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手は出せない〜ラプラス王国クラウド視点〜
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今日は、婚約者であるリミアとティアちゃんがお茶会?をしている。
僕はそれが終わるまで、執務を進めることにした。
リミアに「女の子同士のお茶会ですから、クラウド様はお仕事なさっていて下さい」と言われてしまったのだ。
リミアは大人しげに見えて、言う時ははっきり言う性格だ。
そして怒ると怖い。
そのリミアがティアちゃんと二人でと言うなら、乱入は出来ない。
僕とリミアは、今年結婚した。
アーバンラマ帝国のロイド殿下とカーティ嬢は去年結婚したから、僕ら仲間うちで結婚していないのは、シキだけだ。
シキはカルディア帝国の皇帝だから、周囲も早く皇后を迎えるようにとうるさいらしいけど、なかなかシキは頷かないらしい。
シキは・・・
三年前からずっと、ティアちゃんのことを想っている。
ティアちゃんは、かつてシンクレア王国で筆頭聖女だった。
聖女としての能力もだけど、魔法もトップクラスのシキと同等、もしくはそれ以上の能力者だ。
彼女の作った結界石のおかげで、我がラプラス王国もアーバンラマ帝国も魔獣の被害を格段に減らすことが出来た。
それに、彼女によって派遣された聖女たちは働き者だし謙虚だ。
聖女は結婚しても聖女としての力を失うことはないらしいので、平民の彼女たちを是非とも妻にと望む貴族も多い。
そう。
聖女とはそれだけの価値があるのだ。
だから筆頭聖女のティアちゃんなら、皇后になれる資格があるのに、本人は自分は平民だからと言っている。
シキを好きじゃないというなら仕方ないが、仲は良さそうだし好意は持ってそうなのに。
かといって、周囲が余計なことを言って、シキの元から逃げてしまっても困るしな。
シキはどうするつもりなんだろうか。
皇帝陛下が、ずっと独り身というわけにもいかないだろうに。
そんなことを延々と考えながら執務をしていたせいか、いつのまにか時間が思っていたよりも経っていたようだ。
「クラウド様。少し休憩なさいませんか?」
ノックと共に、執務室にリミアが入って来た。
「あれ?リミア、ティアちゃんは?」
「もう!あれから一時間以上たってるんですよ?ティア様はお帰りになりましたわ」
「あ、もうそんなに経ってたのか。お茶会は楽しかったかい?」
「ええ。とても有意義な時間でしたわ」
ニコニコと嬉しそうなリミアの様子に、僕の頬も緩む。
「良い友人が出来て良かったね。あとは、シキと上手くいってくれると良いんだけどな」
「ふふっ。きっと、良い知らせが届きますわ。あんなに綺麗に成長したティア様をシキ様が諦めれるわけありませんもの」
いや、まぁ、シキの諦めの悪さは理解しているけど、肝心なのはティアちゃんの気持ちだろ?
そう言った僕に、リミアはニコニコと笑って答えてくれなかった。
僕はそれが終わるまで、執務を進めることにした。
リミアに「女の子同士のお茶会ですから、クラウド様はお仕事なさっていて下さい」と言われてしまったのだ。
リミアは大人しげに見えて、言う時ははっきり言う性格だ。
そして怒ると怖い。
そのリミアがティアちゃんと二人でと言うなら、乱入は出来ない。
僕とリミアは、今年結婚した。
アーバンラマ帝国のロイド殿下とカーティ嬢は去年結婚したから、僕ら仲間うちで結婚していないのは、シキだけだ。
シキはカルディア帝国の皇帝だから、周囲も早く皇后を迎えるようにとうるさいらしいけど、なかなかシキは頷かないらしい。
シキは・・・
三年前からずっと、ティアちゃんのことを想っている。
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彼女の作った結界石のおかげで、我がラプラス王国もアーバンラマ帝国も魔獣の被害を格段に減らすことが出来た。
それに、彼女によって派遣された聖女たちは働き者だし謙虚だ。
聖女は結婚しても聖女としての力を失うことはないらしいので、平民の彼女たちを是非とも妻にと望む貴族も多い。
そう。
聖女とはそれだけの価値があるのだ。
だから筆頭聖女のティアちゃんなら、皇后になれる資格があるのに、本人は自分は平民だからと言っている。
シキを好きじゃないというなら仕方ないが、仲は良さそうだし好意は持ってそうなのに。
かといって、周囲が余計なことを言って、シキの元から逃げてしまっても困るしな。
シキはどうするつもりなんだろうか。
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「あれ?リミア、ティアちゃんは?」
「もう!あれから一時間以上たってるんですよ?ティア様はお帰りになりましたわ」
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「良い友人が出来て良かったね。あとは、シキと上手くいってくれると良いんだけどな」
「ふふっ。きっと、良い知らせが届きますわ。あんなに綺麗に成長したティア様をシキ様が諦めれるわけありませんもの」
いや、まぁ、シキの諦めの悪さは理解しているけど、肝心なのはティアちゃんの気持ちだろ?
そう言った僕に、リミアはニコニコと笑って答えてくれなかった。
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