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正統派ヒロイン
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「あ」
学園に定期課題の提出に向かった帰り際、ふいに後ろから声をかけられた。
私は制服を着ていないので、普通は部外者だと思って声をかけてくる人はいない。
普通なら。
あいにくと、平民でありヒロインであるチェリーさんは普通ではないみたいだった。
「こんにちは」
満面の笑みで駆け寄ってくるチェリーさんに、にっこりと微笑み返す。
私は悪役令嬢らしいけど、どこかの馬鹿みたいに「公爵令嬢である私に話しかけてくるなんて!マナー違反よ」なんて言ったりしない。
平民なら、知り合いに会ったら挨拶をする。当たり前のことだもの。
「ご機嫌よう。チェリーさん」
「あ、私の名前・・・知っててくれたんですか?」
「ふふっ、もちろんですわ。お招きしたお客様のお名前は存じ上げておりますわ」
お茶会に招いておいて、名前と顔が一致しないとか、ホストとして未熟だと言われても仕方ない。
しかも今回は、私が無理を言って平民の方々も招いたのだ。
申し訳ないが、徹底的に家柄や家族についても調査されている。
それをすることが、平民を招くことの必然だったから。
もちろん、優秀な公爵家の使用人たちが、それを漏らすことはない。
チェリーさんは、お母様が幼い頃に亡くなっていて、家事全般を学業の傍ら行って、お父様を支えられているらしい。
真っ直ぐすぎるところがあって、お茶会の時のように、間違いは間違いだとはっきり言いすぎることはあるけれど、それは平民ならやむ得ないことだ。
貴族の世界には向かないけど、基本チェリーさんは素直で良い子だと思う。
さすが、乙女ゲームのヒロイン。
その容姿の愛らしさといい、正統派だ。
彼女の魅力に、第2王子がやられたのも無理はない。
「あ、あのっ!お名前をお伺いしても良いですか?」
「ああ、申し訳ありません。私、コンフェルト公爵家が娘、ルミナス・コンフェルトと申しますわ」
お茶会の挨拶で名乗ってはいるけど、チェリーさん本人に直接告げたわけではない。
それに、彼女は貴族ではないのだから、身分が下だからって名乗らないなんてことしないわ。
「公爵令嬢・・・あ、あの、王太子殿下の婚約者って・・・」
「ええ。私ですわ。チェリーさんは、ご立派ですわね。ちゃんと殿下の呼び方を覚えていらっしゃる。どこかの誰かのように、何度注意しても理解しなかった方々に、爪の垢を煎じて飲ませたいですわ」
まぁ、もう会うこともないでしょうけどね。
犯罪奴隷となったなんて知ったら、チェリーさんは怒るのかしら?罪が重すぎるって。
学園に定期課題の提出に向かった帰り際、ふいに後ろから声をかけられた。
私は制服を着ていないので、普通は部外者だと思って声をかけてくる人はいない。
普通なら。
あいにくと、平民でありヒロインであるチェリーさんは普通ではないみたいだった。
「こんにちは」
満面の笑みで駆け寄ってくるチェリーさんに、にっこりと微笑み返す。
私は悪役令嬢らしいけど、どこかの馬鹿みたいに「公爵令嬢である私に話しかけてくるなんて!マナー違反よ」なんて言ったりしない。
平民なら、知り合いに会ったら挨拶をする。当たり前のことだもの。
「ご機嫌よう。チェリーさん」
「あ、私の名前・・・知っててくれたんですか?」
「ふふっ、もちろんですわ。お招きしたお客様のお名前は存じ上げておりますわ」
お茶会に招いておいて、名前と顔が一致しないとか、ホストとして未熟だと言われても仕方ない。
しかも今回は、私が無理を言って平民の方々も招いたのだ。
申し訳ないが、徹底的に家柄や家族についても調査されている。
それをすることが、平民を招くことの必然だったから。
もちろん、優秀な公爵家の使用人たちが、それを漏らすことはない。
チェリーさんは、お母様が幼い頃に亡くなっていて、家事全般を学業の傍ら行って、お父様を支えられているらしい。
真っ直ぐすぎるところがあって、お茶会の時のように、間違いは間違いだとはっきり言いすぎることはあるけれど、それは平民ならやむ得ないことだ。
貴族の世界には向かないけど、基本チェリーさんは素直で良い子だと思う。
さすが、乙女ゲームのヒロイン。
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彼女の魅力に、第2王子がやられたのも無理はない。
「あ、あのっ!お名前をお伺いしても良いですか?」
「ああ、申し訳ありません。私、コンフェルト公爵家が娘、ルミナス・コンフェルトと申しますわ」
お茶会の挨拶で名乗ってはいるけど、チェリーさん本人に直接告げたわけではない。
それに、彼女は貴族ではないのだから、身分が下だからって名乗らないなんてことしないわ。
「公爵令嬢・・・あ、あの、王太子殿下の婚約者って・・・」
「ええ。私ですわ。チェリーさんは、ご立派ですわね。ちゃんと殿下の呼び方を覚えていらっしゃる。どこかの誰かのように、何度注意しても理解しなかった方々に、爪の垢を煎じて飲ませたいですわ」
まぁ、もう会うこともないでしょうけどね。
犯罪奴隷となったなんて知ったら、チェリーさんは怒るのかしら?罪が重すぎるって。
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