通りです!!』
自分だって私をバカにしているじゃないかと思っていると、リンダの周りの男性達が、一斉に返事を返した。
今のでなんとなくわかるかもしれないけど、リンダに惚れ込んだ人達は、ちょっとその惚れ方が普通じゃない。中には家庭を壊してまで、リンダに言い寄ってくる人達もいるくらいだ。
……可愛いとは思うけど、そこまでする気持ちは理解できないかな。むしろ、あまりリンダとは一緒にいたくないくらいだもの。異性にしかわからない魅力があるのかな?
「ところでシエルお姉様、婚約者のマーヴィン様は? あ、ついにフラれた!? あたしと違ってモテないお姉様がフラれたら、もう終わりじゃん?」
「フラれてないから。他の人に挨拶をしているから、こっちに来るのが遅れているだけだよ」
まあ……確かに私はモテるという経験はしたことがない。
私の特徴なんて、肩くらいまでの長さに揃えている内巻きの青い髪と、無駄に大きくてクリッとした青い目くらいで、容姿はヴィオラお姉様やリンダには敵わないし、身長も女性の平均にも満たないし、スタイルが良いわけでもない。とにかく、何も秀でたものも持ってない。
こんなんでモテろというほうが、無理な話だよ。
「シエル様、周りのご迷惑になるのでお静かに。それと、噂をすればとやらですよ」
やんわりとラルフに注意をされた私の元に、一人の男性が真っ赤な髪をなびかせながらやってきた。
彼が今日のパーティーの主催者で、私の婚約者のマーヴィン・テネース侯爵子息様だ。いつも社交界に出席しない私を招待したのも、この人だ。
私とは古い付き合いで、今でも親しくしてくれる、数少ない人だ。私としては、本当のお兄様のように思っている。
だから、両家の都合で婚約者になった時は、正直戸惑った。
彼のことは好きではあるけど、異性というよりも家族として好きだから、結婚と言われてもピンと来なかったの。
「マーヴィン様、本日はお招きいただき、誠にありがとうございます」
「…………」
貴族の人達が良くやる、スカートの裾を持ってやるお辞儀をするが、マーヴィン様からは何の返事も帰ってこない。
マーヴィン様は、いつもはとても優しくて紳士的な人だ。私と話す時は、楽しそうに聞いてくれる。
でも、今日のマーヴィン様はいつもと違う。まるで大きな氷像になってしまったのかと思うくらい、冷たく感じる。
「シエル。今日は君について、ご家族や来賓の方々に報告がある」
「報告?」
「ああ。シエル・マーチャント殿。今日限りで君との婚約を破棄させてもらう」
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