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第十九話 元貴族専属の薬師
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ココちゃんに合わせてゆっくりと町中を歩いていると、ココちゃんがとある小さな家の前で足を止めた。
「到着! ここがロドルフおじいちゃんのお家だよ! ごめんくださいーい!」
玄関の前に立ったココちゃんは、結構遠慮なしにドンドンと玄関を叩く。すると、深く腰を曲げたご年配の男性が出てきた。
「ごほっ……なんだ騒々しい。新聞の勧誘ならお断り……こ、ココ様?」
「こんにちは、ロドルフおじいちゃん! 久しぶりだねー! あれ、つい最近わたしを診てくれたんだから、久しぶりはおかしいかな?」
「ココ様、お体は大丈夫なのですか!? 歩いて大丈夫なのですか!?」
「だ、大丈夫だけど……ロドルフおじいちゃん、そんなに抱きつかれたら苦しいよぉ」
ロドルフと呼ばれた男性は、最初こそ面倒くさそうな顔をしていたけど、ココちゃんの姿を見るや否や、まるで別人のように態度が変わった。
「ロドルフ殿、その節はお世話になりました」
「オーウェン様! ココ様は……お元気になられたのですか!? 私が診た時より、段違いにシミが減っておりますし、顔色が良いですが……!」
「ええ。まだ完全にとは言えませんが……ココはもう大丈夫です。彼女がココを治してくれたのですよ」
「この少女が? そうでしたか……ココ様を助けてくださり、誠にありがとうございます!」
「いえ、当然のことをしただけですから」
ロドルフ様はココちゃんを抱きしめたまま、私の方に視線を向けると、何度も何度も頭を下げて感謝の意を示した。
本当に、ココちゃんのことを心配していたのね。きっと彼にとって、ココちゃんは孫みたいな存在なのだろう。
「ごほっごほっ……失礼。最近咳が酷くて。こんな所で立ち話もなんですので、中にどうぞ」
「ありがとう」
ロドルフ様に家の中に通された私達は、綺麗に整頓されたリビングに置かれていたソファに腰を下ろした。
「ロドルフ殿、今日は突然伺ってしまって申し訳ない」
「いえいえ、オーウェン様とココ様でしたら、いつでも大歓迎ですので。お茶をどうぞ」
「ありがとうございます。あ、申し遅れました。私はエリンといいます。ご縁があって、今はオーウェン様とココちゃ……こほん、ココ様と一緒に暮らしております」
「はじめまして、エリン殿。ワシはロドルフと申します。かつてはヴァリア家の薬師をしていた老いぼれでございます」
私達の対面に置かれたソファに腰を下ろしたロドルフ様に向かって、深々と頭を下げた。
こうして改めてお顔を合わせると、なんというか……凄く威厳を感じる。目力が強いって言えばいいのかしら……適切な表現が思いつかないけど、向かい合っていると自然と背筋が伸びるわ。
「ワシの代わりにココ様を治してくださったこと、改めてお礼を言わせてくだされ。しかし、あの名前もわからない奇病を治せたなんて、驚きです」
「あれは、黒染病というものです。とても古い文献にしか乗っていないくらい、昨今では見られない病気なんです。当時は不治の病と呼ばれていましたが、後に薬の作り方が見つかったので、その薬を作ったんです」
「なんと、そんな病が存在していたとは……いやはや、薬師の端くれとしてそんなことも知らないとは、お恥ずかしい」
ロドルフ様は情けなさそうに顔を俯かせているが、知らないのも無理は無いと思う。城で読んだ文献は、既にボロボロになっているくらい古いものだった。城でちゃんと管理されていたから読めたけど、普通に生活していたら、まず読む機会は無いと思う。
「もしよろしければ、後日にその病気についてご教授願えますかな?」
「私の知識でよければ、喜んで」
「ありがとうございます。それで、今日はどうされたのですか? ココ様の様子を見せに来てくれたのですか?」
「それもありますが、一つお願いがあって伺いました」
私の代わりに、オーウェン様がこれまでのいきさつを話してくれた。すると、ロドルフ様は何か考えるように、両手を組んだ。
「事情はわかりました。では、一つテストをさせてもらえますか?」
「テストですか?」
「あなたがココ様を治してくださったのはわかっております。ですが、推薦状を書くに値する実力があるか、実際にこの目で確認しておきたいのです」
なるほど、そういうことならテストを受けよう。その方が、ロドルフ様も安心して推薦できるだろうからね。
「薬を作ればいいってことですよね。なにかお題はありますか?」
「そうですなぁ……では、ワシの咳の薬を作っていただけますかな? 最近風邪を引いてしまいましてな」
「わかりました。材料はありますか?」
「隣の部屋が物置になっておりまして、そこに材料や道具が置いてありますから、ご自由にお使いくだされ」
「はい、ありがとうございます」
「俺も手伝わせてくれ」
「ありがとうございます、オーウェン様。では一緒に物置に行きましょう」
ロドルフ様の仰っていた物置に行くと、様々な薬を作る道具や、麻袋に詰められた薬草があった。それ以外にも、果実が入った袋もあるようだ。
疑っていたわけではないけど、この物置を見ればロドルフ様が薬師だっていうのがよくわかる。だって、普通に生活するのにこんな道具も大量の薬草も果実も不要だもの。
「咳の薬を作るなら……そうだ、せっかくだしあれを作ろう!」
「エリンお姉ちゃん、何を作るの? わたしも手伝いたい!」
「それじゃあ、オーウェン様と一緒にハチミツを買ってきてもらっていいかな? ここには無いみたいなの」
「わかった! お兄ちゃん、行こう!」
「わかったわかった。確か、近くの店で売っていたはずだ。すぐに戻るよ」
「はい、お気をつけて」
オーウェン様はココちゃんと手を繋いで出発するのを見届けた私は、とある薬草を手に取った。可愛らしい黄色の花と、全体的に細長いのが特徴の植物だ。
この薬草を乾燥させたものを煎じて飲むと、ちょっと苦いけど、咳止めに効果があると言われている。丁度乾燥されたものがここにあってよかったわ。
「果実はそんなに数はいらないと思うけど、せっかくだし……」
一人分を作るのなら、薬草も果実もそこまで数はいらないのだけど、ちょっと考えがあって、多めに持って部屋を後にした。
さて、あとはオーウェン様達が勝ってきてくれるハチミツさえあれば、薬は作れる。ロドルフ様に認めてもらえるように、頑張らなきゃ。
「到着! ここがロドルフおじいちゃんのお家だよ! ごめんくださいーい!」
玄関の前に立ったココちゃんは、結構遠慮なしにドンドンと玄関を叩く。すると、深く腰を曲げたご年配の男性が出てきた。
「ごほっ……なんだ騒々しい。新聞の勧誘ならお断り……こ、ココ様?」
「こんにちは、ロドルフおじいちゃん! 久しぶりだねー! あれ、つい最近わたしを診てくれたんだから、久しぶりはおかしいかな?」
「ココ様、お体は大丈夫なのですか!? 歩いて大丈夫なのですか!?」
「だ、大丈夫だけど……ロドルフおじいちゃん、そんなに抱きつかれたら苦しいよぉ」
ロドルフと呼ばれた男性は、最初こそ面倒くさそうな顔をしていたけど、ココちゃんの姿を見るや否や、まるで別人のように態度が変わった。
「ロドルフ殿、その節はお世話になりました」
「オーウェン様! ココ様は……お元気になられたのですか!? 私が診た時より、段違いにシミが減っておりますし、顔色が良いですが……!」
「ええ。まだ完全にとは言えませんが……ココはもう大丈夫です。彼女がココを治してくれたのですよ」
「この少女が? そうでしたか……ココ様を助けてくださり、誠にありがとうございます!」
「いえ、当然のことをしただけですから」
ロドルフ様はココちゃんを抱きしめたまま、私の方に視線を向けると、何度も何度も頭を下げて感謝の意を示した。
本当に、ココちゃんのことを心配していたのね。きっと彼にとって、ココちゃんは孫みたいな存在なのだろう。
「ごほっごほっ……失礼。最近咳が酷くて。こんな所で立ち話もなんですので、中にどうぞ」
「ありがとう」
ロドルフ様に家の中に通された私達は、綺麗に整頓されたリビングに置かれていたソファに腰を下ろした。
「ロドルフ殿、今日は突然伺ってしまって申し訳ない」
「いえいえ、オーウェン様とココ様でしたら、いつでも大歓迎ですので。お茶をどうぞ」
「ありがとうございます。あ、申し遅れました。私はエリンといいます。ご縁があって、今はオーウェン様とココちゃ……こほん、ココ様と一緒に暮らしております」
「はじめまして、エリン殿。ワシはロドルフと申します。かつてはヴァリア家の薬師をしていた老いぼれでございます」
私達の対面に置かれたソファに腰を下ろしたロドルフ様に向かって、深々と頭を下げた。
こうして改めてお顔を合わせると、なんというか……凄く威厳を感じる。目力が強いって言えばいいのかしら……適切な表現が思いつかないけど、向かい合っていると自然と背筋が伸びるわ。
「ワシの代わりにココ様を治してくださったこと、改めてお礼を言わせてくだされ。しかし、あの名前もわからない奇病を治せたなんて、驚きです」
「あれは、黒染病というものです。とても古い文献にしか乗っていないくらい、昨今では見られない病気なんです。当時は不治の病と呼ばれていましたが、後に薬の作り方が見つかったので、その薬を作ったんです」
「なんと、そんな病が存在していたとは……いやはや、薬師の端くれとしてそんなことも知らないとは、お恥ずかしい」
ロドルフ様は情けなさそうに顔を俯かせているが、知らないのも無理は無いと思う。城で読んだ文献は、既にボロボロになっているくらい古いものだった。城でちゃんと管理されていたから読めたけど、普通に生活していたら、まず読む機会は無いと思う。
「もしよろしければ、後日にその病気についてご教授願えますかな?」
「私の知識でよければ、喜んで」
「ありがとうございます。それで、今日はどうされたのですか? ココ様の様子を見せに来てくれたのですか?」
「それもありますが、一つお願いがあって伺いました」
私の代わりに、オーウェン様がこれまでのいきさつを話してくれた。すると、ロドルフ様は何か考えるように、両手を組んだ。
「事情はわかりました。では、一つテストをさせてもらえますか?」
「テストですか?」
「あなたがココ様を治してくださったのはわかっております。ですが、推薦状を書くに値する実力があるか、実際にこの目で確認しておきたいのです」
なるほど、そういうことならテストを受けよう。その方が、ロドルフ様も安心して推薦できるだろうからね。
「薬を作ればいいってことですよね。なにかお題はありますか?」
「そうですなぁ……では、ワシの咳の薬を作っていただけますかな? 最近風邪を引いてしまいましてな」
「わかりました。材料はありますか?」
「隣の部屋が物置になっておりまして、そこに材料や道具が置いてありますから、ご自由にお使いくだされ」
「はい、ありがとうございます」
「俺も手伝わせてくれ」
「ありがとうございます、オーウェン様。では一緒に物置に行きましょう」
ロドルフ様の仰っていた物置に行くと、様々な薬を作る道具や、麻袋に詰められた薬草があった。それ以外にも、果実が入った袋もあるようだ。
疑っていたわけではないけど、この物置を見ればロドルフ様が薬師だっていうのがよくわかる。だって、普通に生活するのにこんな道具も大量の薬草も果実も不要だもの。
「咳の薬を作るなら……そうだ、せっかくだしあれを作ろう!」
「エリンお姉ちゃん、何を作るの? わたしも手伝いたい!」
「それじゃあ、オーウェン様と一緒にハチミツを買ってきてもらっていいかな? ここには無いみたいなの」
「わかった! お兄ちゃん、行こう!」
「わかったわかった。確か、近くの店で売っていたはずだ。すぐに戻るよ」
「はい、お気をつけて」
オーウェン様はココちゃんと手を繋いで出発するのを見届けた私は、とある薬草を手に取った。可愛らしい黄色の花と、全体的に細長いのが特徴の植物だ。
この薬草を乾燥させたものを煎じて飲むと、ちょっと苦いけど、咳止めに効果があると言われている。丁度乾燥されたものがここにあってよかったわ。
「果実はそんなに数はいらないと思うけど、せっかくだし……」
一人分を作るのなら、薬草も果実もそこまで数はいらないのだけど、ちょっと考えがあって、多めに持って部屋を後にした。
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