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悪役令嬢回避編
可愛いは正義だと思う
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「わたくしは、この方を医務室にお連れしてから、会場に向かいますわ」
なんだか、殿下もクランも全くヒロインに目を向けないことが気になるけど、どっちかを贔屓にするのもアレだし、ここは私が連れて行くことにしよう。
そう思って、そう言うと、初めて殿下とクランが私の後ろに立つヒロインに目を向ける。
「確か、聖女と認定された子だね」
「そうですわ。そういえば、まだお名前をお伺いしていませんでしたわね。わたくしはリリウム公爵家の娘で、アニエスですわ。それと、弟のクランです。それからご存知でしょうけど、ハイドランジア王国王太子殿下マリウス様ですわ」
「あ、あの、私は、マリアって言います」
ペコリと頭を下げるヒロインに、やっぱりマリアだったかと、小さく息を吐く。
乙女ゲームの中でも、ラノベの中でも、ヒロインは決して悪い子じゃない。
別にアニエスから王太子を取ろうと、思っていたわけでもない。
彼女曰く、好きになってしまっただけなのだ。
平民の彼女には、家と家の繋がりのために婚約婚姻というのが信じられないことだった。ただ、それだけだ。
悪いのはあくまでも、婚約者であるアニエスたちに婚約解消を申し出ずにヒロインに傾倒していった攻略対象たちなのである。
というわけで、私は別にヒロインのことを嫌いでない。
どちらかというと、可愛い女の子は好きだ。ローラ様もそうだし、マリアのことも可愛いと思う。
彼女が転生者で、いわゆる電波系ならちょっと考えるけど、今のところそんな様子はない。
謙虚だし、乙女ゲームの中のヒロインそのものだ。
「アニエス?僕の挨拶を聞いてくれないということかな?」
「まぁ!マリ様は、マリア様を心配ではありませんの?それに、すぐに行けば、マリ様のご挨拶までには戻れますわ」
殿下はチラリとマリアを見た後、ハァとため息を吐いた。
うん。ため息吐くと、幸せが逃げちゃうよ、マリウス。
「分かったよ。だけど、この埋め合わせに、この次の休みには一緒に出かけよう。いいね?」
「次のお休みですか?わたくし、王妃教育がありましてよ?」
「母上には僕から言っておく。いいね?これは決定事項だから」
なんと!
んー、でも王妃教育よりはいいか。気晴らしになりそうだし。
「かしこまりましたわ。それでは、マリ様、クラン。失礼しますわ。マリア様、こちらに」
さっさとカーテシーして、マリアの手を引く。
いつまでもここで話してたら、殿下たちまで式に遅刻させてしまう。
私に手を引かれながら付いてくるマリアと、背中に感じる殿下とクランの視線を感じながら、これで出会いイベントはこなせたことになるのかな、と私は考えていた。
なんだか、殿下もクランも全くヒロインに目を向けないことが気になるけど、どっちかを贔屓にするのもアレだし、ここは私が連れて行くことにしよう。
そう思って、そう言うと、初めて殿下とクランが私の後ろに立つヒロインに目を向ける。
「確か、聖女と認定された子だね」
「そうですわ。そういえば、まだお名前をお伺いしていませんでしたわね。わたくしはリリウム公爵家の娘で、アニエスですわ。それと、弟のクランです。それからご存知でしょうけど、ハイドランジア王国王太子殿下マリウス様ですわ」
「あ、あの、私は、マリアって言います」
ペコリと頭を下げるヒロインに、やっぱりマリアだったかと、小さく息を吐く。
乙女ゲームの中でも、ラノベの中でも、ヒロインは決して悪い子じゃない。
別にアニエスから王太子を取ろうと、思っていたわけでもない。
彼女曰く、好きになってしまっただけなのだ。
平民の彼女には、家と家の繋がりのために婚約婚姻というのが信じられないことだった。ただ、それだけだ。
悪いのはあくまでも、婚約者であるアニエスたちに婚約解消を申し出ずにヒロインに傾倒していった攻略対象たちなのである。
というわけで、私は別にヒロインのことを嫌いでない。
どちらかというと、可愛い女の子は好きだ。ローラ様もそうだし、マリアのことも可愛いと思う。
彼女が転生者で、いわゆる電波系ならちょっと考えるけど、今のところそんな様子はない。
謙虚だし、乙女ゲームの中のヒロインそのものだ。
「アニエス?僕の挨拶を聞いてくれないということかな?」
「まぁ!マリ様は、マリア様を心配ではありませんの?それに、すぐに行けば、マリ様のご挨拶までには戻れますわ」
殿下はチラリとマリアを見た後、ハァとため息を吐いた。
うん。ため息吐くと、幸せが逃げちゃうよ、マリウス。
「分かったよ。だけど、この埋め合わせに、この次の休みには一緒に出かけよう。いいね?」
「次のお休みですか?わたくし、王妃教育がありましてよ?」
「母上には僕から言っておく。いいね?これは決定事項だから」
なんと!
んー、でも王妃教育よりはいいか。気晴らしになりそうだし。
「かしこまりましたわ。それでは、マリ様、クラン。失礼しますわ。マリア様、こちらに」
さっさとカーテシーして、マリアの手を引く。
いつまでもここで話してたら、殿下たちまで式に遅刻させてしまう。
私に手を引かれながら付いてくるマリアと、背中に感じる殿下とクランの視線を感じながら、これで出会いイベントはこなせたことになるのかな、と私は考えていた。
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