拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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婚約事情②

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「ベリンダ様は、何故まだ婚約者を決めておられないのですか?」

「あっ!私知ってます!クロエお姉様とあの馬鹿子息が無事に結婚できるのを確認してからってことになってたんですよ!」

「ビビアン!」

 不思議に思って問いを口にしたら、衝撃的な答えが返って来たわ。

 伯母様!
自分の娘より、姪を優先するってどういうこと!

「ベリンダ様・・・」

「クロエ様のせいではありませんわ。むしろ、うちのお母様がごめんなさい。お母様は叔母様のことがとてもとても大好きで、クロエ様が我が国にお嫁に来て住んで下されば、叔母様もこまめに来て下さるんじゃないかと考えたのだと思うのです」

 ええ。ええ。
伯母様は、お母様のことが大好きですものね。

 お母様ラブ故に、私をコンラッド公爵子息と結婚させようとしたのだものね。

 伯母様のことは、嫌いじゃないわ。

 お母様のことを大好きな気持ちも理解る。私もお母様のことは大好きだもの。

 でも!

 だからって、自分の娘の婚約より私の婚約を優先するなんて!

 シリルが・・・
私を望んでくれているのでなければ、紹介するところだけど、さすがにそんな人としてあり得ない選択は出来ないわ。

 私が恋愛的にシリルを見ていなくても、シリルは私を恋愛的な気持ちで思ってくれているんだもの。

 ちゃんと向き合わなきゃ、不誠実だわ。

 シリルか・・・お母様やお姉様に相談してみようかしら。

 それにお母様には、伯母様を叱責してもらわなきゃ。

「・・・良い方がいらっしゃると良いですわね」

「ええ。まぁいなきゃ他国で探すわ。これでも一応、王女ですからね」

 おせっかいになるから、口には出さなかった。

 それに探すと言って見つからなかったら、失望させるもの。

「ビビアン様は、まだ婚約者は決められないの?」

「お母様が、学園に在学中には決めましょうって。私はその・・・」

「ビビアンには好きな殿方がいるのよねー」

「ベリンダお姉様っ!」

 あら。あらあらあら。
好きな方がいらっしゃるのね。

「どちらのご子息?」

「クロレート伯爵家の三男の方よ。クロエ様は面識はないと思うわ。あの方、貴族らしくないのよ。商売に熱心で、ビビアンはクロエ様と立ち上げた事業で知り合ったみたい」

 そうなのね。
三男なら、継がれるお家はないのでしょうけど、商売をなさるのがお好きなのなら、ビビアン様と立ち上げた化粧品事業をご一緒にされれば良いんじゃないかしら。

 じゃあ、ベリンダ様の婚約者探しが重要案件ね。

 どれだけアルトナー王国に年齢の釣り合うご子息がいたとしても、婚約者持ちでは意味がないし、ベリンダ様に相応しい相手じゃなきゃもっと意味がない。

 もちろん本人の気持ちが大事だから、しばらくは様子見だけど。

 それからはたわいもない話をしながら、アルトナー王国へと向かった。
 
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