「ちょっと待った」コールをしたのはヒロインでした

みおな

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ジョエル様次第だと思います

「この際ですから、はっきりと言わせていただきますわ。わたくしがジュリさんを侍女にしたのは、ジョエル様、貴方からお守りするためですわ」

「なっ!守るだと?ふざけるなっ!!」

「ふざけてなどおりませんわ。ジョエル様はジュリさんに好かれていると本当に思っておりますの?あれだけはっきりと拒絶されていたのに?まぁ、思われているからここまで来られたのでしょうけど。わたくしもジュリさんがジョエル様をお好きなら、協力して差し上げるつもりでしたのよ。ジュリさんには断られましたけど」

 この際ですから、わたくしははっきりとジョエル様にお伝えすることにしました。
 多分、理解されないと思いますけどね。
ですが廃籍されるにしても、平民として我が家に押しかけられても困ります。

「ジョエル様、ご自分が学園卒業後に王籍から抜けなければならないことも、ご理解されていませんでしたわよね?お勉強も嫌いで、剣の稽古も嫌い。商才があるわけでもなく、人に使われることを嫌う。その上、質素な生活も出来ない。それでどうやってジュリさんを養っていきますの?国王陛下と王妃様がわたくしに土下座までして婚約を結んだのは、王籍から抜けられたジョエル様が平民でなど生きていけないと思われたからですわ」

「父上と母上が土下座しただと?お前との婚約はアルベーヌ公爵家からの申し入れじゃ・・・」

「どうしてそう思われますの?わたくしはアルベーヌ公爵家を継ぐことが決まっていますのよ?取る婿君にも領地での仕事を手伝っていただきたいのです。爵位などなくても優秀な方を望みますわ」

 わたくしの言葉に、ジョエル様が愕然としています。
 ようやく、少しは話が通じたみたいですわね。

「ジョエル様。少しお勉強なさいませ。剣の稽古もなさいませ。贅沢も控えて、人に頼られる方になるよう努力なさいませ。そうすれば、ジュリさんとの縁も結ばれる日が来るかもしれません。ジョエル様がキチンとご自分と向き合われるのでしたら、学園卒業まで廃籍はお待ちいただくようにお願いして差し上げますわ」

 わたくしは、決してジョエル様のことを好きではありません。
 婚約してから、ずっと蔑まれ、疎まれ、邪険にされていたのですから、好きになる要素などありません。

 ですが、ジョエル様は今のまま廃籍されれば、おそらく長くは生きられないでしょう。何か問題を起こして、命を落とす可能性が高いと思います。

 カケラも好きではない方ですが、亡くなればいいなどとは思いません。
 それに、国王陛下や王妃様のご心痛を思うと、やり直せるならと思うのです。

 まだ学園を卒業するには2年あります。
ジョエル様次第だと思うのです。
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