拝啓、婚約者様。ごきげんよう。そしてさようなら

みおな

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女性陣の決断。

「いうことを聞けないのなら、レシピエンス王国の王女と婚約させるぞ!」

 国王陛下の言葉に反応したのは、シリルだけではなく王妃殿下や王太子妃殿下だった。

「陛下!」

 顔色を悪くした王妃殿下が、諌めるような声を上げた。

 まぁ、当然よね。
メルキオール帝国皇女である私と、婚約しているのだから。

 そしてその当人を前に、レシピエンス王国王女と婚約をさせると言ったのよ。

 確かに私とシリルは、政略結婚相手として婚約したわけではない。

 魔道具や魔法師の方を借りる交換条件として、シリルの希望で結んだ婚約。

 国と国の直接的なものではないにしても、あまりにも私を馬鹿にしすぎてはいないかしら?

 ああ。
アルトナーの侯爵令息風情に、婚約破棄されただとでも思っているのかしらね。

 つくづく思うけど、お父様ってばこの方に劣等感を抱いていたの?

 確かに美丈夫だし、マキシミリオン王国を魔法大国に押し上げた手腕は評価するけど、この態度は人としていかがなものかしら?

「従わないのが気に入らないのなら、どうぞ廃籍でも何でもして下さい!クロエに捨てられたら、僕に生きている意味はない!無理を言ってやっと婚約してもらえたのに!」

 そう叫んだシリルは、王妃殿下と王太子妃殿下に向き直った。

「母上・・・不出来な息子で申し訳ありません。母上に孫を抱いていただきたかった。義姉上、すみません。義姉上と兄上が築くマキシミリオン王国を僕も支えたかった。だけど・・・。だけど、たとえ平民になっても。クロエとの婚約が失われても。クロエに嫌われたくはない。遠くからでもいい。その姿を見ることを許されたい。胸を張って、クロエが好きだと言いたい。僕は・・・王族として相応しくない」

「シリル。確かに国王である陛下の言葉に逆らい、政略結婚を受け入れられない貴方は王族として相応しくないのかもしれません。ですが、わたくしは貴方を息子として誇りに思います。皇女殿下が許してくださらなくても、平民になってこの国に二度と戻れなくても・・・かまわないのね?」

「・・・はい」

「そう、分かったわ。クロエ皇女殿下、婚約の継続など我儘は申しません。マキシミリオン王国への制裁も謹んでお受けいたします。ただ、不肖の息子がメルキオール帝国で平民として住むことをどうかお許しください。この子は、決して皇女殿下を裏切ったりいたしません。必要でしたら、このわたくしの首で宜しければ差し出します」

「お義母様!皇女殿下っ!私が、私が罰を受けますから!どうかお義母・・・王妃殿下ではなく私に罰をお与え下さい!」

 女性陣はこんなになのね。
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