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拒絶と失望①
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こんな常識のない人が公爵とか、領地経営とか出来ているのか疑問視するわ。
ヴィル様なんて、月に一度は領地に行かれるとおっしゃってたわ。
領地にはちゃんと監督している人間がいるらしいけど、領主として自分には責任があるからって。
私も、次に行く時は連れて行ってもらうつもり。
領主の妻として、ご挨拶はしなきゃね。
それに、少し領地経営も興味あるのよ。
それをする時間があるかどうかは別として、少しくらいはヴィル様のお力になりたいわ。
話はそれたけど、タービン公爵夫人が私を睨んでいるわね。
私が望んだ婚約でもないし、王宮で訳の分からない持論を展開したのは貴女の息子よ?
もしかして、私が悪いとでも言う気かしら?
冗談じゃないわ。
悪いのは貴女の息子の頭よ。
たとえ本当に、私のことを好きで、カバヤン伯爵令嬢がただの幼馴染だとしても!
婚約していたときに、婚約者である私よりカバヤン伯爵令嬢を優先しなかったとしても!
他の方と婚約して婚姻した私に、こともあろうに王宮で開かれている結婚披露パーティーで私に意味不明な持論を展開して求婚するのは、頭がおかしすぎるでしょ?
私が、息子の手を取らなかったのが悪いとでも言うつもり?
取らないわよ。気持ち悪い。
あの人の婚約者に戻るくらいなら、一生独身でいいわよ。
「何か私に言いたいことがあるそうですけど、なんでしょうか?」
「ティア!このままでは、僕と離れ離れになってしまうよ?僕を好きだと素直に言っていいんだ。陛下もきっと許して下さる」
「ハァ。何度言えばご理解いただけるのでしょうか?その頭の中には何が詰まっているのですか?私がタービン公爵令息様を好きだったことなど一度もありません」
「嘘よっ!ケレスのことを好きだから、ケレスの気を引きたいから、婚約解消とか言い出したんでしょ。仕方ないから第二夫人になるの許してあげるわよ。そこで土下座して頼んでみなさいよ」
はぁ?
内容も内容だけど、その口の聞き方は何かしら!
私、筆頭公爵夫人なんだけど?
もしヴィル様と結婚していなかったとしても、侯爵令嬢なんだけど?
「誰に向かって、そんな発言をなさっていますの?私は公爵夫人なのですけど」
「あー、やだやだ。そうやって身分をひけらかして。そんなだから、ケレスに捨てられるのよ」
「あら?先ほどからのタービン公爵令息の話と違いますわね。まぁ、それはいいですわ。私は、全く全然ちっとも欠片もタービン公爵令息に興味も気持ちもありませんから。喜んで捨てていただいて結構ですわ」
むしろ、捨てて私に対しての執着をなくして欲しいわ。
ヴィル様なんて、月に一度は領地に行かれるとおっしゃってたわ。
領地にはちゃんと監督している人間がいるらしいけど、領主として自分には責任があるからって。
私も、次に行く時は連れて行ってもらうつもり。
領主の妻として、ご挨拶はしなきゃね。
それに、少し領地経営も興味あるのよ。
それをする時間があるかどうかは別として、少しくらいはヴィル様のお力になりたいわ。
話はそれたけど、タービン公爵夫人が私を睨んでいるわね。
私が望んだ婚約でもないし、王宮で訳の分からない持論を展開したのは貴女の息子よ?
もしかして、私が悪いとでも言う気かしら?
冗談じゃないわ。
悪いのは貴女の息子の頭よ。
たとえ本当に、私のことを好きで、カバヤン伯爵令嬢がただの幼馴染だとしても!
婚約していたときに、婚約者である私よりカバヤン伯爵令嬢を優先しなかったとしても!
他の方と婚約して婚姻した私に、こともあろうに王宮で開かれている結婚披露パーティーで私に意味不明な持論を展開して求婚するのは、頭がおかしすぎるでしょ?
私が、息子の手を取らなかったのが悪いとでも言うつもり?
取らないわよ。気持ち悪い。
あの人の婚約者に戻るくらいなら、一生独身でいいわよ。
「何か私に言いたいことがあるそうですけど、なんでしょうか?」
「ティア!このままでは、僕と離れ離れになってしまうよ?僕を好きだと素直に言っていいんだ。陛下もきっと許して下さる」
「ハァ。何度言えばご理解いただけるのでしょうか?その頭の中には何が詰まっているのですか?私がタービン公爵令息様を好きだったことなど一度もありません」
「嘘よっ!ケレスのことを好きだから、ケレスの気を引きたいから、婚約解消とか言い出したんでしょ。仕方ないから第二夫人になるの許してあげるわよ。そこで土下座して頼んでみなさいよ」
はぁ?
内容も内容だけど、その口の聞き方は何かしら!
私、筆頭公爵夫人なんだけど?
もしヴィル様と結婚していなかったとしても、侯爵令嬢なんだけど?
「誰に向かって、そんな発言をなさっていますの?私は公爵夫人なのですけど」
「あー、やだやだ。そうやって身分をひけらかして。そんなだから、ケレスに捨てられるのよ」
「あら?先ほどからのタービン公爵令息の話と違いますわね。まぁ、それはいいですわ。私は、全く全然ちっとも欠片もタービン公爵令息に興味も気持ちもありませんから。喜んで捨てていただいて結構ですわ」
むしろ、捨てて私に対しての執着をなくして欲しいわ。
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