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第二十話 染みわたる優しさ
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「ロドルフ様、台所を貸していただけますか?」
「ええ、ご自由にお使いください」
「ありがとうございます」
ロドルフ様の許可を貰ってから、私は果実を食べやすい大きさに切り始める。料理をしたことがないおかげで、自分でも心配になるくらいたどたどしい動きだけど、とりあえず切れてるから大丈夫だろう。
「食べやすいサイズに切ったら、これを鍋で火にかけてっと」
果実が入った鍋を、弱めの火でゆっくりと煮始める。ある程度火が通ったら、そこに水を入れて更に煮詰めていく。
うーん、甘い良い香りが鼻を優しくくすぐってくるわ。このまま食べてしまいたくなるけど、グッと我慢しなくちゃね。
「よし、良い感じね。粗熱を取るためにこっちに置いておいてっと……オーウェン様達が帰ってきたら、ハチミツをこれに入れて完璧だわ。そうだ、今のうちにもう一つもやっておこうかしら?」
すぐ帰ってくると言っていたから、あまり時間のことは気にする必要は無さそうだし、進めておこう。そう思った私は、別の鍋に乾燥した薬草と水を入れて、これも弱めの火で煮始めた。
「ただいま~! エリンお姉ちゃん、ハチミツ買ってきたよ!」
することがなくなってしまい、のんびりと座って待っていると、ココちゃんが元気よく声をかけてきてくれた。
「おかえりなさい、オーウェン様、ココちゃん。買ってきてくれて、ありがとうございます」
「これくらいお安い御用だ。なにやら甘い匂いがするが、何を作っているんだ?」
「これからわかりますよ」
「わぁ~! わたし、見てていい!?」
「もちろんよ」
「何か手伝えることはあるか?」
「ありがとうございます。でも、そんなに大変じゃないので、お気持ちだけいただいておきます」
「わかった」
目を輝かせるココちゃんと、興味深そうな表情のオーウェン様に見守られながら、私はハチミツを果実を煮詰めた鍋に加え、ゆっくりと混ぜた。
「わぁ、おいしそう! でもこれ、お薬なの?」
「ええ、立派な薬よ。この鍋に、水が溜まってるでしょう? これにハチミツを混ぜると、咳にとてもよく効く薬になるの。この果実も、もちろん食べられるから、栄養も取れるのよ」
「なるほど、よく考えている……感心してしまうよ」
「ありがとうございます。こっちもよさそうですね」
オーウェン様に素直に褒められて、ちょっと照れてしまいながら、もう一つの鍋を火から降ろし、中に入っていた薬草を取り除いた。
「これは?」
「こっちは、この薬草を煎じて作ったお茶です。こっちも咳に効果があるんですが、ちょっと苦いのが難点で飲みにくいので……こうするんです」
出来立てほやほやのお茶をカップに注ぎ、果実の汁とハチミツが混ざった水——甘いシロップを少量入れてかき混ぜた後、別のお皿にシロップを作る時に使った果実を盛りつけた。
「これで完成です。ココちゃん、ロドルフ様を呼んできてもらえるかな?」
「任せてー!」
意気揚々と台所を飛び出したココちゃんを笑顔で手を振っていると、オーウェン様が顎に手を当てながら、完成した品をジッと見つめてきた。
「これだと、まるでティータイムをするかのような品だな。ぱっと見だと、薬だとわからない。それに、作り過ぎではないか?」
「お察しの通り、あえて薬とは思えないようなものを用意しました。量に関しては、多めに作ってあります」
「それはどうしてだ?」
「せっかくオーウェン様とココちゃんが、縁のある方と過ごせるのですから、三人がゆったりとお茶を楽しめたらなって思って」
「……エリン……」
目を丸くするオーウェンを見ていたら、出過ぎた真似をしてしまったかという考えが、脳裏に過ぎった。
「あの、余計なことでしたか?」
「そんなことはないさ。ありがとう、エリン。君は本当に優しいな」
「や、優しいって……さ、さてと! 最後に仕上げをしなくちゃ」
褒められて照れてしまった私は、誤魔化すように用意した薬に手をかざすと、心の中で祈り始める。
ロドルフ様の咳が治って、これからも健康で穏やかに暮らせますように、これからもオーウェン様とココちゃんと仲良く出来ますように――
「おお、前回と同じで、薬がほのかに光り始めた……以前も思ったが、これが聖女の力が宿った証拠なのか?」
「はい。この光はすぐに消えるので、ご安心ください」
これで最後の仕上げも出来た。あとはロドルフ様に飲んでもらって、ちゃんと効いたかの確認をしてもらおう。
「お待たせしました。おお、良い匂いが……なるほど、薬茶にシロップの組み合わせと来ましたか」
「はい。よければ、オーウェン様とココちゃんと一緒にお茶が出来ればと思って、多めに作りました」
「わざわざ気を使ってもらって申し訳ありませんな。では、リビングでいただきましょう。もちろん、四人でね」
「わーい、賛成~!」
「たまにはこうしてゆっくりするのもいいな」
ティータイムをする人の中に私も含まれていることに、邪魔にならないだろうかと申し訳なく思ったけど、三人とも私がいることに乗り気みたいで……断りにくいわね。
「では、早速いただきましょう。まずはお茶から……うむ、薬茶特有の渋みがシロップによって緩和され、飲みやすくなっている。この程よい暖かさも、とても心地いい」
「こっちの果物もおいしいよ! ロドルフおじいちゃんも食べてみて!」
「ええ、もちろんいただきますよ。なるほど、果汁をシロップとしてだけではなく、こうして一緒に食べられるようにしたのですな」
「はい。シロップはもっと作ろうと思えば、出来ないこともありませんが、あまり量があっても甘くてしつこくなってしますし、火を入れすぎると果肉の食べられる部分が減りますからね」
一つ一つ丁寧に感想を言ってくださるロドルフ様に、私もそれに応えるべく丁寧に受け答えをする。その隣では、ココちゃんが満面の笑みで、お茶と果実を楽しんでいた。
「わたし、お茶って苦手だったけど、これなら飲めるよ~! エリンお姉ちゃん、また今度作って!」
「いいわよ。その時は、一緒に作ってみましょうか」
「作るー!」
「ココ様にとって、エリン殿は本当に良い姉のようですね。オーウェン様、少々妬いてしまわれるのではありませんか?」
「な、なんのことだかわからないな。それで、咳の具合はどうだ?」
「さすがにそんなにすぐ、に……おや?」
お茶を綺麗に飲み干したロドルフ様は、喉に手を当てて何度か咳ばらいをする。しかし、いくら待っても咳は出なかった。
「あれだけ苦しかった咳が、嘘のように……これは驚いた。エリン殿、あなたの実力はやはり本物の様ですな」
「それじゃあ……!」
「はい。治してくれた礼も兼ねて……絶賛する内容で推薦状を書かせてもらいましょう」
「ええ、ご自由にお使いください」
「ありがとうございます」
ロドルフ様の許可を貰ってから、私は果実を食べやすい大きさに切り始める。料理をしたことがないおかげで、自分でも心配になるくらいたどたどしい動きだけど、とりあえず切れてるから大丈夫だろう。
「食べやすいサイズに切ったら、これを鍋で火にかけてっと」
果実が入った鍋を、弱めの火でゆっくりと煮始める。ある程度火が通ったら、そこに水を入れて更に煮詰めていく。
うーん、甘い良い香りが鼻を優しくくすぐってくるわ。このまま食べてしまいたくなるけど、グッと我慢しなくちゃね。
「よし、良い感じね。粗熱を取るためにこっちに置いておいてっと……オーウェン様達が帰ってきたら、ハチミツをこれに入れて完璧だわ。そうだ、今のうちにもう一つもやっておこうかしら?」
すぐ帰ってくると言っていたから、あまり時間のことは気にする必要は無さそうだし、進めておこう。そう思った私は、別の鍋に乾燥した薬草と水を入れて、これも弱めの火で煮始めた。
「ただいま~! エリンお姉ちゃん、ハチミツ買ってきたよ!」
することがなくなってしまい、のんびりと座って待っていると、ココちゃんが元気よく声をかけてきてくれた。
「おかえりなさい、オーウェン様、ココちゃん。買ってきてくれて、ありがとうございます」
「これくらいお安い御用だ。なにやら甘い匂いがするが、何を作っているんだ?」
「これからわかりますよ」
「わぁ~! わたし、見てていい!?」
「もちろんよ」
「何か手伝えることはあるか?」
「ありがとうございます。でも、そんなに大変じゃないので、お気持ちだけいただいておきます」
「わかった」
目を輝かせるココちゃんと、興味深そうな表情のオーウェン様に見守られながら、私はハチミツを果実を煮詰めた鍋に加え、ゆっくりと混ぜた。
「わぁ、おいしそう! でもこれ、お薬なの?」
「ええ、立派な薬よ。この鍋に、水が溜まってるでしょう? これにハチミツを混ぜると、咳にとてもよく効く薬になるの。この果実も、もちろん食べられるから、栄養も取れるのよ」
「なるほど、よく考えている……感心してしまうよ」
「ありがとうございます。こっちもよさそうですね」
オーウェン様に素直に褒められて、ちょっと照れてしまいながら、もう一つの鍋を火から降ろし、中に入っていた薬草を取り除いた。
「これは?」
「こっちは、この薬草を煎じて作ったお茶です。こっちも咳に効果があるんですが、ちょっと苦いのが難点で飲みにくいので……こうするんです」
出来立てほやほやのお茶をカップに注ぎ、果実の汁とハチミツが混ざった水——甘いシロップを少量入れてかき混ぜた後、別のお皿にシロップを作る時に使った果実を盛りつけた。
「これで完成です。ココちゃん、ロドルフ様を呼んできてもらえるかな?」
「任せてー!」
意気揚々と台所を飛び出したココちゃんを笑顔で手を振っていると、オーウェン様が顎に手を当てながら、完成した品をジッと見つめてきた。
「これだと、まるでティータイムをするかのような品だな。ぱっと見だと、薬だとわからない。それに、作り過ぎではないか?」
「お察しの通り、あえて薬とは思えないようなものを用意しました。量に関しては、多めに作ってあります」
「それはどうしてだ?」
「せっかくオーウェン様とココちゃんが、縁のある方と過ごせるのですから、三人がゆったりとお茶を楽しめたらなって思って」
「……エリン……」
目を丸くするオーウェンを見ていたら、出過ぎた真似をしてしまったかという考えが、脳裏に過ぎった。
「あの、余計なことでしたか?」
「そんなことはないさ。ありがとう、エリン。君は本当に優しいな」
「や、優しいって……さ、さてと! 最後に仕上げをしなくちゃ」
褒められて照れてしまった私は、誤魔化すように用意した薬に手をかざすと、心の中で祈り始める。
ロドルフ様の咳が治って、これからも健康で穏やかに暮らせますように、これからもオーウェン様とココちゃんと仲良く出来ますように――
「おお、前回と同じで、薬がほのかに光り始めた……以前も思ったが、これが聖女の力が宿った証拠なのか?」
「はい。この光はすぐに消えるので、ご安心ください」
これで最後の仕上げも出来た。あとはロドルフ様に飲んでもらって、ちゃんと効いたかの確認をしてもらおう。
「お待たせしました。おお、良い匂いが……なるほど、薬茶にシロップの組み合わせと来ましたか」
「はい。よければ、オーウェン様とココちゃんと一緒にお茶が出来ればと思って、多めに作りました」
「わざわざ気を使ってもらって申し訳ありませんな。では、リビングでいただきましょう。もちろん、四人でね」
「わーい、賛成~!」
「たまにはこうしてゆっくりするのもいいな」
ティータイムをする人の中に私も含まれていることに、邪魔にならないだろうかと申し訳なく思ったけど、三人とも私がいることに乗り気みたいで……断りにくいわね。
「では、早速いただきましょう。まずはお茶から……うむ、薬茶特有の渋みがシロップによって緩和され、飲みやすくなっている。この程よい暖かさも、とても心地いい」
「こっちの果物もおいしいよ! ロドルフおじいちゃんも食べてみて!」
「ええ、もちろんいただきますよ。なるほど、果汁をシロップとしてだけではなく、こうして一緒に食べられるようにしたのですな」
「はい。シロップはもっと作ろうと思えば、出来ないこともありませんが、あまり量があっても甘くてしつこくなってしますし、火を入れすぎると果肉の食べられる部分が減りますからね」
一つ一つ丁寧に感想を言ってくださるロドルフ様に、私もそれに応えるべく丁寧に受け答えをする。その隣では、ココちゃんが満面の笑みで、お茶と果実を楽しんでいた。
「わたし、お茶って苦手だったけど、これなら飲めるよ~! エリンお姉ちゃん、また今度作って!」
「いいわよ。その時は、一緒に作ってみましょうか」
「作るー!」
「ココ様にとって、エリン殿は本当に良い姉のようですね。オーウェン様、少々妬いてしまわれるのではありませんか?」
「な、なんのことだかわからないな。それで、咳の具合はどうだ?」
「さすがにそんなにすぐ、に……おや?」
お茶を綺麗に飲み干したロドルフ様は、喉に手を当てて何度か咳ばらいをする。しかし、いくら待っても咳は出なかった。
「あれだけ苦しかった咳が、嘘のように……これは驚いた。エリン殿、あなたの実力はやはり本物の様ですな」
「それじゃあ……!」
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