私のことはお気になさらず

みおな

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婚約者と呆れた行動

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 今日もの交流の場に、ケレス様はカバヤン伯爵令嬢を連れて来た。

 もういい加減慣れたけど、つくづく我がブルーム侯爵家を馬鹿にしているわよね。

 祖母同士が決めた婚約だから、何をしても許される?

 それとも、自分の方が身分が上だから許される?

 確かにうちは侯爵家で、ケレス様のところは公爵家だけど、うちとタービン公爵家はそんなに大差はないわよ。

 しかも我が家は、未来の王太子妃を輩出するのよ?

 そのあたり、どう考えて・・・
きっと何も考えていないのでしょうね。

 ケレス様って、そういうところがあるのよね。
 物事を深く考えないというか。

 カバヤン伯爵令嬢は、どうなのかしら?

 私からケレス様を奪いたいと思って、行動してるのかしら?

 それとも、脳内にお花畑があって花が咲き乱れていて、何も考えてないとか?

 でも、一応?伯爵令嬢よね?
教育は受けているわよね?

 受けて・・・ないとかなのかしら?

 もしかして元平民とか?

 だって貴族なら、婚約者のいる令息にベタベタすることがはしたないってわかるわよね?

 婚約者同士の交流に、さも当然のようにやって来て、人の婚約者にまるで自分が婚約者のようにベタベタしたりしないわよね?

「ケレス様、本日はこれで失礼します」

「うん。またね」

「ねぇねぇ、ケレス。この後、買い物に付き合って?」

「いいよ。どこに行く?」

 今日の交流のお茶会は、最近流行りのカフェ。

 さすがに我が家にはカバヤン伯爵令嬢を連れては来れないから、我が家でのお茶会の日は、カフェで会うことになったのよね。

 そして、、カバヤン伯爵令嬢とするわけね?

 ケレス様にとって、私ってなんなのかしら?

 別にもう今さら、婚約者面をして欲しいとは思わないし、できるなら触れても欲しくない。

 ケレス様にとっての私も同じで、カバヤン伯爵令嬢のことがお好きなのなら、婚約を解消すれば良いと思うのよ。

 婚約を望んだのはお互いのお祖母様だけど、ケレス様の婚約を決めることができるのは、タービン公爵様なのだから。

 私は挨拶もそこそこに、さっさとカフェから立ち去ることにした。

 ずっと、周囲の視線が痛かったのよね。

 だって知らない人たちから見たら、どう見ても私の方が恋人同士の邪魔をする悪女に見えるもの。

 本当、どうにか婚約解消できないかしら。

 お母様が、王妃殿下に相談してくれることになっているのだけど。

 あの二人はともかく、お祖母様たちの友情にヒビは入れたくないのよね。
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