拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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無謀な正義の味方。

「貴女!誰に向かってものを言っているのか分かってるのっ!」

「そうよ!そうよ!」

「そこで土下座してマリエッタ様に謝罪しなさいよっ!」

 案の定、侯爵令嬢とその取り巻き?らしき令嬢たちが喚き出した。

「自分の手に負えないことをするから」

「クロエは冷静ね。腹立たしくはないの?それに、一応あの子もクロエを庇うというか、味方になろうとしてるのではないの?」

「腹立たしく?ならないわ。彼女たちがそう思うのは彼女たちの自由だし、気に入らないなら、シリルに直接言えばいいのよ。シリルが彼女たちを選んでも、私は文句を言うつもりはないわ。私たちの身分では、政略結婚は当たり前だもの。もちろん、ちゃんと私に話をして婚約解消してからにして欲しいけど」

 もし私がシリルのことを異性として好きになっていたとしても、シリルの立場は理解しているもの。

 彼が政略結婚を選ばなければならなくなったとしたら、それを受け入れるべきだと思うわ。

 だって私が同じ立場になったなら、私も政略結婚を受け入れるもの。

 受け入れたくないなら、政略結婚以上の利を差し出すしかないわ。

「彼女が言ってることは正論だけど、それを相手に納得させる力がなければ、結局は彼女自身が傷つけられるだけよ。相手は侯爵家のご令嬢なのでしょう?男爵令嬢なのだから、格上のご令嬢に歯向かうなら相手以上の味方を連れた上で歯向かわなきゃ」

「冷静ねぇ」

「私が何のために皇女の身分を隠して、留学してると思ってるの?ああいうのを炙り出すためよ。シリルと婚姻しても王族に残るとは限らないけど、社交界で問題を起こしそうな家は把握しておかなきゃ、マキシミリオン王国では暮らせないもの。それに、早めに芽は摘んでおかないと、うちの家族が出て来たら国際問題になってしまうわ」

 ルーファスお兄様がマキシミリオン王国の第二王子だったとはいえ、お母様やお姉様がマキシミリオン王国の貴族に手出ししたら問題になるわ。

 そんなことを話しているうちに、侯爵令嬢たちは男爵令嬢を無理矢理に土下座させようとしていた。

「やり過ぎね。止めてくるわ」

「ちょっ・・・クロエ!」

 さすがにやり過ぎだわ。

 不敬だと言われればその通りだけど、その前に人を悪き様に言ってたのはアチラだもの。

 他国の、に対して不敬だと思うわ。

 いくら彼女が侯爵令嬢だとしても、爵位を継いでいるわけじゃない。

 伯爵令嬢なら彼女の方が上だけど、領地なしでも爵位をいただいている私の方が身分は上よ。

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