拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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脅威の魔道具。

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「はっ、離して!一体、どういうつもり?い、いくら私が男爵家の娘だからって、人間にこんなことッ!」

 椅子に魔道具の縄で縛り付けられたレグディア男爵令嬢。

 その姿を、私は離れた位置で見ていた。

 レグディア男爵令嬢の尋問を行うのは、マキシミリオン王国からシリルと共にやって来ている魔法師たち。

 彼らは、マキシミリオン王国魔法師としての誇りを持っている。

 それを知っているから、私たちは全てを彼らに任せることが出来る。

「では、始めます」

 レグディア男爵令嬢の両手と頭に嵌められた魔道具。

 それらに、開始の合図とともに魔力が流された。

「ぅ・・・あ、ああああああああ!」

 拘束されていて動けない彼女は、体を捩るように呻き声をあげた。

「大丈夫なのですか?」

「そうですね。自分の感情ではないものが自分を支配しようとしているのですから、気が狂いそうになるでしょうね。しかし、仕方ありません。自分たちがしていたことがその身に跳ね返って来ただけですよ」

 魔法師の方の淡々とした声に、この方たちがとても怒っていたのだと気付いた。

 マキシミリオン王国の魔法師の方々は、国王陛下の命を受けてその魔道具を使う。

 時には、人には言えないような、非道な行いをすることもあると聞く。

 だけど、それは国のためだと自分たちに言い聞かせているのだと思う。

 誰だって、人を苦しませたり悲しませたり傷つけたりしたいわけじゃない。

 少なくとも、まともな精神の持ち主は。

 だから、きっと彼らは怒っているのだ。

 人を人と思わず自分たちの欲のために、薬で思うように操ろうとする闇組織の人間を。

「ああああぁぁぁ・・・」

 しばらくすると、レグディア男爵令嬢の声が小さくなって来た。

。殿下。それでは尋問を開始します」

「ああ。任せる」

「シリル、かかったとは?」

「魔道具を使って、闇組織が使っていた薬物と同じ効果、意識操作を再現したんだ。だから、現在あの男爵令嬢は自白剤を使われたのと同じ状態になっている」

 それは・・・すごいわ。
でも、そんなふうに人を意のままに操れる魔道具なんて、危険じゃないの?

「ねぇ、そんな魔道具って危険ではないの?もし、誰かに奪われたりしたら・・・」

「ああ。それに関しては大丈夫だ。あの魔道具に限らず、特殊な魔道具には認識機能をつけてある。つまり、登録した魔力でないと反応しない。アレに関しては、あの魔法師か父上、あとは僕にしか使えない」
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