34 / 44
第三十四話
しおりを挟む
「………?」
なに、今の渋い声? 頭の中に、直接響いてきたような気がする。それに、私の名前も知ってるんだけど?
『そりゃそうじゃろ。お主が、こんな小さい頃から知っておるのだぞ? そこまでボケとらんわい』
「…………??」
ま、また聞こえてきた! それに、私の考えていることを読んでいるよね! うわぁ、なにこれ気持ち悪い!
『気持ち悪いとはなんじゃ、気持ち悪いとは! こんなプリチーな子ザルを相手にする言葉とは思えんぞ!』
「えっ……嘘、もしかして……サン??」
『うむ。こうしてちゃんと会話をしたのは、初めてじゃの!』
「えぇぇぇぇ!?」
「なんだ、うるさいぞ! 静かにしていろ!」
あまりの衝撃に、看守に怒られるくらいの大声を出してしまった。
し、仕方ないでしょ! だって、子ザルのサンがこんなに流暢に喋ってるんだよ!? それどころか、声が頭の中に聞こえてくるとか、普通じゃないよ!
『そんなに慌てんでも、ちゃんと全部説明してやるわい。しばらく時間はありそうだしの』
「わ、わかった」
全然状況は呑み込めないけど、とりあえずここは頷いておいた方がいいよね、うん。
『ああ、ワシの声はお主にしか聞こえんようにしている。だから、ペラペラ大声で喋っていると、お主がただ独り言を言っている変なやつに見えるから、気をつけるのじゃぞ』
なにからなにまで、普通とは思えないんだけど……いや、子ザルであるサンがこんなに喋ってる時点で、既に普通じゃなかった。
「それじゃあ、今考えてることもわかるの?」
『うむ、よーくわかるぞ。お主の頭の中が、リオンとの煩悩にまみれていることものう』
「えっ!? 私、そんなのないから!」
『何を慌てておる? 生き物なら、そんな欲があるのは普通じゃろ。まあ、そもそもそんなのワシには感じ取れんがな』
だ、騙したの!? サンってば、なんか急に意地悪になってない!? もうちょっと時と場合を選んでほしいんだけど!
『ははっ、そんなふくれっ面にならんでも良かろう。さてと、何から話すかのう?』
「……とりあえず、サンが何者なのか教えてほしいかな」
『端的に答えるなら、ワシは神の一部じゃ』
「……カミって、あの偉いカミ? 髪の毛とか、字が書けるのもじゃなくて?」
『その認識であっているぞ』
サンが、神様の一部? そもそも、神様って本当にこの世にいるの? 全然信じられない。
むしろ、私が現実から目を逸らすために、幻聴を聞いているだけって言われた方が、まだしっくりくる気がするよ。
『お主は正常だから安心せい。お主は知らんだろうが、この世界には多くの神が存在し、世界を形成している。例えば火の神とか、水の神とかじゃな』
「全然信じられない……」
『今どきの若者じゃ、無理もなかろう。遥か昔の人間なら、神が存在するのは当たり前と思っていたんじゃがな』
「そ、そうなんだ。それで、サンは何の神様なの?」
『ワシは作物の神じゃな。まあ、ワシはあくまで本体から分かたれた、一部でしかないがの』
作物の神様? もしかして、昔からティタブタン国が、他国と比べて作物が豊富なのは、それのおかげ?
「その作物の神様の一部が、どうして私と一緒にいたの?」
『お主が住んでいた村はの。作物の神を信仰し、その教えを広めていた神官と共に信仰していた親族や友人が、静かに暮らすために作られた村なんじゃよ。そうそう、ティタブタン国が豊かなのも、神官がワシらにお願いをして、ワシらの加護を与えておったからじゃ』
「話を聞いて、もしかしたらって思ったけど、本当にサンのおかげだったんだ……」
『もうすっかりその教えや歴史は廃れてしまっておるから、誰も知らないと思うがの。その後、ワシ達はずっと自分達を信仰してくれたティタブタン国の民のために加護を与えながら、村が静かで平和に暮らせるように、ワシの一部を使い、子孫を守ってきたのじゃよ』
「どうして守ってくれていたの?」
『長年にわたってワシを信仰してきた神官や親族、友人の子孫を守るのは、そんなにおかしいことかの?』
サンの問いかけに、私はブンブンと首を横に張った。
『まあそんなわけで、ワシは世代に応じて姿形を変えながら、お主達と生活をしている。今はプリチーな子ザルとして、お主を選んで生活しておるが、昔は別の人間と共に、狼やイノシシの姿をしていた時もある。懐かしい話じゃわい』
「村の人は知っているの?」
「今の人間は知らんじゃろうな。実際に、お主はそんな話を聞いたことがなかろう?」
「それは確かに……。それで、ティタブタン国が豊かなのは、あなたのおかげだというのはわかったけど、じゃあなんで急に大不作になっちゃったの? あなたが私と一緒に、ミヌレーボ国に行っちゃったから?」
「当たらずとも遠からず、ってところかの。ワシはお主を大層気に入っている。そんなお主を、あのクソガキ共は散々虐げ続けておったじゃろ?」
あの日々は、思い出したくもない。それくらい、私にとってあの日々は地獄だった。
『なんとか助けたかったが、こんな姿では太刀打ちが出来ぬ。それに、神と言っても、全てを吹き飛ばせるような力はないからのう。お主も大丈夫というから、信じて見守ってきたのじゃが……例の一件で、ワシの堪忍袋の緒が切れた』
……なんだか、展開が読めてきた気がする。
『ワシは本体の力の一部を使い、この国にかけられている加護をいじった。その結果が、お主も知っている通りじゃ』
「それじゃあ、大不作はサンが原因ってこと?」
『うむ。本当は、ある程度不作にして、あのクソガキを困らせてやるつもりじゃったのだが……思った以上にやり過ぎてしまった。ティタブタン国の民達やお主には、本当に申し訳ないことをしてしまったと、猛省しておる』
気にしなくていいよ、とはさすがにサンが相手でも気軽に言えない。実際に、多くの人が巻き込まれてるわけだしね……。
「ミヌレーボ国が大豊作になったのも、あなたが?」
『それも当たらずともって感じじゃな。確かにワシは、お主を受け入れて愛してくれたミヌレーボ国に報いるために、加護は与えた。しかし、ワシの本来の役目は、ティタブタン国への加護。さすがにミヌレーボ国にまで、同じ強さの加護は与えられん』
「じゃあ、どうして?」
『弱い加護でも成果が出るほど、お主やリオン、そしてミヌレーボ国の民がたくさん頑張ったからじゃよ。ワシは、お主達の背中を軽く押したに過ぎんという認識でよい』
ミヌレーボ国が豊かになったのは、そういうことだったんだね。まさに、サンが与えた小さな可能性を、みんなが力を合わせた結果、手に入れたものなんだ。
『ワシが話せることは、これくらいかの。まだ何か聞きたいことは?』
「ティタブタン国は、これからもずっと不作になっちゃうの?」
『いや、急いでいじった加護を元に戻したから、来年には例年通りになる』
それを聞けて安心した。これで全部が解決しても、ティタブタン国がずっと貧しい国になっては、なんの意味が無いもんね。
「とりあえず、聞きたいことはもう無いかな。あとは、ここを何とか出ないと……」
『そうじゃな。このままでは、クソガキがどんな汚い手を使うかもわからん。バカではあるが、お主と不作に関係があると考えた勘の鋭さは侮れんしな。それに、リオンも激昂して、らしくない手を使う可能性も、否定しきれん』
リオン様に限って、そんなことは……無いと思いたいけど、リオン様は私のことになると、だいぶ感情的になるから、絶対無いとは言えないよね。
『今、無理やり脱出をしたとしても、すぐに捕まってしまうじゃろうな。今は好機を待つ必要がある』
「そんな悠長な感じで大丈夫なのかな……?」
『急いで動いても、失敗するものじゃ。こういう時だからこそ、慌てずに。しかし、一瞬の好機を絶対に逃してはいかん。年寄りの知恵袋じゃよ』
「ふふっ、あなたにそんなふうに教えてもらう日が来るなんて、思ってもなかったよ」
『ワシも、こんな時じゃないと、人の子と話すことは無いからのう。新鮮な気分じゃわい』
「そうなの? なら、これからはたくさんお喋りしないとね」
今までずっと一緒にいたのに、ある程度の意思疎通しか出来なかった相手が、こんなにお喋りになっている今、おしゃべりをしないなんて選択肢を取るのは、愚の骨頂だよ!
『その楽しみを実現させるためにも、脱出方法を考えねばな。それに、ただ脱出すれば良いというわけでもない』
「それは私と思ってたよ。いくら不作が解決すると言っても、このままじゃ、マルセムが王様になって、この国がめちゃくちゃになっちゃう。なんとかして、あの人が王様にならないようにしないと」
出来ることなら、王族をやめさせるのが一番良いとは思うけど、王様にさせないだけでも頭を悩ませてる状態で、そこまで求めていたら、何も手に入らないで終わりそうだよね……。
「うーん……マルセムを何とか出来るのは、それよりも立場のある人間だよね」
『そうじゃな。だが、マルセムよりも上の立場となると……』
いないことはない。でも、その人達にお願いできるような状況じゃないのは、私もわかっている。
ちなみに、なんとかできる人間とは、マルセムのご両親だ。
同じお城に住んでいたから、お二人のことはよくわかる。世間一般では、あまり仕事ができなくて、良い評判は聞かない人達だけど、根はとても優しい人達なのを、私は知っている。
「彼らが元気になれば、なんとかなるけど……どうやって治せば……」
『ワシに考えがある。泥船に乗ったつもりでいるとええ!』
それ沈むから! 安心なんてどこにも無いから! 変な子ザル……いや、神様ジョークを入れなくていいから!
もう……とりあえず、ゴールは決まったから、そこにつくまでの道のりを考えないといけないよね。
なに、今の渋い声? 頭の中に、直接響いてきたような気がする。それに、私の名前も知ってるんだけど?
『そりゃそうじゃろ。お主が、こんな小さい頃から知っておるのだぞ? そこまでボケとらんわい』
「…………??」
ま、また聞こえてきた! それに、私の考えていることを読んでいるよね! うわぁ、なにこれ気持ち悪い!
『気持ち悪いとはなんじゃ、気持ち悪いとは! こんなプリチーな子ザルを相手にする言葉とは思えんぞ!』
「えっ……嘘、もしかして……サン??」
『うむ。こうしてちゃんと会話をしたのは、初めてじゃの!』
「えぇぇぇぇ!?」
「なんだ、うるさいぞ! 静かにしていろ!」
あまりの衝撃に、看守に怒られるくらいの大声を出してしまった。
し、仕方ないでしょ! だって、子ザルのサンがこんなに流暢に喋ってるんだよ!? それどころか、声が頭の中に聞こえてくるとか、普通じゃないよ!
『そんなに慌てんでも、ちゃんと全部説明してやるわい。しばらく時間はありそうだしの』
「わ、わかった」
全然状況は呑み込めないけど、とりあえずここは頷いておいた方がいいよね、うん。
『ああ、ワシの声はお主にしか聞こえんようにしている。だから、ペラペラ大声で喋っていると、お主がただ独り言を言っている変なやつに見えるから、気をつけるのじゃぞ』
なにからなにまで、普通とは思えないんだけど……いや、子ザルであるサンがこんなに喋ってる時点で、既に普通じゃなかった。
「それじゃあ、今考えてることもわかるの?」
『うむ、よーくわかるぞ。お主の頭の中が、リオンとの煩悩にまみれていることものう』
「えっ!? 私、そんなのないから!」
『何を慌てておる? 生き物なら、そんな欲があるのは普通じゃろ。まあ、そもそもそんなのワシには感じ取れんがな』
だ、騙したの!? サンってば、なんか急に意地悪になってない!? もうちょっと時と場合を選んでほしいんだけど!
『ははっ、そんなふくれっ面にならんでも良かろう。さてと、何から話すかのう?』
「……とりあえず、サンが何者なのか教えてほしいかな」
『端的に答えるなら、ワシは神の一部じゃ』
「……カミって、あの偉いカミ? 髪の毛とか、字が書けるのもじゃなくて?」
『その認識であっているぞ』
サンが、神様の一部? そもそも、神様って本当にこの世にいるの? 全然信じられない。
むしろ、私が現実から目を逸らすために、幻聴を聞いているだけって言われた方が、まだしっくりくる気がするよ。
『お主は正常だから安心せい。お主は知らんだろうが、この世界には多くの神が存在し、世界を形成している。例えば火の神とか、水の神とかじゃな』
「全然信じられない……」
『今どきの若者じゃ、無理もなかろう。遥か昔の人間なら、神が存在するのは当たり前と思っていたんじゃがな』
「そ、そうなんだ。それで、サンは何の神様なの?」
『ワシは作物の神じゃな。まあ、ワシはあくまで本体から分かたれた、一部でしかないがの』
作物の神様? もしかして、昔からティタブタン国が、他国と比べて作物が豊富なのは、それのおかげ?
「その作物の神様の一部が、どうして私と一緒にいたの?」
『お主が住んでいた村はの。作物の神を信仰し、その教えを広めていた神官と共に信仰していた親族や友人が、静かに暮らすために作られた村なんじゃよ。そうそう、ティタブタン国が豊かなのも、神官がワシらにお願いをして、ワシらの加護を与えておったからじゃ』
「話を聞いて、もしかしたらって思ったけど、本当にサンのおかげだったんだ……」
『もうすっかりその教えや歴史は廃れてしまっておるから、誰も知らないと思うがの。その後、ワシ達はずっと自分達を信仰してくれたティタブタン国の民のために加護を与えながら、村が静かで平和に暮らせるように、ワシの一部を使い、子孫を守ってきたのじゃよ』
「どうして守ってくれていたの?」
『長年にわたってワシを信仰してきた神官や親族、友人の子孫を守るのは、そんなにおかしいことかの?』
サンの問いかけに、私はブンブンと首を横に張った。
『まあそんなわけで、ワシは世代に応じて姿形を変えながら、お主達と生活をしている。今はプリチーな子ザルとして、お主を選んで生活しておるが、昔は別の人間と共に、狼やイノシシの姿をしていた時もある。懐かしい話じゃわい』
「村の人は知っているの?」
「今の人間は知らんじゃろうな。実際に、お主はそんな話を聞いたことがなかろう?」
「それは確かに……。それで、ティタブタン国が豊かなのは、あなたのおかげだというのはわかったけど、じゃあなんで急に大不作になっちゃったの? あなたが私と一緒に、ミヌレーボ国に行っちゃったから?」
「当たらずとも遠からず、ってところかの。ワシはお主を大層気に入っている。そんなお主を、あのクソガキ共は散々虐げ続けておったじゃろ?」
あの日々は、思い出したくもない。それくらい、私にとってあの日々は地獄だった。
『なんとか助けたかったが、こんな姿では太刀打ちが出来ぬ。それに、神と言っても、全てを吹き飛ばせるような力はないからのう。お主も大丈夫というから、信じて見守ってきたのじゃが……例の一件で、ワシの堪忍袋の緒が切れた』
……なんだか、展開が読めてきた気がする。
『ワシは本体の力の一部を使い、この国にかけられている加護をいじった。その結果が、お主も知っている通りじゃ』
「それじゃあ、大不作はサンが原因ってこと?」
『うむ。本当は、ある程度不作にして、あのクソガキを困らせてやるつもりじゃったのだが……思った以上にやり過ぎてしまった。ティタブタン国の民達やお主には、本当に申し訳ないことをしてしまったと、猛省しておる』
気にしなくていいよ、とはさすがにサンが相手でも気軽に言えない。実際に、多くの人が巻き込まれてるわけだしね……。
「ミヌレーボ国が大豊作になったのも、あなたが?」
『それも当たらずともって感じじゃな。確かにワシは、お主を受け入れて愛してくれたミヌレーボ国に報いるために、加護は与えた。しかし、ワシの本来の役目は、ティタブタン国への加護。さすがにミヌレーボ国にまで、同じ強さの加護は与えられん』
「じゃあ、どうして?」
『弱い加護でも成果が出るほど、お主やリオン、そしてミヌレーボ国の民がたくさん頑張ったからじゃよ。ワシは、お主達の背中を軽く押したに過ぎんという認識でよい』
ミヌレーボ国が豊かになったのは、そういうことだったんだね。まさに、サンが与えた小さな可能性を、みんなが力を合わせた結果、手に入れたものなんだ。
『ワシが話せることは、これくらいかの。まだ何か聞きたいことは?』
「ティタブタン国は、これからもずっと不作になっちゃうの?」
『いや、急いでいじった加護を元に戻したから、来年には例年通りになる』
それを聞けて安心した。これで全部が解決しても、ティタブタン国がずっと貧しい国になっては、なんの意味が無いもんね。
「とりあえず、聞きたいことはもう無いかな。あとは、ここを何とか出ないと……」
『そうじゃな。このままでは、クソガキがどんな汚い手を使うかもわからん。バカではあるが、お主と不作に関係があると考えた勘の鋭さは侮れんしな。それに、リオンも激昂して、らしくない手を使う可能性も、否定しきれん』
リオン様に限って、そんなことは……無いと思いたいけど、リオン様は私のことになると、だいぶ感情的になるから、絶対無いとは言えないよね。
『今、無理やり脱出をしたとしても、すぐに捕まってしまうじゃろうな。今は好機を待つ必要がある』
「そんな悠長な感じで大丈夫なのかな……?」
『急いで動いても、失敗するものじゃ。こういう時だからこそ、慌てずに。しかし、一瞬の好機を絶対に逃してはいかん。年寄りの知恵袋じゃよ』
「ふふっ、あなたにそんなふうに教えてもらう日が来るなんて、思ってもなかったよ」
『ワシも、こんな時じゃないと、人の子と話すことは無いからのう。新鮮な気分じゃわい』
「そうなの? なら、これからはたくさんお喋りしないとね」
今までずっと一緒にいたのに、ある程度の意思疎通しか出来なかった相手が、こんなにお喋りになっている今、おしゃべりをしないなんて選択肢を取るのは、愚の骨頂だよ!
『その楽しみを実現させるためにも、脱出方法を考えねばな。それに、ただ脱出すれば良いというわけでもない』
「それは私と思ってたよ。いくら不作が解決すると言っても、このままじゃ、マルセムが王様になって、この国がめちゃくちゃになっちゃう。なんとかして、あの人が王様にならないようにしないと」
出来ることなら、王族をやめさせるのが一番良いとは思うけど、王様にさせないだけでも頭を悩ませてる状態で、そこまで求めていたら、何も手に入らないで終わりそうだよね……。
「うーん……マルセムを何とか出来るのは、それよりも立場のある人間だよね」
『そうじゃな。だが、マルセムよりも上の立場となると……』
いないことはない。でも、その人達にお願いできるような状況じゃないのは、私もわかっている。
ちなみに、なんとかできる人間とは、マルセムのご両親だ。
同じお城に住んでいたから、お二人のことはよくわかる。世間一般では、あまり仕事ができなくて、良い評判は聞かない人達だけど、根はとても優しい人達なのを、私は知っている。
「彼らが元気になれば、なんとかなるけど……どうやって治せば……」
『ワシに考えがある。泥船に乗ったつもりでいるとええ!』
それ沈むから! 安心なんてどこにも無いから! 変な子ザル……いや、神様ジョークを入れなくていいから!
もう……とりあえず、ゴールは決まったから、そこにつくまでの道のりを考えないといけないよね。
166
あなたにおすすめの小説
姉から奪うことしかできない妹は、ザマァされました
饕餮
ファンタジー
わたくしは、オフィリア。ジョンパルト伯爵家の長女です。
わたくしには双子の妹がいるのですが、使用人を含めた全員が妹を溺愛するあまり、我儘に育ちました。
しかもわたくしと色違いのものを両親から与えられているにもかかわらず、なぜかわたくしのものを欲しがるのです。
末っ子故に甘やかされ、泣いて喚いて駄々をこね、暴れるという貴族女性としてはあるまじき行為をずっとしてきたからなのか、手に入らないものはないと考えているようです。
そんなあざといどころかあさましい性根を持つ妹ですから、いつの間にか両親も兄も、使用人たちですらも絆されてしまい、たとえ嘘であったとしても妹の言葉を鵜呑みにするようになってしまいました。
それから数年が経ち、学園に入学できる年齢になりました。が、そこで兄と妹は――
n番煎じのよくある妹が姉からものを奪うことしかしない系の話です。
全15話。
※カクヨムでも公開しています
行き倒れていた人達を助けたら、8年前にわたしを追い出した元家族でした
柚木ゆず
恋愛
行き倒れていた3人の男女を介抱したら、その人達は8年前にわたしをお屋敷から追い出した実父と継母と腹違いの妹でした。
お父様達は貴族なのに3人だけで行動していて、しかも当時の面影がなくなるほどに全員が老けてやつれていたんです。わたしが追い出されてから今日までの間に、なにがあったのでしょうか……?
※体調の影響で一時的に感想欄を閉じております。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
学園首席の私は魔力を奪われて婚約破棄されたけど、借り物の魔力でいつまで調子に乗っているつもり?
今川幸乃
ファンタジー
下級貴族の生まれながら魔法の練習に励み、貴族の子女が集まるデルフィーラ学園に首席入学を果たしたレミリア。
しかし進級試験の際に彼女の実力を嫉妬したシルヴィアの呪いで魔力を奪われ、婚約者であったオルクには婚約破棄されてしまう。
が、そんな彼女を助けてくれたのはアルフというミステリアスなクラスメイトであった。
レミリアはアルフとともに呪いを解き、シルヴィアへの復讐を行うことを決意する。
レミリアの魔力を奪ったシルヴィアは調子に乗っていたが、全校生徒の前で魔法を披露する際に魔力を奪い返され、醜態を晒すことになってしまう。
※3/6~ プチ改稿中
完結 貴族生活を棄てたら王子が追って来てメンドクサイ。
音爽(ネソウ)
恋愛
王子の婚約者になってから様々な嫌がらせを受けるようになった侯爵令嬢。
王子は助けてくれないし、母親と妹まで嫉妬を向ける始末。
貴族社会が嫌になった彼女は家出を決行した。
だが、有能がゆえに王子妃に選ばれた彼女は追われることに……
親友に恋人を奪われた俺は、姉の様に思っていた親友の父親の後妻を貰う事にしました。傷ついた二人の恋愛物語
石のやっさん
恋愛
同世代の輪から浮いていた和也は、村の権力者の息子正一より、とうとう、その輪のなから外されてしまった。幼馴染もかっての婚約者芽瑠も全員正一の物ので、そこに居場所が無いと悟った和也はそれを受け入れる事にした。
本来なら絶望的な状況の筈だが……和也の顔は笑っていた。
『勇者からの追放物』を書く時にに集めた資料を基に異世界でなくどこかの日本にありそうな架空な場所での物語を書いてみました。
「25周年アニバーサリーカップ」出展にあたり 主人公の年齢を25歳 ヒロインの年齢を30歳にしました。
カクヨムでカクヨムコン10に応募して中間突破した作品を加筆修正した作品です。
大きく物語は変わりませんが、所々、加筆修正が入ります。
ただ誰かにとって必要な存在になりたかった
風見ゆうみ
恋愛
19歳になった伯爵令嬢の私、ラノア・ナンルーは同じく伯爵家の当主ビューホ・トライトと結婚した。
その日の夜、ビューホ様はこう言った。
「俺には小さい頃から思い合っている平民のフィナという人がいる。俺とフィナの間に君が入る隙はない。彼女の事は母上も気に入っているんだ。だから君はお飾りの妻だ。特に何もしなくていい。それから、フィナを君の侍女にするから」
家族に疎まれて育った私には、酷い仕打ちを受けるのは当たり前になりすぎていて、どう反応する事が正しいのかわからなかった。
結婚した初日から私は自分が望んでいた様な妻ではなく、お飾りの妻になった。
お飾りの妻でいい。
私を必要としてくれるなら…。
一度はそう思った私だったけれど、とあるきっかけで、公爵令息と知り合う事になり、状況は一変!
こんな人に必要とされても意味がないと感じた私は離縁を決意する。
※「ただ誰かに必要とされたかった」から、タイトルを変更致しました。
※クズが多いです。
※史実とは関係なく、設定もゆるい、ご都合主義です。
※独特の世界観です。
※中世〜近世ヨーロッパ風で貴族制度はありますが、法律、武器、食べ物など、その他諸々は現代風です。話を進めるにあたり、都合の良い世界観となっています。
※誤字脱字など見直して気を付けているつもりですが、やはりございます。申し訳ございません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる