拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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それぞれのその後①

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 キティさんと元レグディア男爵夫人のその後について、ルーファスお兄様から話を聞いた。

 マキシミリオン王国から我が国に籍を移してくれた魔法師の方々を統括しているのがルーファスお兄様で、今回の件もお兄様が責任者なの。

 二人が送られたのは、北の国境線にある魔物が多くいるとされる森。

 そこの管理は、王家と北の辺境伯家がしているの。

 辺境伯家のご嫡男とルーファスお兄様は同い年で、仲良しらしいわ。

「それでお二人は?」

「北の国境に着くまで、ずっとお互い文句を言い合っていたらしい。縄で縛っていなかったら、掴み合いの喧嘩になっていそうなくらいだったと騎士たちが言ってたよ。魔の森では一週間のうちに、娘の方が左腕を肩から、それと腰から下を欠損。母親の方が右足と左腕の肘から下を欠損、背中を引き裂かれたと言っていた。それからはお互いを罵り合う余裕はなくなったようだ」

「・・・」

 魔道具のおかげ?で死なないのは理解しているけれど、その恐怖と激痛を想像すると、あっさり死んだ方が幸せだと思えるわ。

「魔物は退治できましたの?」

「ああ。あそこは定期的に強い魔物が現れるそうだ。他国から流れてきているらしい。それに森には動物たちが多くいて、餌に困らないから集まりやすいのだと聞いた。動物たちの生態系を壊すわけにいかないから、殲滅活動はしにくい。だから二人の存在はありがたいとフィートは言ってたよ」

 フィートというのは、辺境伯ご嫡男様の名前だ。

 餌としての存在をありがたいと言われても、二人とも嬉しくないだろう。

「魔道具があるので、ご存命ですのね?」

「ああ。使一度魔物と遭遇したら、しばらくは砦で監禁している。餌が必要な強い魔物は、そうしょっちゅう出ては来ないから、まぁ、一年くらいは保つだろう」

「・・・そうですか。レグディア男爵の方はどうなりましたの?」

 私の問いに答えてくれたのは、お母様だ。

「男爵は何も関わっていないし、ある意味夫人に騙されたようなものだけど、酷く罪悪感を抱いていてね、爵位を返上して来たわ。もう結婚するつもりはないし、後継もいないからって。同じ男爵位の弟がいて、弟の領地の片隅で住むことにしたようよ。だから、レグディア男爵の領地は、その弟に任せることにしたわ」

「そうですか。おかわいそうですが、貴族社会から離れた方が、幸せかもしれませんね」

 今回の捕縛は、内々に行ったから漏れることはないだろうけど、夫人と令嬢はどこに行ったのかと聞く人もいるだろう。

 不貞をしたから離縁した、と堂々と嘘を吐けるタイプじゃなさそうだし、後継もいなくなったからこれで良かったのよね。
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