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策略発裏工作行き
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幸いにも、牢番の行方不明は問題にならなかった。
身内のいない平民だったのと、現在地下牢には罪人がいないので、牢番自体がいなくても問題がなかったせいだ。
ヴァイオレットを貴族牢から出すタイミングだが、こればかりは準備が必要だ。
かつらとベールで、フローラをヴァイオレットと思わせることは何とかなるが、本当にナーシサス公爵家まで送り届けるわけにはいかない。
どこかで馬車をおりて、行方不明にならなければならない。
ウッドはフローラと念入りに打ち合わせをした。
「話せば声でバレる。金で雇った侍女を付けるから、指示はソイツに任せるんだ。決めた場所で馬車からおりて、その侍女と店に入れ。店には話を付けておく。裏口から出て、用意してある別の馬車でその場を離れて王宮に戻ってくればいい」
「侍女はどうするの?」
「一緒に戻ってくればいい。ああ。店の中でカツラとベールは外して、ドレスも替えておくんだ。忘れずに持って帰って来いよ。侍女には、戻って来たら金を払うと言っておく」
下位の貴族なら、金に困っていて少々危険なことに手を染める人間などたくさんいる。
何なら平民でもかまわない。
馬車を止める時とかに、指示を出せればいいだけだ。
紙に書いて渡しておけば、その通りに言うことくらい出来るだろう。
念入りに、それでも早急に準備をして、ウッドはヴァイオレットに化けたフローラと雇った平民の女を馬車で送り出した。
父親には、ヴァイオレットが反省したようなので、ナーシサス公爵家に帰らせたと報告した。
王太子の執務室で、フローラが戻るのを待つ。
心の臓が激しく打っていて、とてもじゃないが執務など手に付かない。
もしかしたら、ヴァイオレットでないことがバレるのではないか。
雇った平民の女が、ヘマをするのではないか。
アレもこれも悪いことばかり考えてしまい、背中に冷や汗が流れる。
だが、やり遂げなくては。
ヴァイオレットは死んでしまったのだ。
地下牢に入れて死なせたことがバレれば、ナーシサス公爵も黙っていないだろう。
不安に押し潰されそうになった頃、執務室の扉が不意に開いた。
「ウッド様っ!」
「フローラ・・・」
頬を上気させ、執務室に入って来たフローラが、ウッドに抱き付いた。
「ウッド様、私ちゃんとやれましたわ!」
「あ、ああ!よくやった、フローラ。さすが僕のフローラだ。そういえば、女はどうした?」
「着替えた店で電撃を与えましたの。気絶させて、貧血みたいだからお店で少し休ませておいてと頼んだのです。すぐに迎えに来るから、と。私の顔を見られない方がいいと思って。ウッド様、迎えをやってください」
「分かった」
ウッドはすぐに、騎士に店にいる侍女姿の女を連れてくるように伝えた。
身内のいない平民だったのと、現在地下牢には罪人がいないので、牢番自体がいなくても問題がなかったせいだ。
ヴァイオレットを貴族牢から出すタイミングだが、こればかりは準備が必要だ。
かつらとベールで、フローラをヴァイオレットと思わせることは何とかなるが、本当にナーシサス公爵家まで送り届けるわけにはいかない。
どこかで馬車をおりて、行方不明にならなければならない。
ウッドはフローラと念入りに打ち合わせをした。
「話せば声でバレる。金で雇った侍女を付けるから、指示はソイツに任せるんだ。決めた場所で馬車からおりて、その侍女と店に入れ。店には話を付けておく。裏口から出て、用意してある別の馬車でその場を離れて王宮に戻ってくればいい」
「侍女はどうするの?」
「一緒に戻ってくればいい。ああ。店の中でカツラとベールは外して、ドレスも替えておくんだ。忘れずに持って帰って来いよ。侍女には、戻って来たら金を払うと言っておく」
下位の貴族なら、金に困っていて少々危険なことに手を染める人間などたくさんいる。
何なら平民でもかまわない。
馬車を止める時とかに、指示を出せればいいだけだ。
紙に書いて渡しておけば、その通りに言うことくらい出来るだろう。
念入りに、それでも早急に準備をして、ウッドはヴァイオレットに化けたフローラと雇った平民の女を馬車で送り出した。
父親には、ヴァイオレットが反省したようなので、ナーシサス公爵家に帰らせたと報告した。
王太子の執務室で、フローラが戻るのを待つ。
心の臓が激しく打っていて、とてもじゃないが執務など手に付かない。
もしかしたら、ヴァイオレットでないことがバレるのではないか。
雇った平民の女が、ヘマをするのではないか。
アレもこれも悪いことばかり考えてしまい、背中に冷や汗が流れる。
だが、やり遂げなくては。
ヴァイオレットは死んでしまったのだ。
地下牢に入れて死なせたことがバレれば、ナーシサス公爵も黙っていないだろう。
不安に押し潰されそうになった頃、執務室の扉が不意に開いた。
「ウッド様っ!」
「フローラ・・・」
頬を上気させ、執務室に入って来たフローラが、ウッドに抱き付いた。
「ウッド様、私ちゃんとやれましたわ!」
「あ、ああ!よくやった、フローラ。さすが僕のフローラだ。そういえば、女はどうした?」
「着替えた店で電撃を与えましたの。気絶させて、貧血みたいだからお店で少し休ませておいてと頼んだのです。すぐに迎えに来るから、と。私の顔を見られない方がいいと思って。ウッド様、迎えをやってください」
「分かった」
ウッドはすぐに、騎士に店にいる侍女姿の女を連れてくるように伝えた。
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