転生先は魔王の妹?〜蕩けるほど愛される〜

みおな

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王太子への断罪《ルドルフ視点》

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 マズい。マズい。
父上の前に跪きながら、冷や汗が止まらない。

 王族といえど、勝手に手を下すことは許されない。
 だからこそシャーミアの時は、内密に首を刎ね、誰の目にも触れないうちに森へと遺棄したのだ。

 パーティーに参加していた貴族たちには、同じ目に遭いたくなかったら口をつぐむように周知したし、実際に首を刎ねたのは近衛だから、僕としては何とかなるはずだった。

 だが、怒りのあまりにアイラに自ら手を下してしまった。

 思い返しても腹が立つ。
アイラのヤツ、俺のことをド下手だの、独りよがりだのと失礼なことを言いやがって。

 しかも、あれだけ「ルドルフ様素敵ですぅ」などと言っておきながら、王太子でなければ価値がないだと?

「不貞だと?」

「はっ、はい!騎士と体を重ねていたところを発見し、その上、王族である私を愚弄したために、怒りを抑えきれず・・・」

 父上も母上も、俺には甘い。
シャーミアの件だって、ろくに調べもせずに俺の意見をそのまま信用して下さった。

「だから、あのような下賤の者は貴方の相手には相応しくないと言ったでしょう?仕方のない子だこと。陛下。ルドルフは騙されていたのです。それもこれも婚約者としての責務を放棄して行方をくらませたシャーミアが悪いのです」

「しかし、ルドルフが手にかけた場面を、騎士たちが見ているぞ」

「そのような替えが効く者など、それこそ罰せればいいのです」

「うむ。やむ得んな。それよりも王妃よ。シャーミアは見つかったのか?」

 どうやらお咎めなしで済みそうだ。
さすが、母上。
 だが、父上の言葉に俺は目を見開いた。
シャーミア?母上はシャーミアを探しているのか?

「それがまだなのです。あの娘、どこへ隠れているのやら。国境を越えたという報告は入っていませんから、国内にいるはずなのですが」

「しゃ、シャーミアを探しておられるのですか?」

「貴方が手を下したあの娘は、あまりにも王太子妃としては相応しくなかったのよ。あれでは愛妾程度にしかできなかったわ。だから、正妃としてシャーミアを立てようと探しているのよ」

 あ、アイラはそこまでだったのか?
シャーミアは文句も言わず教育を受けていたから、アイラにも余裕だと思っていたのだが。

 しかし、シャーミアを正妃になど無理な話だ。
 あんな可愛げのない女を、俺の妻として隣に立たせるなどごめんだし、大体シャーミアはもうこの世にいない。

 もう遺体も朽ちているだろうから見つかることはないと思うが、相手は母上、つまり王妃だ。
 もし、誰かがあの日のことをバラしたりしたら大変だ。

 至急、だ、誰か母上のお眼鏡にかなうご令嬢を、婚約者候補として連れてこなければ!
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