拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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身分の違い。

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「じょ、常識を説いてるけど、貴女だって私に話しかけたじゃない!」

 あら?そうくるのね。
確かに、侯爵令嬢と伯爵令嬢なら侯爵令嬢の方が身分は上だけど、私は他国の人間だし、第三王子殿下の婚約者。

 なら、その言い分が通じないって分かるわよね?

 身分だけでは、全てを図ることはできないのよ?

 もし、ものすごく力のある伯爵家だったらどうするの?

 力は・・・あると思うわよ。
だって、絶対伯母様が出てくると思うもの。

 キャリーヌ様をチラリと見ると、頷かれた。

「素直に謝って、退きなさい。第三王子殿下に知られたら、ただで済まないわよ。あの方、婚約者様のことを溺愛なさっているのだから」

「ッ!し、失礼します!」

 あらら。謝罪はないのね。
キャリーヌ様は、謝ってとおっしゃってたのに。

 まぁ、気持ちのこもらない謝罪は必要ないけど、とりあえず口に出しておけば後で謝罪したと言い張れるのに。

 脱兎の如く、侯爵令嬢様とそのお取巻き様たちが逃げて行き、その場には・・・

「・・・貴女も退きなさい」

 何故か、男爵令嬢様が残っていた。

「あの・・・」

「まだ何か用があるの?」

「ああいう言い方は良くないと思います。学園は平等を謳っているんですし」

 私とキャリーヌ様は、思わず顔を見合わせた。

 無謀な正義の味方じゃなくて、ただのお馬鹿さんだったわ。

 彼女はそれを正しいと思っているのでしょうけど。

 親はどうしたの?ちゃんと教育してないの?

「貴女・・・お母様は?」

「へ?母ですか?えと、家にいますけど」

 いるのね!
幼い頃に亡くなって、父親だけとか言うのかと思ったわ!

 それか、よく聞く平民の庶子が引き取られた系かと。

「色々と言いたいことがありますけど、まず訂正しておきますわ。確かに学園では身分の平等を謳っていますけど、それはあくまでも建前。平等なら、家格でクラス分けなどするわけがありませんわ。余程のことでない限り、大きな罪に問わないというだけに過ぎませんのよ。過去にその平等を謳い、王族が下位貴族の不敬を許したがために騒動が起こりましたの。それ以降、あくまでも平等は建前となりましたのよ。それに、たとえ学園で平等だとしても学園から一歩出れば格差社会だということをお忘れ?貴女の言動で、男爵家に被害が被ること、よくお考えなさい」

「そんな・・・私は何ものに、どうしてそんな」

「家に帰って、お父様お母様に聞いてごらんなさい。フェルゲン公爵令嬢にこう言われたけど、どちらが正しいか?とね」
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