暴君陛下の溺愛妻になります〜悪女だと言われたので、それなら本当に悪女になりますね〜

みおな

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令嬢、近況を聞く。

「分かりましたわ。お仕置きはやめておきます」

 わたくしはもう、未来の王太子妃でも何でもありません。

 まぁ、侯爵令嬢ではありますから、それなりの鉄仮面は必要でしょうが、それも公の場でだけで良いでしょうし。

 家族相手に、取り繕う必要もありませんしね。

「それよりも、シャムエルは大変そうだぞ。優秀な元王太子妃候補がいなくなったせいで、王太子の公務すらまともに回っていないらしい」

「ネイサン王太子殿下は、飽きやすいんですわ。まぁ、わたくしが手伝っていたのがいけなかったのかもしれませんけど」

 いつもいつも、王宮の事務官の方が列を成して待っていましたもの。

 彼らも、ネイサン様の書類をいただかないと帰れないのです。

 あまりにかわいそうになって、手伝うようになったのですわ。

 あれがいけませんでした。
わたくしが手伝ってくれることに味を占めて、少しずつネイサン様はお仕事を放置していなくなるようになりました。

 今思えば、きっと聖女様と会っていたのでしょう。

「助けになるはずの聖女は、異世界人のせいか全く役に立たない。本腰を入れてリルローズを探し始めたそうだ」

「はぁ。ご自分たちで頑張ろうとか・・・思うわけがありませんわね。わたくしに冤罪をかけ、公務だけする汚れ役にしようとしていた方々ですものね」

「まぁ、近くうちにも手紙が届くだろう。あの日、卒業式に参加していた貴族家全部には尋ねたようだからな。あとは、外部の貴賓だけだ」

「失礼な手紙を出さなければいいのですけど」

 卒業式に参加していたのは、ジブリール帝国だけでなく、他にも六国ほど王子殿下や王女殿下、貴族家の令息令嬢が訪れていました。

 もちろん、卒業生の婚約者の方々ですわ。

「どうお答えしますの?」

「リルローズ・は我が国には来ていないと答えるさ」

 確かにその答えなら、嘘ではありませんわね。真実でもありませんけど。

 わたくしはあの卒業式の場を出る時には、ラファエル公爵家の籍を抜かれて、ただのリルローズとなっていました。

 ですから、確かにラファエル公爵令嬢はジブリール帝国には来ていないことになります。

 ま、バレたら屁理屈だと言われそうですわ。

 別に、この国にいることがバレてもかまいませんのよ。

 わたくしはすでに、サンダルフォン侯爵家と養子縁組をしております。

 ですから、ラファエル公爵家が何を言ったところでラファエル公爵令嬢に戻ることはありませんし、他国の令嬢が王家の公務を手伝うことなどできるわけないですしね。
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