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多分、挿げ替えになるかと。
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これ以上、国王陛下や王太子殿下と話していても無駄だから、帰ろうかしら。
あ。でも王妃殿下と王太子妃殿下とは、少し話をしておきたいわ。
「私とシリル殿下との婚約は解消されたのですから、あとはどうぞご自由に。私は帰国させていただきますわ。ああ王妃殿下、婚約解消の書類手続きをしておきたいので、少しお時間をいただけますか?それと、シリル。お別れの挨拶くらいはしたいの。かまわないかしら?」
「かしこまりました。わたくしのお部屋でよろしいでしょうか?」
「ええ。ありがとうございます、王妃殿下」
王妃殿下は、王太子妃殿下に視線を向けてから、私を促して談話室から退出される。
王妃殿下の執務室へと案内され、ソファーに腰を落ち着けたタイミングで、扉がノックされて王太子妃殿下が姿を見せた。
メイドがお茶を淹れた後に、部屋から退出する。
王妃殿下は、立ち上がって部屋に鍵をかけた後に、部屋に置かれた魔道具を作動させた。
「防音の魔道具ですわ。これで陛下たちが盗聴しようとしても内容が漏れることはありません」
「ふふっ。やはり王妃殿下と王太子妃殿下は聡明な方でしたのね」
「いえ。皇女殿下には、心からお詫び申し上げます。我が国の国王ならびに王太子の非礼、本当に申し訳ございませんでした」
再び、王妃殿下と王太子妃殿下が深々と頭を下げられる。
きっとこんなふうに、何度も頭を下げられてきたのね。
「うちの両親は、マキシミリオン王国の国王陛下は、とても優れた方だと言っておりましたが、先ほど王妃殿下のおっしゃったような方なのですね」
「・・・申し訳ございません。陛下は・・・先先代がとても厳しい方々で、そのせいか自分を『よく魅せる』癖が付いているのです。人の好みや癖を観察して、それに沿った姿に擬態して好意を得るという癖が。それでも中身の傲慢さが表に出るようになってきたのは、息子の王太子の影響だと思います。あの子は・・・人の心に寄り添わない。王族ですから、大きな目で見ることも大切ですが、あの子にとって陛下と自分以外は全て駒なのでしょう。愚かなことです。国民あっての王族なのに」
それでも、大きな失態が今までなかったために、挿げ替えることが出来なかったのね。
次男のルーファスお兄様がメルキオール帝国の皇配になったことで、挿げ替えが難しくなったこともあるのでしょう。
シリルはあんな考えは持っていないけど、甘いところがあるから。
「おそらく・・・両親は厳しい対処をして来ると思います。父は甘いところがある人ですが、母と姉は・・・」
「分かっております。ですが、罪は王家だけにお与えくださいますよう、お願い申し上げます」
あ。でも王妃殿下と王太子妃殿下とは、少し話をしておきたいわ。
「私とシリル殿下との婚約は解消されたのですから、あとはどうぞご自由に。私は帰国させていただきますわ。ああ王妃殿下、婚約解消の書類手続きをしておきたいので、少しお時間をいただけますか?それと、シリル。お別れの挨拶くらいはしたいの。かまわないかしら?」
「かしこまりました。わたくしのお部屋でよろしいでしょうか?」
「ええ。ありがとうございます、王妃殿下」
王妃殿下は、王太子妃殿下に視線を向けてから、私を促して談話室から退出される。
王妃殿下の執務室へと案内され、ソファーに腰を落ち着けたタイミングで、扉がノックされて王太子妃殿下が姿を見せた。
メイドがお茶を淹れた後に、部屋から退出する。
王妃殿下は、立ち上がって部屋に鍵をかけた後に、部屋に置かれた魔道具を作動させた。
「防音の魔道具ですわ。これで陛下たちが盗聴しようとしても内容が漏れることはありません」
「ふふっ。やはり王妃殿下と王太子妃殿下は聡明な方でしたのね」
「いえ。皇女殿下には、心からお詫び申し上げます。我が国の国王ならびに王太子の非礼、本当に申し訳ございませんでした」
再び、王妃殿下と王太子妃殿下が深々と頭を下げられる。
きっとこんなふうに、何度も頭を下げられてきたのね。
「うちの両親は、マキシミリオン王国の国王陛下は、とても優れた方だと言っておりましたが、先ほど王妃殿下のおっしゃったような方なのですね」
「・・・申し訳ございません。陛下は・・・先先代がとても厳しい方々で、そのせいか自分を『よく魅せる』癖が付いているのです。人の好みや癖を観察して、それに沿った姿に擬態して好意を得るという癖が。それでも中身の傲慢さが表に出るようになってきたのは、息子の王太子の影響だと思います。あの子は・・・人の心に寄り添わない。王族ですから、大きな目で見ることも大切ですが、あの子にとって陛下と自分以外は全て駒なのでしょう。愚かなことです。国民あっての王族なのに」
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シリルはあんな考えは持っていないけど、甘いところがあるから。
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