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令嬢、噂を聞く。
わたくしが、ジブリール帝国サンダルフォン侯爵家の養女になってから二十日がたちました。
わたくし、体ひとつでシャムエル王国から出てきたので、道中のドレスもラルク様に準備いただきました。
そして、サンダルフォン侯爵家のわたくしのお部屋には、クローゼットに入り切らないほどのドレスや宝飾品が準備されていて、しかも大叔母様と・・・お母様が競い合うように買い続けていますのよ。
お母様、サンダルフォン侯爵夫人はプリシア様とおっしゃって、エメラルドグリーンの髪と瞳をされている、おっとりとしたとてもお優しい方です。
大叔母様の息子であるお父様はカイゼン様とおっしゃって、銀髪銀目でジブリール帝国の宰相をされているそうですわ。
ちなみに、サンダルフォン侯爵家には後継であるアランお兄様もいらっしゃいます。
お兄様はお母様似で、エメラルドグリーンの髪と銀の瞳をされていますわ。ちなみにわたくしの三歳年上です。
そして、先ほど王宮からお帰りになったお父様からシャムエル王国から十人ほどの騎士が亡命して来たとお聞きしましたの。
それって、あのわたくしを探していた王宮騎士たちかしら?
ラルク様が、シャムエル王国が嫌になったら、一ヶ月以内なら受け入れてやるとおっしゃっていましたわよね。
もしかして、わたくしが見つからなかったことで、ネイサン様に責められたのかしら?
あり得ますわね。
人を悪女のように罵っておきながら、公務のためにわたくしを利用しようとなさった方ですもの。
聖女様は、異界より召喚されたお方。
いくら優秀な方だったとしても、幼い頃より公爵令嬢として学び、婚約者になってからは王太子妃教育を受けて来たわたくしと同じようには、すぐにはできないでしょう。
わたくしもあのような、人に罪を被せるような真似ではなく、誠心誠意お二人で頼んでくださったなら、聖女様をお支えして王太子妃に相応しくなれるようにお手伝いいたしましたのに。
「その騎士たちが言うには、元ラファエル公爵令嬢は卒業式のドレス姿のまま、公爵邸にも戻らず、金も持っていないのに見つけられないのはお前らの怠慢だ、だと」
「・・・相変わらずの暴君ですこと」
「しかも、その聖女とやらはラファエル公爵令嬢となって、王太子妃教育も受けずに、王太子とお茶や買い物をしているらしい」
あら。そうなのですね。
でも、王太子妃になるために公爵令嬢という肩書きを付けたのですから、お勉強はなさるべきではないでしょうか。
淑女としてのマナーも教養もない王太子妃では、いくら聖女としての能力があっても・・・ねぇ?
わたくし、体ひとつでシャムエル王国から出てきたので、道中のドレスもラルク様に準備いただきました。
そして、サンダルフォン侯爵家のわたくしのお部屋には、クローゼットに入り切らないほどのドレスや宝飾品が準備されていて、しかも大叔母様と・・・お母様が競い合うように買い続けていますのよ。
お母様、サンダルフォン侯爵夫人はプリシア様とおっしゃって、エメラルドグリーンの髪と瞳をされている、おっとりとしたとてもお優しい方です。
大叔母様の息子であるお父様はカイゼン様とおっしゃって、銀髪銀目でジブリール帝国の宰相をされているそうですわ。
ちなみに、サンダルフォン侯爵家には後継であるアランお兄様もいらっしゃいます。
お兄様はお母様似で、エメラルドグリーンの髪と銀の瞳をされていますわ。ちなみにわたくしの三歳年上です。
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それって、あのわたくしを探していた王宮騎士たちかしら?
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もしかして、わたくしが見つからなかったことで、ネイサン様に責められたのかしら?
あり得ますわね。
人を悪女のように罵っておきながら、公務のためにわたくしを利用しようとなさった方ですもの。
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いくら優秀な方だったとしても、幼い頃より公爵令嬢として学び、婚約者になってからは王太子妃教育を受けて来たわたくしと同じようには、すぐにはできないでしょう。
わたくしもあのような、人に罪を被せるような真似ではなく、誠心誠意お二人で頼んでくださったなら、聖女様をお支えして王太子妃に相応しくなれるようにお手伝いいたしましたのに。
「その騎士たちが言うには、元ラファエル公爵令嬢は卒業式のドレス姿のまま、公爵邸にも戻らず、金も持っていないのに見つけられないのはお前らの怠慢だ、だと」
「・・・相変わらずの暴君ですこと」
「しかも、その聖女とやらはラファエル公爵令嬢となって、王太子妃教育も受けずに、王太子とお茶や買い物をしているらしい」
あら。そうなのですね。
でも、王太子妃になるために公爵令嬢という肩書きを付けたのですから、お勉強はなさるべきではないでしょうか。
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