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甘さとお仕置き?
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「お待たせいたしました」
「かまわない」
ヴィル様はそう言うと、ご自分の左隣をポンポンと叩かれた。
ここに座れということ、ね?
私が隣に座ると、ヴィル様がグラスを差し出して来た。
綺麗なピンク色。何かしら?
「軽めの果実酒だ。使用人たちからの祝いだ。苦手なら果実水にするか?」
「そうなのですね。飲んでみます」
成人してからすぐにヴィル様との婚姻だったから、お酒を飲んだことはないけど、軽いなら大丈夫かしら?
それに使用人たちがくれたのなら、少しくらい無理してでも飲みたいわ。
「・・・甘くて美味しいです」
「軽いがその一杯だけにしておけ」
「はい。ヴィル様は何を飲まれていますの?」
「グリフォン産のワインだ。香りはいいが少し辛めだから、口に合わないだろう」
私の飲んだ果実酒は、甘いルルルという果物の味がした。
果汁多めで、甘くてトロッとしていて、美味しい。
傷とかに弱い果物だけど、ルルルの季節が来ると毎年お父様が買って来ていた。
お母様の好物なのよね。
美味しくて、空になったグラスを手放せないでいると、横から大きな手が伸びて来て私からグラスを取り上げた。
「弱いわけではなさそうだが、酔われては困る」
「困・・・?ひゃっ!」
いきなり横抱きに抱き上げられて、変な声が出た。
そのまま、ベッドへと下ろされる。
「ヴィル様」
「辛かったら、言え。無理はさせない・・・出来る限り」
「はい」
ちょっと最後の、出来る限りが気になるけど、閨教育は一応受けてはいても詳しくは分からないし。
お母様も、ヴィル様にお任せしておけば良いとおっしゃってたし。
未経験の私が、どうこう出来るわけもないから、ヴィル様にお任せするしかないわ。
ヴィル様の大きな手が私の頬を撫でて、ゆっくりと覆いかぶさって来た。
額に頬と口付けられて、軽く唇に重なる。
何度も何度も口付けられ、やがてそれが深くなっていくにつれて、私はヴィル様との口付けに意識を奪われていた。
気づいたら夜着のリボンが解かれて、胸やお腹がヴィル様の目に晒されている。
は、恥ずかしい。
ヴィル様なら、もっとスタイルのいい方の裸も見たことあるのじゃないかしら?
婚約者の方がアレだったから婚約者は作らずにいたけど、ご経験はお有りよね?
「他ごとを考える余裕があるなら、大丈夫だな?」
「はい?」
不穏なことを口にされたヴィル様は、そのままご自身のガウンも脱ぎ、私の下着も取ってしまわれた。
大丈夫ってどういうこと?
そう尋ねる隙も与えてもらえなかった。
「かまわない」
ヴィル様はそう言うと、ご自分の左隣をポンポンと叩かれた。
ここに座れということ、ね?
私が隣に座ると、ヴィル様がグラスを差し出して来た。
綺麗なピンク色。何かしら?
「軽めの果実酒だ。使用人たちからの祝いだ。苦手なら果実水にするか?」
「そうなのですね。飲んでみます」
成人してからすぐにヴィル様との婚姻だったから、お酒を飲んだことはないけど、軽いなら大丈夫かしら?
それに使用人たちがくれたのなら、少しくらい無理してでも飲みたいわ。
「・・・甘くて美味しいです」
「軽いがその一杯だけにしておけ」
「はい。ヴィル様は何を飲まれていますの?」
「グリフォン産のワインだ。香りはいいが少し辛めだから、口に合わないだろう」
私の飲んだ果実酒は、甘いルルルという果物の味がした。
果汁多めで、甘くてトロッとしていて、美味しい。
傷とかに弱い果物だけど、ルルルの季節が来ると毎年お父様が買って来ていた。
お母様の好物なのよね。
美味しくて、空になったグラスを手放せないでいると、横から大きな手が伸びて来て私からグラスを取り上げた。
「弱いわけではなさそうだが、酔われては困る」
「困・・・?ひゃっ!」
いきなり横抱きに抱き上げられて、変な声が出た。
そのまま、ベッドへと下ろされる。
「ヴィル様」
「辛かったら、言え。無理はさせない・・・出来る限り」
「はい」
ちょっと最後の、出来る限りが気になるけど、閨教育は一応受けてはいても詳しくは分からないし。
お母様も、ヴィル様にお任せしておけば良いとおっしゃってたし。
未経験の私が、どうこう出来るわけもないから、ヴィル様にお任せするしかないわ。
ヴィル様の大きな手が私の頬を撫でて、ゆっくりと覆いかぶさって来た。
額に頬と口付けられて、軽く唇に重なる。
何度も何度も口付けられ、やがてそれが深くなっていくにつれて、私はヴィル様との口付けに意識を奪われていた。
気づいたら夜着のリボンが解かれて、胸やお腹がヴィル様の目に晒されている。
は、恥ずかしい。
ヴィル様なら、もっとスタイルのいい方の裸も見たことあるのじゃないかしら?
婚約者の方がアレだったから婚約者は作らずにいたけど、ご経験はお有りよね?
「他ごとを考える余裕があるなら、大丈夫だな?」
「はい?」
不穏なことを口にされたヴィル様は、そのままご自身のガウンも脱ぎ、私の下着も取ってしまわれた。
大丈夫ってどういうこと?
そう尋ねる隙も与えてもらえなかった。
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