入れ替わり転生〜生まれ変わったら、私を殺した婚約者の最愛になっていました〜

みおな

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違うはずなのに〜王太子ジュリアーノ視点〜

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 父上から、メトルファン皇国皇女殿下と婚約を結べるように、きちんと交流しろとキツく言いつけられた。

 婚約出来なかった場合、王太子の座から下ろすとまで言われてしまった。

 ユエがいた頃は、ユエさえいてくれるなら王太子でなくなってもかまわないと思っていた。

 だけどユエを失った今、王太子でなくなれば何を目標に生きていけばいいのか分からない。

 ユエリティ皇女殿下からも、会いに来てと言われた。

 ユエリティ皇女殿下は、とても愛らしい方だと思う。

 もしもユエと出会っていなければ、婚約者になって欲しいと普通に願ったと思う。

 だけどユエを知った今は、ユエ以外に惹かれることなんてない、そう思っていた。

「私の大好きなお菓子なんです」

「勧められて読んだら、大好きになってしまったお話なんですよ」

 別人なのに。

 ユエはいなくなってしまったのに。

 どうしてユエと同じものを好きだと言うんだ。

 言動は、ユエと違うのに。

 ユエは異世界人のせいか、全く貴族のマナーも何も出来ていなかった。

 だけどユエリティ皇女殿下は違う。

 ユエというより、ウェンディを彷彿させる。

 そうだ。

 ウェンディとユエを足して割ったような、ユエがちゃんと淑女のマナーを身につけていたらこうなっていただろうなというような、そんな感じなんだ。

 そのことに気付いてから・・・

 ユエリティ皇女殿下のことが気になって仕方なくなった。

「ユエ・・・」

 思わずそう呟いた時、彼女は自分が呼ばれたと思って返事をした。

 まさかユエを思い出していたなんて言えなくて、思わず誤魔化してしまったけど、皇女殿下は怒りもせずに「好きなようにお呼びください」とまで言ってくれた。

 あれから、ユエリティ皇女殿下のことをユエとで呼んでいるが、彼女はいまだに僕のことを王太子殿下と呼ぶ。

 ユエが呼んでいたようにジュリーと・・・いや、違う。

 ジュリアーノでも何でもいい。
ユエリティ皇女殿下の好きなように呼んで欲しい。

 彼女はユエじゃないのに。

 別人だと頭では理解しているし、ユエと混同しているつもりはないのに。

 ユエリティ皇女殿下と話していると、彼女のことをもっと知りたくなる。

 彼女に、もっと僕のことを知って欲しくなる。

 僕は・・・
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