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第十八話 おませな妹
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寄り道もせずに真っ直ぐとオーウェン様達の元に帰ってきた私は、ギルドで聞いたことをオーウェン様とココちゃんに話した。
「なるほど、そんな制度があったのか……すまない、完全に俺の知識不足だった」
「お兄ちゃんの時って、そういうのは必要なかったの?」
「俺の場合は、王家直属の騎士団に所属していたと、事前にギルドに伝えていたから、そういうのが必要だって話を聞く機会がなかったんだ」
なるほど……それならオーウェン様が知らなかったのも、無理はないわね。でも、これからどうしようかしら……このままでは、薬師になることが出来ない。
「薬師か……俺に一つ、手があるんだが」
「なんですか?」
「俺の知り合いに、薬師がいるんだ。かつてはヴァリア家の専属の薬師だった人物だ。その方に、エリンとココを会わせるんだ」
「私とココちゃんを?」
「そうだ。彼はココが倒れた時に、最初に診てもらった薬師でね。彼にココが治ったことやエリンが治したことを伝えれば、エリンを認めて推薦状を書いてくれるかもしれない」
貴族の直属の薬師になれるほどの腕がある方の推薦状なら、ギルドも許可を出してくれるに違いないわね。とても良い案だわ!
「そうと決まれば、早速行こうよ!」
「いや、ココはもう少し休んだ方が良いだろうから、来週あたりに行こう」
「ダメだよ! 早く行かないと、エリンお姉ちゃんがお薬屋さんを開けないじゃん!」
「しかし……はぁ、わかった。それじゃあ俺がココをおんぶしていこう」
「突然お邪魔して、ご迷惑じゃありませんか?」
「恐らく大丈夫だと思うが……もしダメだったら、その時は出直そう」
方針が決まった私達は、その薬師の元に向かって出発する。オーウェン様が言うには、私が使った町の入口とは反対の辺りに住んでいるらしい。
「お兄ちゃん、一人で歩けるよ~」
「まだ病み上がりなんだから、無理はさせられないだろう」
「ちょっとくらい平気だってば~!」
薬師の元に向かう途中、オーウェン様におんぶされていたココちゃんが、一人で歩きたいと主張しながら、じたばたと暴れはじめた。
結構遠慮なしに暴れているけど、大丈夫なのだろうか……オーウェン様は顔色一つ変えていないけど……やっぱり騎士になれるくらいだから、頑丈なのかしら?
「少しくらいは動いたほうがいいんだよ! エリンお姉ちゃんもそう思うよね?」
「えっ? ええ……いきなりたくさん動くのはよくないけど、少しずつ運動して落ちた筋力を戻すのは良いことだと思うわ」
「なるほど。わかった、それじゃあパーチェに着いたらな」
「やったー!」
さっきまでの不満そうな顔から一転して、ニコニコ笑うココちゃんを微笑ましく思いながら、再びパーチェへとやってきた。
やっぱりここにくると、心が躍ってしまうわね。あと五十回くらい来れば、平常心を保てるようになる……かもしれないわ。
「ここからどれくらいで着くんですか?」
「二十分くらいだろう。ココに合わせて歩くつもりだから、もう少しかかると思ってもらえるとありがたい」
「わかりました」
ゆっくり行くぶんには、何の問題もない。むしろ、のんびりと散策が出来るから、嬉しいくらいだ。
ただ、パーチェの町並みを見ることに夢中になりすぎて、二人とはぐれないようにしないとね。
「表情が硬いが、緊張しているのか?」
「あ、いえ……はぐれないように気を付けようと思っただけです」
「なるほど」
オーウェン様は少しだけ考えるような素振りを見せた後、私に右手を差し出した。
「えっと?」
「はぐれないように、エスコートをさせてくれ」
「あ、ありがとうございます」
ただ私に手を差し出しているだけなのに、一挙一動に一切無駄がなくて、とても美しいというか……端的に言うと、すっごくカッコよく見えた。
こんなに男性をカッコいいと思ったことって、今まであっただろうか? カーティス様が好きだった時も、こんなにカッコいいと思ったことも、胸がここまでときめいたこともない。
「あれあれ? 二人とも、いつからそんなに仲良しになったの? あっ、もしかしてお付き合いするの!?」
「お、お付き合い!?」
「お兄ちゃんって、全然女の人とお付き合いとかしないから、心配してたんだよね。エリンお姉ちゃんなら優しいし、安心してお兄ちゃんを任せられるよ!」
わ、私のような人が、オーウェン様みたいな素敵な男性とお付き合いなんて、あまりにも失礼すぎるだろう。オーウェン様には、もっと素敵な女性がきっと現れるわ。
「ココ、あまりエリンを困らせるようなことは言わないようにな」
「え~? でもでも~!」
「と、とりあえず行きましょう! ほら、ココちゃんも手を繋ぎましょう!」
私は右手でオーウェン様と、左手でココちゃんと手を繋ぐと、目的地に向かってのんびりと歩き始める。
……こうしていると、なんだか旦那様と子供と一緒に歩いているみたいだ。こんなことを考えてしまうなんて、きっと浮かれている証拠だろう。
このままだと、変なことばかり考えてしまいそうだし、なにか話題を振って場の空気を変えた方が良いわね。話題……あ、そうだ! いつか聞こうと思っていたことがまだ聞けてないから、それを聞いてみよう!
「オーウェン様とココちゃんは、花びらも茎も葉っぱも、全て真っ白な花って知りませんか?」
「え? うーん、わたしは知らないかなぁ。お兄ちゃんは?」
「俺も知らないな……」
「そっかぁ。どうして急にそんな話をしたの?」
「その花が広がる花畑が、唯一私の記憶の中にある、故郷の景色なの」
私には、お母さんや故郷について覚えていることが、ほとんどない。なにしろ、まだ幼い頃にお城に無理やり連れていかれちゃったからね。
そんな私の記憶にも残るほど、真っ白な花畑はとても印象的で綺麗なものなの。
「私ね、いつか自分の故郷に行ってみたいの。そのために、記憶に残っている故郷の特徴を知っているか、二人に聞いたのよ」
「そっか……知らなくてごめんね。いつか見つかるといいね!」
「ええ。ありがとう、ココちゃん」
「全てが白い花か……かなり貴重なものだろう。俺の方でも、情報を集めてみるよ」
「オーウェン様も、ありがとうございます」
残念ながら、最初の情報収集は空振りに終わってしまったけど、これくらいで諦めるつもりは無い。もっともっと色々な人に聞いて、必ず故郷の手がかりを見つけるんだから。
「なるほど、そんな制度があったのか……すまない、完全に俺の知識不足だった」
「お兄ちゃんの時って、そういうのは必要なかったの?」
「俺の場合は、王家直属の騎士団に所属していたと、事前にギルドに伝えていたから、そういうのが必要だって話を聞く機会がなかったんだ」
なるほど……それならオーウェン様が知らなかったのも、無理はないわね。でも、これからどうしようかしら……このままでは、薬師になることが出来ない。
「薬師か……俺に一つ、手があるんだが」
「なんですか?」
「俺の知り合いに、薬師がいるんだ。かつてはヴァリア家の専属の薬師だった人物だ。その方に、エリンとココを会わせるんだ」
「私とココちゃんを?」
「そうだ。彼はココが倒れた時に、最初に診てもらった薬師でね。彼にココが治ったことやエリンが治したことを伝えれば、エリンを認めて推薦状を書いてくれるかもしれない」
貴族の直属の薬師になれるほどの腕がある方の推薦状なら、ギルドも許可を出してくれるに違いないわね。とても良い案だわ!
「そうと決まれば、早速行こうよ!」
「いや、ココはもう少し休んだ方が良いだろうから、来週あたりに行こう」
「ダメだよ! 早く行かないと、エリンお姉ちゃんがお薬屋さんを開けないじゃん!」
「しかし……はぁ、わかった。それじゃあ俺がココをおんぶしていこう」
「突然お邪魔して、ご迷惑じゃありませんか?」
「恐らく大丈夫だと思うが……もしダメだったら、その時は出直そう」
方針が決まった私達は、その薬師の元に向かって出発する。オーウェン様が言うには、私が使った町の入口とは反対の辺りに住んでいるらしい。
「お兄ちゃん、一人で歩けるよ~」
「まだ病み上がりなんだから、無理はさせられないだろう」
「ちょっとくらい平気だってば~!」
薬師の元に向かう途中、オーウェン様におんぶされていたココちゃんが、一人で歩きたいと主張しながら、じたばたと暴れはじめた。
結構遠慮なしに暴れているけど、大丈夫なのだろうか……オーウェン様は顔色一つ変えていないけど……やっぱり騎士になれるくらいだから、頑丈なのかしら?
「少しくらいは動いたほうがいいんだよ! エリンお姉ちゃんもそう思うよね?」
「えっ? ええ……いきなりたくさん動くのはよくないけど、少しずつ運動して落ちた筋力を戻すのは良いことだと思うわ」
「なるほど。わかった、それじゃあパーチェに着いたらな」
「やったー!」
さっきまでの不満そうな顔から一転して、ニコニコ笑うココちゃんを微笑ましく思いながら、再びパーチェへとやってきた。
やっぱりここにくると、心が躍ってしまうわね。あと五十回くらい来れば、平常心を保てるようになる……かもしれないわ。
「ここからどれくらいで着くんですか?」
「二十分くらいだろう。ココに合わせて歩くつもりだから、もう少しかかると思ってもらえるとありがたい」
「わかりました」
ゆっくり行くぶんには、何の問題もない。むしろ、のんびりと散策が出来るから、嬉しいくらいだ。
ただ、パーチェの町並みを見ることに夢中になりすぎて、二人とはぐれないようにしないとね。
「表情が硬いが、緊張しているのか?」
「あ、いえ……はぐれないように気を付けようと思っただけです」
「なるほど」
オーウェン様は少しだけ考えるような素振りを見せた後、私に右手を差し出した。
「えっと?」
「はぐれないように、エスコートをさせてくれ」
「あ、ありがとうございます」
ただ私に手を差し出しているだけなのに、一挙一動に一切無駄がなくて、とても美しいというか……端的に言うと、すっごくカッコよく見えた。
こんなに男性をカッコいいと思ったことって、今まであっただろうか? カーティス様が好きだった時も、こんなにカッコいいと思ったことも、胸がここまでときめいたこともない。
「あれあれ? 二人とも、いつからそんなに仲良しになったの? あっ、もしかしてお付き合いするの!?」
「お、お付き合い!?」
「お兄ちゃんって、全然女の人とお付き合いとかしないから、心配してたんだよね。エリンお姉ちゃんなら優しいし、安心してお兄ちゃんを任せられるよ!」
わ、私のような人が、オーウェン様みたいな素敵な男性とお付き合いなんて、あまりにも失礼すぎるだろう。オーウェン様には、もっと素敵な女性がきっと現れるわ。
「ココ、あまりエリンを困らせるようなことは言わないようにな」
「え~? でもでも~!」
「と、とりあえず行きましょう! ほら、ココちゃんも手を繋ぎましょう!」
私は右手でオーウェン様と、左手でココちゃんと手を繋ぐと、目的地に向かってのんびりと歩き始める。
……こうしていると、なんだか旦那様と子供と一緒に歩いているみたいだ。こんなことを考えてしまうなんて、きっと浮かれている証拠だろう。
このままだと、変なことばかり考えてしまいそうだし、なにか話題を振って場の空気を変えた方が良いわね。話題……あ、そうだ! いつか聞こうと思っていたことがまだ聞けてないから、それを聞いてみよう!
「オーウェン様とココちゃんは、花びらも茎も葉っぱも、全て真っ白な花って知りませんか?」
「え? うーん、わたしは知らないかなぁ。お兄ちゃんは?」
「俺も知らないな……」
「そっかぁ。どうして急にそんな話をしたの?」
「その花が広がる花畑が、唯一私の記憶の中にある、故郷の景色なの」
私には、お母さんや故郷について覚えていることが、ほとんどない。なにしろ、まだ幼い頃にお城に無理やり連れていかれちゃったからね。
そんな私の記憶にも残るほど、真っ白な花畑はとても印象的で綺麗なものなの。
「私ね、いつか自分の故郷に行ってみたいの。そのために、記憶に残っている故郷の特徴を知っているか、二人に聞いたのよ」
「そっか……知らなくてごめんね。いつか見つかるといいね!」
「ええ。ありがとう、ココちゃん」
「全てが白い花か……かなり貴重なものだろう。俺の方でも、情報を集めてみるよ」
「オーウェン様も、ありがとうございます」
残念ながら、最初の情報収集は空振りに終わってしまったけど、これくらいで諦めるつもりは無い。もっともっと色々な人に聞いて、必ず故郷の手がかりを見つけるんだから。
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