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第三十六話
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「おい、何をしている! お前もこっちにこい! 侵入者が上層に向かっていると報告を受けた! すぐに鎮圧しに行くぞ!」
「はっ!」
あと一秒もあれば、見つかってしまうところで、彼は別の兵士の人に呼ばれて、私の元から駆け足で去っていった。
私、なんとか窮地を脱することが出来たのかな……?
「……はぁ……危なかったぁ……ふへぇ……」
『ほれ、こんなところで呆けている暇はなかろう! 兵達が上に向かっている今のうちに、さっさと行動をせぬか!』
思わず、へなへなと柱に寄りかかりながら座り込んでしまった私のほっぺを、サンがペシペシと叩く。
そ、そうだよね、まだ安心するには早すぎるよね。気を抜かずに行動しないと.。
「えっと……上に集まってるってことは、上の階にある、マルセムのご両親の部屋に行くのは、危険すぎるよね」
『うむ。残念じゃが、今はそれは諦めて脱出をするしかあるまい。玄関はまだ人が多いから、裏庭から逃げるぞ! ほれ、ダッシュダッシュ!』
サンに急かされて、こっそり急いで裏庭に行こうとしたが、建物の中からだと人が多すぎて、通ることが厳しそうだ。
これなら、逆に中庭を経由していった方が、人がいなさそうな気配がある。侵入者が上の階に向かっているんだから、室内に人を向かわせているだろうしね。
「よっと!」
今出来る最短の道で中庭に出てくると、想像通り、室内よりもかなり人は少ない状態だった。
外が暗いおかげで、なおさら見つかりにくそうだし、このまま中庭を通って、裏庭まで、全速力で行っちゃおう!
……って言いたいところだけど……最近雨が降ったのか、地面がぬかるんでて走りにくい……! 滑って転ばないようにしないと!
「緊急事態! 緊急事態! 地下牢から女性が一人脱獄! 繰り返す! 地下牢から女性が一人脱獄! ただちに身柄を確保せよ!」
お城中に響き渡る大きな声に反応して、咄嗟に茂みの中に身を隠した。
今の連絡って、もしかしなくても私のことだよね!? どうしてバレちゃったの!? ここまで誰にも見つかっていないのに!
『思ったより早かったのう。おそらく、見張りに来た新人が意識を取り戻したといったところじゃな。気づかれてしまったものは仕方がない。嘆くよりも、即行動!』
「そ、そうだよね。今まで通り気をつけていれば、見つからないよね」
まるで、自分に言い聞かせるように呟きながら、極力音がしないように進んでいると、絶望的な言葉が聞こえてきた。
「これは……おい、ここに足跡がある! この窓から外に逃げたみたいだ!!」
「各兵に連絡! 脱獄した女性は、中庭に向かった模様! 付近の兵は、直ちに向かって身柄を拘束せよ!!」
「しまった……地面がぬかるんでいるせいで、足跡が……!」
地面の状態は、確かに不運だったかもしれないが、それ以上にダメだったのは、外なら人が少ないから大丈夫と、どこかで油断をしていたことだ。油断をしていなければ、足跡を消して見つからないようにも出来たはず。
『こうなったら仕方がない。ワシが囮になってる隙に、お主は逃げろ』
「そんなのダメだよ! 私なら大丈夫だから、サンはいつものように一緒にいて!」
『むぐっ!? お、おいエメフィーユ! 無茶をするでない!』
サンを服の中に押し込んだ私は、意を決して茂みの中から飛び出し、裏庭に向けて全速力でダッシュした。
そんなことをすれば、当然見つかってしまう。でも、あそこでコソコソしていたって、すぐに見つかってしまう。だったら、人がもっと集まる前に動いた方がいいと判断した。
「いたぞ! 脱走者だ! 現在、中庭を逃走中!」
「エメフィーユ様、もうあなたが逃げる道はありません! 大人しく、牢にお戻りください!」
「っ……! ごめんなさい、捕まるわけにはいかないんです! このままじゃ、大変なことになってしまうんです!」
脱走者が、王子の元妻というのがわかってか、兵士達が躊躇していたり動きに迷いがある隙を突いて、私はするすると人の間を抜け、茂みに身を隠したりして、なんとか裏庭に向けて走っていく。
その道中で、体のことなんて二の次な動き方をしたせいで、体中が泥だらけになってしまった。
それでもなんとか走っていたが、ぬかるんでいる地面に足を取られて、転んでしまった。
『大丈夫か!?』
「大丈夫……!」
確かに体は大丈夫だ。でも、この間にどんどんと兵士達に距離を詰められてしまい、気づいた頃には、囲まれてしまっていた。
まさに絶体絶命の大ピンチ。あんなところで転ばなければ、こんなことには……!
「さあ、もう逃げ場はありません。大人しく投降してください」
「ぎゃあ!?」
あくまで紳士的に私を捕まえようとする兵士から少し離れたところで、兵士が空を舞い、そのまま地面に叩き落とされた。
どうやら、侵入者がこっちに来て暴れているみたい。それも、一人や二人じゃなく、何十人もばっさばっさとなぎ倒しながら、私の方に向かってきて……なんと、全員倒してしまった。
「あっ……!」
周りの兵士を全員気絶させてしまった二人は、そのまま私の私の元にやってくる。それとほぼ同時に、二人の警戒心が和らいでいるのがわかった。
特に、二人のうちに一人が、私の肩を嬉しそうに叩いているのが、何よりの証拠だろう。
「あなた達は……!」
顔が隠れていても、体が隠れていても、私にはわかる。仕草とか、雰囲気とか……あの人達にそっくりだ!
「助けに――」
「…………」
長槍を持っていた人物は、人差し指で私の唇をそっと押さえて、それ以上喋ってはいけないと、言葉を使わずに伝えてきた。
そ、そうだよね。私が思っている人で合っているなら、正体がバレてしまったら、とんでもないことになってしまうもんね。
『エメフィーユ、強力な助っ人を得た今なら、逃げずにもう一つの目的を達成できるのではないか?』
「確かに! あの、お二人の力を私に貸してください! 私、ティタブタン国を救うために、とある人とお話をしないといけないんです! だから、力を貸してください!」
深々と頭を下げてお願いをすると、二人は親指を立てて了承してくれた。
武器を持っていない女性が前に、後ろは私と長槍の男性って並びで、目的地へ向かって走り出す。
「は、速い……!」
先頭を走る彼女の後に続くが、ついていくのが精いっぱいだ。その間に、彼女の拳や蹴りが兵士達にめり込み、意識を刈り取る。
一方の男性は、長槍の間合いをうまく使っている。確実に敵の攻撃をいなし、時には攻撃をするやり方だ。方や剛、方や柔って言えばいいのかな……? 正反対だけど、息はピッタリだ。
「このままいきましょう!」
室内に戻り、順調に目的地の近くまで来たが、さっきよりもたくさんの兵士が追いかけてきた。
あれだけ多いと、さすがに手間取りそう……そう思っていたら、彼女がビシッと親指を立てて見せてから、なんと一人で追っ手に挑んでいった。おかげで、一時的とはいえ、私達の周りから、兵士がいなくなった。
「…………」
一緒にいる長槍の男性は、無言を貫いて彼女の後姿を見送る。その姿は、どこか不安げに見えた。
「あの人なら大丈夫ですよ。それは、あなたが一番わかっているのではありませんか?」
「…………」
彼は私の頭を撫でながら、小さく頷いて見せた。
うん、この頭の撫で方……やっぱりあの人だ。私がこの人のことを、間違えるわけがない。
「目的地まで、エスコート……お願いできますか」
「…………」
差し出した私の手を、彼はそっと握り、そのままお城の上へと向かって走りだす。
その道中で、たくさんの兵士が、私達を捕まえようと襲ってきたが、彼が全員倒してくれた。
『ほれ、間抜け面で見惚れとらんで、走らんかい!』
「ご、ごめん!」
うぅ、サンに怒られちゃった。こんな状況で見惚れている私が悪いから、何も言い返せないや。
「侵入者と脱走者は、城の上層に接近中! 援護を求む!」
「まさか、国王様が目的か!? なんとしてでも、国王様をお守りするのだ!」
彼女が囮を買って出てくれたおかげで、こちらに来る人数が減ってきたとはいえ、私達が目指す場所は、この国の王様がいる場所ということもあり、かなり兵士の人数が多い。
……それでも、彼はたくさんの兵士を相手に一歩も引かずに槍を振るう。
「目的地は、もう少しです!」
彼と一緒に、一生懸命お城の上へと向かい、ついに目的地である、国王様の私室へと到着した。
私の見立てが正しければ、国王様と王妃様は、ここで療養をしているはず。なんとしてでも、お二人に事の顛末を離して、マルセムを止めてもらわなくちゃ!
「はっ!」
あと一秒もあれば、見つかってしまうところで、彼は別の兵士の人に呼ばれて、私の元から駆け足で去っていった。
私、なんとか窮地を脱することが出来たのかな……?
「……はぁ……危なかったぁ……ふへぇ……」
『ほれ、こんなところで呆けている暇はなかろう! 兵達が上に向かっている今のうちに、さっさと行動をせぬか!』
思わず、へなへなと柱に寄りかかりながら座り込んでしまった私のほっぺを、サンがペシペシと叩く。
そ、そうだよね、まだ安心するには早すぎるよね。気を抜かずに行動しないと.。
「えっと……上に集まってるってことは、上の階にある、マルセムのご両親の部屋に行くのは、危険すぎるよね」
『うむ。残念じゃが、今はそれは諦めて脱出をするしかあるまい。玄関はまだ人が多いから、裏庭から逃げるぞ! ほれ、ダッシュダッシュ!』
サンに急かされて、こっそり急いで裏庭に行こうとしたが、建物の中からだと人が多すぎて、通ることが厳しそうだ。
これなら、逆に中庭を経由していった方が、人がいなさそうな気配がある。侵入者が上の階に向かっているんだから、室内に人を向かわせているだろうしね。
「よっと!」
今出来る最短の道で中庭に出てくると、想像通り、室内よりもかなり人は少ない状態だった。
外が暗いおかげで、なおさら見つかりにくそうだし、このまま中庭を通って、裏庭まで、全速力で行っちゃおう!
……って言いたいところだけど……最近雨が降ったのか、地面がぬかるんでて走りにくい……! 滑って転ばないようにしないと!
「緊急事態! 緊急事態! 地下牢から女性が一人脱獄! 繰り返す! 地下牢から女性が一人脱獄! ただちに身柄を確保せよ!」
お城中に響き渡る大きな声に反応して、咄嗟に茂みの中に身を隠した。
今の連絡って、もしかしなくても私のことだよね!? どうしてバレちゃったの!? ここまで誰にも見つかっていないのに!
『思ったより早かったのう。おそらく、見張りに来た新人が意識を取り戻したといったところじゃな。気づかれてしまったものは仕方がない。嘆くよりも、即行動!』
「そ、そうだよね。今まで通り気をつけていれば、見つからないよね」
まるで、自分に言い聞かせるように呟きながら、極力音がしないように進んでいると、絶望的な言葉が聞こえてきた。
「これは……おい、ここに足跡がある! この窓から外に逃げたみたいだ!!」
「各兵に連絡! 脱獄した女性は、中庭に向かった模様! 付近の兵は、直ちに向かって身柄を拘束せよ!!」
「しまった……地面がぬかるんでいるせいで、足跡が……!」
地面の状態は、確かに不運だったかもしれないが、それ以上にダメだったのは、外なら人が少ないから大丈夫と、どこかで油断をしていたことだ。油断をしていなければ、足跡を消して見つからないようにも出来たはず。
『こうなったら仕方がない。ワシが囮になってる隙に、お主は逃げろ』
「そんなのダメだよ! 私なら大丈夫だから、サンはいつものように一緒にいて!」
『むぐっ!? お、おいエメフィーユ! 無茶をするでない!』
サンを服の中に押し込んだ私は、意を決して茂みの中から飛び出し、裏庭に向けて全速力でダッシュした。
そんなことをすれば、当然見つかってしまう。でも、あそこでコソコソしていたって、すぐに見つかってしまう。だったら、人がもっと集まる前に動いた方がいいと判断した。
「いたぞ! 脱走者だ! 現在、中庭を逃走中!」
「エメフィーユ様、もうあなたが逃げる道はありません! 大人しく、牢にお戻りください!」
「っ……! ごめんなさい、捕まるわけにはいかないんです! このままじゃ、大変なことになってしまうんです!」
脱走者が、王子の元妻というのがわかってか、兵士達が躊躇していたり動きに迷いがある隙を突いて、私はするすると人の間を抜け、茂みに身を隠したりして、なんとか裏庭に向けて走っていく。
その道中で、体のことなんて二の次な動き方をしたせいで、体中が泥だらけになってしまった。
それでもなんとか走っていたが、ぬかるんでいる地面に足を取られて、転んでしまった。
『大丈夫か!?』
「大丈夫……!」
確かに体は大丈夫だ。でも、この間にどんどんと兵士達に距離を詰められてしまい、気づいた頃には、囲まれてしまっていた。
まさに絶体絶命の大ピンチ。あんなところで転ばなければ、こんなことには……!
「さあ、もう逃げ場はありません。大人しく投降してください」
「ぎゃあ!?」
あくまで紳士的に私を捕まえようとする兵士から少し離れたところで、兵士が空を舞い、そのまま地面に叩き落とされた。
どうやら、侵入者がこっちに来て暴れているみたい。それも、一人や二人じゃなく、何十人もばっさばっさとなぎ倒しながら、私の方に向かってきて……なんと、全員倒してしまった。
「あっ……!」
周りの兵士を全員気絶させてしまった二人は、そのまま私の私の元にやってくる。それとほぼ同時に、二人の警戒心が和らいでいるのがわかった。
特に、二人のうちに一人が、私の肩を嬉しそうに叩いているのが、何よりの証拠だろう。
「あなた達は……!」
顔が隠れていても、体が隠れていても、私にはわかる。仕草とか、雰囲気とか……あの人達にそっくりだ!
「助けに――」
「…………」
長槍を持っていた人物は、人差し指で私の唇をそっと押さえて、それ以上喋ってはいけないと、言葉を使わずに伝えてきた。
そ、そうだよね。私が思っている人で合っているなら、正体がバレてしまったら、とんでもないことになってしまうもんね。
『エメフィーユ、強力な助っ人を得た今なら、逃げずにもう一つの目的を達成できるのではないか?』
「確かに! あの、お二人の力を私に貸してください! 私、ティタブタン国を救うために、とある人とお話をしないといけないんです! だから、力を貸してください!」
深々と頭を下げてお願いをすると、二人は親指を立てて了承してくれた。
武器を持っていない女性が前に、後ろは私と長槍の男性って並びで、目的地へ向かって走り出す。
「は、速い……!」
先頭を走る彼女の後に続くが、ついていくのが精いっぱいだ。その間に、彼女の拳や蹴りが兵士達にめり込み、意識を刈り取る。
一方の男性は、長槍の間合いをうまく使っている。確実に敵の攻撃をいなし、時には攻撃をするやり方だ。方や剛、方や柔って言えばいいのかな……? 正反対だけど、息はピッタリだ。
「このままいきましょう!」
室内に戻り、順調に目的地の近くまで来たが、さっきよりもたくさんの兵士が追いかけてきた。
あれだけ多いと、さすがに手間取りそう……そう思っていたら、彼女がビシッと親指を立てて見せてから、なんと一人で追っ手に挑んでいった。おかげで、一時的とはいえ、私達の周りから、兵士がいなくなった。
「…………」
一緒にいる長槍の男性は、無言を貫いて彼女の後姿を見送る。その姿は、どこか不安げに見えた。
「あの人なら大丈夫ですよ。それは、あなたが一番わかっているのではありませんか?」
「…………」
彼は私の頭を撫でながら、小さく頷いて見せた。
うん、この頭の撫で方……やっぱりあの人だ。私がこの人のことを、間違えるわけがない。
「目的地まで、エスコート……お願いできますか」
「…………」
差し出した私の手を、彼はそっと握り、そのままお城の上へと向かって走りだす。
その道中で、たくさんの兵士が、私達を捕まえようと襲ってきたが、彼が全員倒してくれた。
『ほれ、間抜け面で見惚れとらんで、走らんかい!』
「ご、ごめん!」
うぅ、サンに怒られちゃった。こんな状況で見惚れている私が悪いから、何も言い返せないや。
「侵入者と脱走者は、城の上層に接近中! 援護を求む!」
「まさか、国王様が目的か!? なんとしてでも、国王様をお守りするのだ!」
彼女が囮を買って出てくれたおかげで、こちらに来る人数が減ってきたとはいえ、私達が目指す場所は、この国の王様がいる場所ということもあり、かなり兵士の人数が多い。
……それでも、彼はたくさんの兵士を相手に一歩も引かずに槍を振るう。
「目的地は、もう少しです!」
彼と一緒に、一生懸命お城の上へと向かい、ついに目的地である、国王様の私室へと到着した。
私の見立てが正しければ、国王様と王妃様は、ここで療養をしているはず。なんとしてでも、お二人に事の顛末を離して、マルセムを止めてもらわなくちゃ!
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