私のことはお気になさらず

みおな

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お茶会

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 コーネリア様は、淡い水色のドレスだったけど、髪飾りの宝石が濃紺のアイオライトだった。

 まぁ!ランディったら髪飾りに自分の色を入れたのね。

 一目惚れした相手と婚約できたのだもの。
 自分色に染めたいと思っても仕方ないわね。

 お茶会には、リリアも参加した。
あ、王太子殿下はご遠慮いただいたわ。女性だけのお茶会だもの。

 エーリッヒ王太子殿下は、ちょっと不満そうだったけど、リリアが姉好きなのは理解しているから、ドレスを自分の瞳色の紫にすることで妥協してくれた。

 髪飾りも髪色の銀色だし、あの方は相変わらずリリアへの執着がすごいわ。

 お茶会のメンバーは、私を含めて八人。

 デミトリー侯爵家のフラウ様は、赤みを帯びたオレンジ色の髪と瞳をされていて、今日は赤いドレスを着ていた。

 フローベール侯爵家のエリザ様は、赤い髪に焦茶色の瞳をしていて、今日は薄いピンク色のドレス姿。

 ラトキエ伯爵家のミリー様は茶色の髪に榛色の瞳で、ドレスはレモンイエロー。

 キャロット伯爵家のアニタ様はエメラルド色の髪と瞳で、ライムグリーンのドレスを着ていた。

 伯母様のところのアリーナ様は紫色の髪と瞳で、ライトブルーのドレスだった。

 すごいわ、カール。
見事に誰とも被らずに、ドレスを選ばせたわね。

 さすがグリフォン公爵家の家令だわ。

 ちなみに私はリリアと似た紫色のドレスだけど、私のは自分の瞳の色に合わせたものだし、ヴィル様の黒いお色はお茶会に不向きだもの。

 その分、レースを黒にしたわ。

 それに、私は子供を産んだ夫人が着るドレスだから、若いご令嬢たちとはデザインが違うのよね。

「ようこそ、お越しくださいました。グリフォン公爵が妻、ティアですわ」

 お茶会の主催として挨拶すると、みんなにこやかに挨拶を返してくれた。

 この年代の子って、素直で可愛いわね。

 どこぞのご令嬢のように、わけのわからない意味不明な持論を展開したりしないわ。

 ランディは、養子とはいえグリフォン公爵家の令息。

 私のそばにいることになるランディの婚約者や婚約者の友人に、リリアが問題のある子を選ぶわけがないのよね。

 主催ではあるけど、今回はリリアとアリーナ様に主導をお願いした。

 コーネリア様との仲を深めてもらうのが目的だから、同年代の方が話し合いやすいわよね。

 幸いにも、皆様ランディに対しての執着はないみたいで、新たなご縁を紹介することで、コーネリア様の味方になると約束してくれた。

 ランディの側近候補も探す予定だから、今度は令息を集めたお茶会を開くのもいいかもしれないわ。

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