入れ替わり転生〜生まれ変わったら、私を殺した婚約者の最愛になっていました〜

みおな

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素敵な出会いです

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「とても良い物が買えて良かったわ」

 私は棚にある髪飾りを眺めながら、笑みが浮かびました。

 お父様にはお洒落なカフスボタン、サンディには最近流行りのガラスのペンを購入しました。

 文官のお仕事で得たお金はなくなってしまいましたけど、とてもいい買い物が出来たと思いますわ。

「きっと、喜んでいただけますよ」

 店員さんが包んでくれている間、最後まで迷って選ばなかった方の髪飾りを見ながら、侍女のラミアと話していると・・・

「ごめん、それ買うのかな?」

 突然、声をかけられました。

 振り返ると、白金の髪と瞳をされた男性がこちらを見ていました。

「ええと、その髪飾りを買うのかな?」

「あ、いえ、ごめんなさい。私はもう買いましたの」

 私がジッと見ていたことで、この髪飾りを買うのかと思われたのですね。

「良かった。妹が欲しがっていた雰囲気に似てるから、買いたいと思ったんだ」

「まぁ。お優しいお兄様ですのね。きっと妹様も喜ばれますわ。私も、こちらにするか迷いましたの」

「そうなんだ。君の選んだのはどんな感じなの?」

「私の選んだのは、深紅の花に白い小花がたくさんの髪飾りですわ。華やかな感じが気に入りましたの」

 もうひとつの選ばなかった方は、小さな色とりどりの宝石が散りばめられたもので、その宝石が木の枝に咲く花のように見えるのです。

 最後まで迷ったのですけど、お母様には華やかさのある深紅の花の方が似合うと思って、あちらを選びましたの。

「へぇ。それも素敵だけど、妹には大人すぎるかな」

 その方は、私が選ばなかった方の髪飾りを購入されるようでした。

「お嬢様」

「包んでいただけたようですわ。それでは、失礼いたします」

「あ・・・急に声をかけて申し訳なかった。その・・・」

「いえ、私が選ばなかった髪飾りが、妹様が望まれていたもので良かったですわ。喜んでくださるとよろしいですね」

 ラミアが品物を持って声をかけて来たので、私は男性に頭を下げるとお店を後にしました。

 馬車に乗り込むと、ラミアが不思議そうに話しかけてきます。

「お嬢様が初対面のご令息と親しくお話されるなんて、お珍しいですね」

「そういえばそうね。でも、なんだか悩んで選ばなかった髪飾りが素敵な贈り物になると知って嬉しかったのよ」

 それに・・・
なんだか、もっと色んなことをお話したいと思わせるお方でした。

 私は王太子殿下の婚約者ですので、他のご令息とお話するときは、細心の注意を払っているのですけど・・・

 そんなことを考えないくらい、楽しい会話でしたわ。

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