拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

文字の大きさ
46 / 130

捕らえたのは。

「キティ・ラマダ?改めてお伺いします。貴女のお名前は?」

 首領の名前がキティだったことで、魔法師の方が改めて尋問した。

 まさか、彼女が首領?まさかね。

「・・・キティ・・・」

「お名前は?」

「キティ・・・レグ・・・ゔぅっ・・・ゔゔゔっ・・・キティ・ラマダ」

 レグディアと言いかけて、痛みに呻いて体を捩り、そして名乗ったのは闇組織の首領の名前だった。

 えええええ。
首領自ら、潜入していたというの?

 でも確かにそれなら、首領からの指示がなくても不思議はないわ。

 本人が思うように動けば良いだけだもの。

「では、貴女が組織の首領なのですね?」

「うぐっ・・・くっ!そっそうよ!くっ!今まで尻尾は掴ませなかったのにっ!」

 まぁ確かに、こんな若いご令嬢が組織の首領だとは誰も思わないだろうし、きっと彼女はある意味優秀で、判断力に優れていたのでしょうね。

 尻尾を掴まれると思ったら、上手く逃げていたのでしょう。

 違う面で優秀さを出していたなら、それこそ公爵家とも縁付けたかもしれないのに。

「貴女がた組織の目的は?」

「目的?ハッ。そんなの決まってるでしょ。たんまり報酬を得ることよ。だから公爵家の息子を狙ったのに、あんなに警戒されるなんて!でも、やっと分かったわ!魔道具を使ってたのね!」

 もう取り繕う必要がないと判断したのか、レグディア男爵令嬢・・・いえ、キティ・ラマダさんは開き直ったように話し出した。

 お金目当てということ?
いえ、まぁ、闇組織の運営にはお金がかかるとシリルたちが話してたけど、まさか本当にそれだけが目的だったの?

 でも、メルキオール帝国に害なそうと思っているなら、ルノール公爵令息ではなく、ルーファスお兄様を狙うかしら。

「お金の為?本当に?そのためだけに公爵令息に近付いたと?」

「そうよ。お偉いお貴族様たちを、悔しがらせたかったのに!男爵家の小娘に入れ込んで、金を貢いだ息子を切り捨てる。家から追い出した後に、薬を使われてたことを知って、お偉いお貴族様は泣き喚くのよ。一旦家から追い出したら、元通りには出来ないものね。今まで上手くいってたのに!ママを傷付けたこの国の貴族を、無茶苦茶にしてやれるはずだったのに!」

「傷付けたとはどういうことですか?」

「ママとパパは、愛し合っていたのに!それをママから、パパを捕らえようとしたのよ!パパはこの国から逃げるしかなかった。パパを失ったママは、泣く泣く男爵家に嫁いだのよ!パパはママを取り戻すために組織を立ち上げた。全部全部、この国の貴族が悪いのよ!」

感想 372

あなたにおすすめの小説

旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?

白雲八鈴
恋愛
 我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。  離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?  あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。  私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?

【完結】愛とは呼ばせない

野村にれ
恋愛
リール王太子殿下とサリー・ペルガメント侯爵令嬢は六歳の時からの婚約者である。 二人はお互いを励まし、未来に向かっていた。 しかし、王太子殿下は最近ある子爵令嬢に御執心で、サリーを蔑ろにしていた。 サリーは幾度となく、王太子殿下に問うも、答えは得られなかった。 二人は身分差はあるものの、子爵令嬢は男装をしても似合いそうな顔立ちで、長身で美しく、 まるで対の様だと言われるようになっていた。二人を見つめるファンもいるほどである。 サリーは婚約解消なのだろうと受け止め、承知するつもりであった。 しかし、そうはならなかった。

(完結)婚約破棄から始まる真実の愛

青空一夏
恋愛
 私は、幼い頃からの婚約者の公爵様から、『つまらない女性なのは罪だ。妹のアリッサ王女と婚約する』と言われた。私は、そんなにつまらない人間なのだろうか?お父様もお母様も、砂糖菓子のようなかわいい雰囲気のアリッサだけをかわいがる。  女王であったお婆さまのお気に入りだった私は、一年前にお婆さまが亡くなってから虐げられる日々をおくっていた。婚約者を奪われ、妹の代わりに隣国の老王に嫁がされる私はどうなってしまうの?  美しく聡明な王女が、両親や妹に酷い仕打ちを受けながらも、結局は一番幸せになっているという内容になる(予定です)

侯爵家に不要な者を追い出した後のこと

mios
恋愛
「さあ、侯爵家に関係のない方は出て行ってくださる?」 父の死後、すぐに私は後妻とその娘を追い出した。

あなたが決めたことよ

アーエル
恋愛
その日は私の誕生日パーティーの三日前のことでした。 前触れもなく「婚約の話は無かったことにしよう」と言われたのです。 ‪✰他社でも公開

【完結】恋は、終わったのです

楽歩
恋愛
幼い頃に決められた婚約者、セオドアと共に歩む未来。それは決定事項だった。しかし、いつしか冷たい現実が訪れ、彼の隣には別の令嬢の笑顔が輝くようになる。 今のような関係になったのは、いつからだったのだろう。 『分からないだろうな、お前のようなでかくて、エマのように可愛げのない女には』 身長を追い越してしまった時からだろうか。  それとも、特進クラスに私だけが入った時だろうか。 あるいは――あの子に出会った時からだろうか。 ――それでも、リディアは平然を装い続ける。胸に秘めた思いを隠しながら。

【完結】婚約破棄される前に私は毒を呷って死にます!当然でしょう?私は王太子妃になるはずだったんですから。どの道、只ではすみません。

つくも茄子
恋愛
フリッツ王太子の婚約者が毒を呷った。 彼女は筆頭公爵家のアレクサンドラ・ウジェーヌ・ヘッセン。 なぜ、彼女は毒を自ら飲み干したのか? それは婚約者のフリッツ王太子からの婚約破棄が原因であった。 恋人の男爵令嬢を正妃にするためにアレクサンドラを罠に嵌めようとしたのだ。 その中の一人は、アレクサンドラの実弟もいた。 更に宰相の息子と近衛騎士団長の嫡男も、王太子と男爵令嬢の味方であった。 婚約者として王家の全てを知るアレクサンドラは、このまま婚約破棄が成立されればどうなるのかを知っていた。そして自分がどういう立場なのかも痛いほど理解していたのだ。 生死の境から生還したアレクサンドラが目を覚ました時には、全てが様変わりしていた。国の将来のため、必要な処置であった。 婚約破棄を宣言した王太子達のその後は、彼らが思い描いていたバラ色の人生ではなかった。 後悔、悲しみ、憎悪、果てしない負の連鎖の果てに、彼らが手にしたものとは。 「小説家になろう」「カクヨム」「ノベルバ」にも投稿しています。

(完)貴女は私の全てを奪う妹のふりをする他人ですよね?

青空一夏
恋愛
公爵令嬢の私は婚約者の王太子殿下と優しい家族に、気の合う親友に囲まれ充実した生活を送っていた。それは完璧なバランスがとれた幸せな世界。 けれど、それは一人の女のせいで歪んだ世界になっていくのだった。なぜ私がこんな思いをしなければならないの? 中世ヨーロッパ風異世界。魔道具使用により現代文明のような便利さが普通仕様になっている異世界です。