暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、再会する。

 わたくしが悪女となる発言をしてから、一ヶ月がたちました。

 そして、ラルク様が我がサンダルフォン侯爵家に訪れられました。

 あの日、わたくしを迎えに来て下さってから、久しぶりの再会ですわ。

 いえ。お会いできなくても別に不満はありませんわ。

 ラルク様はお若いですが、ジブリール帝国の皇帝陛下。

 お忙しい身の上ですもの。

「お会いできて光栄です、皇帝陛下」

「よせ。そんな堅苦しいのが嫌だから、俺が来たんだ」

 頭を下げて礼を尽くしていると、ラルク様から止められましたわ。

 でも、ラルク様の後ろには従者の方と護衛の方がいらっしゃいますのよ。

 ラルク様とお名前でお呼びしていいのか、躊躇いますわ。

「悪女になるそうじゃないか」

「ええ。でも、悪女だからといって無礼な態度を取るのは別ですわ。わたくしはサンダルフォン侯爵家を貶めたいわけではありませんから」

 ラルク様は悪女なら、傲慢な態度で自分にも対応すれば良いみたいにおっしゃいたいみたいですけど、それはただの無礼者ですわ。

 わたくしがなりたいのは立派な悪女であって、無礼者ではありませんのよ。

 それよりも、誰がラルク様にわたくしが悪女になると伝え・・・って、お父様ですわよね、きっと。

 それとも、アランお兄様かしら。

 お父様は、宰相。
お兄様は、宰相補佐の一人として王宮に勤めていらっしゃいます。

 帰ってきたら、お仕置きですわ。

 わたくしが心の中でそう考えていると、ラルク様がため息を吐かれました。

「やめてやれ。俺リルローズがどうしているかと尋ねたんだ。皇帝に問われて答えないわけにはいかないだろう」

「まぁ!はお心が読めるのですか」

「嫌味を言うな。リルローズは立派な淑女だと知っている。だが、ここでの暮らしが幸せそうで良かった。その幸せゆえに、表情の片隅に感情が出やすくなったな」

 わたくしはシャムエル王国では、鉄仮面とか冷血とか周囲に言われておりました。

 別に、周囲に冷たく振る舞っていたわけではありませんわ。

 ですが、未来の王太子妃として、そして公爵令嬢として、人に感情を悟られるのは良くないと教わっていて、それを実践していただけです。

 確かに、王太子妃や王妃が公務で感情を悟られたりしたら、不利になることもありますもの。

 ですが、だからといってわたくしは人形ではありませんから、不満に思うことも逆に嬉しく思うこともあります。

 サンダルフォン侯爵家で大切にされ、家族に愛されて暮らすうちに、どうやら鉄仮面が剥がれていたようですわ。


 
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