私のことはお気になさらず

みおな

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提案と報告

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「は?」

 ケレス様との定期お茶会を終えて、帰宅した私を待っていたのはお母様の衝撃的?な提案だった。

 お母様の、というか王妃殿下の提案らしいけど、それをそのまま私に言うということは、お母様も納得の上ということよね?

「だから、グリフォン公爵に婚約を打診してくれるそうよ」

 いえ。聞こえているわ、お母様。

 ちょっと脳が理解を拒んだだけよ。

 ケレス様との婚約を、お祖母様たちの友情にヒビを入れないように解消するために、タービン公爵家より格上の家との婚約を考えた。

 うん。間違ってないわよね。

 で、タービン公爵家より格上の公爵家は四家あるけれど、婚約できる年齢の方は、グリフォン公爵閣下だけ。

 それも間違ってないわ。

 だけど閣下は、婚約者もいないしご結婚もされていない。

 多分、何かしらの理由があるのよ。

 それに閣下からすれば、私は小娘。
恋愛対象ではないはず!

 私がお母様に相談して、王妃殿下に頼もうと思ったのは、他国の王族の次男か三男あたりで、婚約できそうな方がいないかお聞きしたかっただけなのよ。

 だ、打診だけよね?
現国王陛下も王妃殿下も常識ある方だから、王命とか使ってないはず。

 はぁ。
後日、グリフォン公爵閣下に謝罪のお手紙を書かなきゃ。

 直接お詫びするべきだけど、閣下はお忙しい方だし、お時間をいただくのも迷惑よね。

「ティアちゃんは、グリフォン公爵閣下は好みじゃないかしら?最近は、優男系の方が好まれるものね」

「私は、閣下のことを素敵だと思いますわ。ですけど、私がどう思うかではなく閣下にご迷惑をおかけしてしまいましたわ。閣下からすれば私は小娘でしょうから」

 さすがに娘とは言わないけど、叔父姪というのがしっくりくるかも。

 姪のような年頃の私を、婚約者に望んでくれるとは思えないわ。

 政略結婚なら、年齢は関係ないかもしれないけど。

「閣下に無理強いはしないわ。というか、出来ないわよ。いくら陛下でも。だから、無理なら無理っておっしゃるから心配しなくても大丈夫よ」

「お詫びのお手紙を差し上げようと思ったのですけど」

「そうねぇ。お断りのお話が来たら、お手紙すればいいのじゃないかしら。それより、タービン公爵家のおぼっちゃまとのお茶会はどうだったの?」

「・・・ですわ。お茶会の後にお二人でお買い物に行くそうですわ」

 おぼっちゃまって、言い得て妙ね。

 確かに、ケレス様は悪い方ではないのだろうし、婚約者としての交流をしないとかではないわ。

 だけど、考えが甘いのよね。
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