悪役令嬢発溺愛幼女着

みおな

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甘やかし発血統行き

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「お兄様。私を池に落としたという侍女は、その理由を言いましたか?」

 自分の恥ずかしさを誤魔化すように、私はジルベールお兄様に尋ねました。

 処罰したとお聞きしていましたが、理由を聞かずに、とは考えられません。

 まぁ、如何なる理由があったとしても、五歳の子供にすることではありませんから、処罰が間違っているとは思いませんが。

 ジルベールお兄様は、私の口に運んでいたオレンジジュースのコップをテーブルに戻すと、その綺麗な眉をしかめられました。

 美形は、そんなお顔をされても美形ですわね。

「あー、そんなことより・・・」

「お兄様?教えてくださらないの?ローズのこと、嫌いなの?」

「そんなことがあるわけない!あの女は、魔王一族に人間の血が入るのが許せないと言ったんだ。先王である父上が決めたことで、しかも当時の側近たちも認めたことだというのに!」

 ああ。納得しましたわ。

 エセルに聞いたのですけど、ローズの母親であるソフィさんは生粋の人間なのだそうです。

 ローズのピンク色の髪も、母親譲りだそうです。

 人間に恋をした、魔王閣下。

 相当な反対があったはずです。それでも、お父様はお母様を選ばれました。

 魔族の方は決して、人間を厭っているわけではないそうです。

 ですが、それが魔王一族の一員になるとなると、話が違います。

 人間の世界でも、王族に平民の少女が嫁ぐことになれば、大問題になります。

 能力的な問題もありますが、貴族は血を重んじるところがありますから。

 それでも、側近の方が認められてお母様は魔王妃となられました。

 ところが、お父様の寵愛を受け私を身籠ったことで、お母様の生命力は削られていきました。

 そして私を産んですぐに、亡くなってしまわれたのです。

 お母様を喪ったお父様は、ジルベールお兄様に魔王位を託して、お母様の後を追ったそうです。

 そして、そのことが一定の魔族の方の反感を買いました。

 敬愛する魔王閣下を喪った悲しみが、お母様とそしてローズに対する憎しみに変わったのです。

 ジルベールお兄様が私を溺愛してくださっていることも、不安を掻き立てたのでしょう。

 敬愛する魔王閣下のそばに、人間を置くべきではない。

 そういう判断になったのだということです。

 ローズは、半分は魔族の血が流れていますが、半分は人間です。

 その侍女の方の気持ちも分からないでもありません。

 ローズの意識がまだ見当たらないことは、気になりますが、中身が人間のヴァイオレットになったと知られたら・・・

 ジルベールお兄様にすら、厭われてしまうかもしれません。
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