入れ替わり転生〜生まれ変わったら、私を殺した婚約者の最愛になっていました〜

みおな

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たとえ私を殺したあの人でなくても

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 私が聖女様の体に入っていることで、ウェンディの体の中は空っぽということなのでしょうか。

 私は聖女様の魂が入っていると思い込んでいました。

「このままだとウェンディの体は、死んでしまうということでしょうか」

「我々は医者でないから断言はできないが・・・ウェンディが聖女としての力を使えるのなら、女神様にお伺いすることはできないのか?」

「私がこの体に魂が宿った時に祈ってみましたが、ご返答はありませんでした。ですから、私は私に出来ることをするつもりです」

 聖女様の魂がどうなったのかは、私には分かりません。

 もしかしたら、ウェンディの体の中で眠って、と思いましたが、癒しの力を流した時にそれらしき手応え?を感じることはできませんでした。

 私がかけた癒しの力は、空っぽの器に水を注いだ、そんな感じだったのです。

 ただ、なんとなくですが、こうやって癒しの力を定期的に注ぐことで、ウェンディの命を繋ぐことが出来るのではないか、と感じました。

 もちろん絶対とは言えませんから、両親に希望を持たせたりはしませんが。

 何故ならば、結局は私の魂なり聖女様の魂なりが体に入らなければ二度と目覚めないのです。

「お父様」

「なんだ?」

「お願いがございます。ウェンディと・・・私と王太子殿下との婚約を白紙撤回してもらってください」

 私の言葉に、お父様はわずかに目を見開きました。

 おそらくお父様も、そうするしかないとお考えだったのだと思います。

「白紙撤回か」

「眠ったままでいつ目覚めるのか分からない状態では、王太子殿下の婚約者は務まりません。それを理由にすれば、王家も頷いてくださると思います。そして、もし私が元の体に戻れたとしても、私は殿下の婚約者にはなりたくありません」

 今の殿下が、私を毒殺した殿下でないことは、理解しています。

 ですが、あの時の憎々しげに私に言ったあの言葉が、あの視線が、あの声が、どうしても忘れることができないのです。

 お父様は、少し考えたあと頷かれました。

「分かった。王家に話してみよう」

「代わりになる婚約者候補を挙げれば、話は進みやすくなるだろう。殿下は聖女様を望むだろうが、聖女様は全ての記憶を失っているということにしてある。うちとレンブラン公爵家が反対すれば、押し通すことは難しいだろう」

「代わりの婚約者候補は?」

「侯爵家に年頃の娘がいただろう。それを推す」

 おじ様がお父様に提案し、話が進んでいきます。

 侯爵令嬢・・・かつて聖女様の取り巻きだった方々でしょうか。

 ぜひに私の代わりを務めていただきたいですわ。
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