転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな

文字の大きさ
89 / 126

攻略対象者?

しおりを挟む
「何をしているんだ!」

 チェリーさんと近くにあったベンチに腰掛け話していると、いきなり背後から声がかけられた。

 この学園、後ろから声をかけてくる人が多すぎだわ。
 私の心の臓が弱かったら、心臓麻痺おこすわよ。

「部外者が何をしている。チェリー、大丈夫か?何かされなかったか?」

 その言われた内容に、イラッとする。
こういう馬鹿な言動をするのは、乙女ゲームの攻略対象と決まってるのよね。

「あ。カクラムさん、こんにちは」

「チェリー。今日も可愛いな。大丈夫か?コッチに・・・」

「でもっ!そんな失礼な言い方、良くないですよ」

 メッ!とばかりに注意するチェリーさんは、間違いなく真面目にそう言っている。

 お茶会で会った時も思ったけど、チェリーさんはよく乙女ゲームのラノベで見る『頭の中がお花畑』のヒロインではないようだ。

 でも・・・

「チェリーさん。お邪魔のようですから私、失礼しますわ」

「そんなっ!カクラムさんのせいですよっ?ずっと会いたかったのに!」

「なっ・・・俺はチェリーが心配で」

 チェリーさんに責められた彼は、その顔を青くしている。

 カクラム。
カクラム・ダイジェスト。

 ダイジェスト伯爵家の次男で、騎士団副団長の息子。

 多分、彼は攻略対象だ。
チェリーさんにそのつもりはないみたいだけど、勝手に攻略が進むほど、ヒロインは魅力的だということだろう。

 しかし、次男とはいえ伯爵家の子息が筆頭公爵家の令嬢の顔を知らないなんて。

 よくラノベで言われる『脳筋』というやつなのかしら。

「ルミナスさん・・・様。私、本当にお会いしたくて!」

「さんでかまいませんわ。私もチェリーさんとお呼びしているのですから」

「で、でも、ルミナス様はご令嬢で!」

「そうですわね。他の方がいらっしゃる時はお控えいただいた方が、チェリーさんにご迷惑をおかけしなくて済みますが、普段はルミナスさんと呼んで下さいませ」

 あのエレーヌのように、言いがかりをかけてくる令嬢がいないとも限らない。

 しかし、私を不審者扱いしたことで、チェリーさんの中でダイジェスト伯爵令息の好感度は、ダダ下がりのようだ。

「チェリー?何してるんだ?」

 かかる声に、ピクリと体が強張った。

 分かってる。
彼は、私の婚約者ではない。私の婚約者であるクリス様の弟。

 それでも、目の前にヒロインがいて、攻略対象らしき人物がいる。

 名前を呼んで、挨拶しようとして、ふと考える。
 第2王子は、チェリーさんに身分を明かしてはいないみたいだった。

 この場合、王子相手な対応をして恨まれたりしないかしら?


しおりを挟む
感想 31

あなたにおすすめの小説

婚約破棄で悪役令嬢を辞めたので、今日から素で生きます。

黒猫かの
恋愛
「エリー・オルブライト! 貴様との婚約を破棄する!」 豪華絢爛な夜会で、ウィルフレッド王子から突きつけられた非情な宣告。 しかし、公爵令嬢エリーの心境は……「よっしゃあ! やっと喋れるわ!!」だった。

転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎

水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。 もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。 振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!! え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!? でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!? と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう! 前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい! だからこっちに熱い眼差しを送らないで! 答えられないんです! これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。 または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。 小説家になろうでも投稿してます。 こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

【完結済】破棄とか面倒じゃないですか、ですので婚約拒否でお願いします

恋愛
水不足に喘ぐ貧困侯爵家の次女エリルシアは、父親からの手紙で王都に向かう。 王子の婚約者選定に関して、白羽の矢が立ったのだが、どうやらその王子には恋人がいる…らしい? つまりエリルシアが悪役令嬢ポジなのか!? そんな役どころなんて御免被りたいが、王サマからの提案が魅力的過ぎて、王宮滞在を了承してしまう。 報酬に目が眩んだエリルシアだが、無事王宮を脱出出来るのか。 王子サマと恋人(もしかしてヒロイン?)の未来はどうなるのか。 2025年10月06日、初HOTランキング入りです! 本当にありがとうございます!!(2位だなんて……いやいや、ありえないと言うか…本気で夢でも見ているのではないでしょーか……) ∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽ ※小説家になろう様にも掲載させていただいています。 ※作者創作の世界観です。史実等とは合致しない部分、異なる部分が多数あります。 ※この物語はフィクションです。実在の人物・団体等とは一切関係がありません。 ※実際に用いられる事のない表現や造語が出てきますが、御容赦ください。 ※リアル都合等により不定期、且つまったり進行となっております。 ※上記同理由で、予告等なしに更新停滞する事もあります。 ※まだまだ至らなかったり稚拙だったりしますが、生暖かくお許しいただければ幸いです。 ※御都合主義がそこかしに顔出しします。設定が掌ドリルにならないように気を付けていますが、もし大ボケしてたらお許しください。 ※誤字脱字等々、標準てんこ盛り搭載となっている作者です。気づけば適宜修正等していきます…御迷惑おかけしますが、お許しください。

婚約が白紙になりました。あとは自由に生きていきます~攻略対象たちの様子が何やらおかしいですが、悪役令嬢には無関係です~

Na20
恋愛
乙女ゲーム"この花束を君に"、通称『ハナキミ』の世界に転生してしまった。 しかも悪役令嬢に。 シナリオどおりヒロインをいじめて、断罪からのラスボス化なんてお断り! 私は自由に生きていきます。 ※この作品は以前投稿した『空気にされた青の令嬢は、自由を志す』を加筆・修正したものになります。以前の作品は投稿始め次第、取り下げ予定です。 ※改稿でき次第投稿するので、不定期更新になります。

塩対応の婚約者を置いて旅に出たら、捨てたはずの王子がついてきた

のじか
恋愛
「エリアス様、どうか私を抱いてください……!」 婚約者であるエリアス王子に恋い焦がれる公爵令嬢、ルーチェはキスの瞬間に前世の記憶を思い出した。自分は乙女ゲームの悪役令嬢で、エリアス王子はチョロい攻略対象。「私には塩対応なのに、ヒロインにはチョロいんだ……」自身の運命に失望したルーチェはエリアスを置いて、ゲームのストーリーから逃れるために豪華クルーズ船での旅に出ることにした。しかし優雅な船旅のはずが、なぜかエリアスが先に乗り込んで、その上ルーチェのスイートルームに滞在している。「君が捨てても、僕はついていく」いままでそっけなかったのに急にどういうつもりだと戸惑うルーチェだが、船は出航し、強制的にスイートルームでの婚前旅行が始まってしまう。なんとか距離を取ろうとするルーチェだが、エリアスはぐいぐい執着してきて……。元サヤハッピーエンドものです。忘れなければRシーンに☆をつけます。ムーンライトノベルズさんで先行公開中です。

悪役令嬢になりたくないので、攻略対象をヒロインに捧げます

久乃り
恋愛
乙女ゲームの世界に転生していた。 その記憶は突然降りてきて、記憶と現実のすり合わせに毎日苦労する羽目になる元日本の女子高校生佐藤美和。 1周回ったばかりで、2週目のターゲットを考えていたところだったため、乙女ゲームの世界に入り込んで嬉しい!とは思ったものの、自分はヒロインではなく、ライバルキャラ。ルート次第では悪役令嬢にもなってしまう公爵令嬢アンネローゼだった。 しかも、もう学校に通っているので、ゲームは進行中!ヒロインがどのルートに進んでいるのか確認しなくては、自分の立ち位置が分からない。いわゆる破滅エンドを回避するべきか?それとも、、勝手に動いて自分がヒロインになってしまうか? 自分の死に方からいって、他にも転生者がいる気がする。そのひとを探し出さないと! 自分の運命は、悪役令嬢か?破滅エンドか?ヒロインか?それともモブ? ゲーム修正が入らないことを祈りつつ、転生仲間を探し出し、この乙女ゲームの世界を生き抜くのだ! 他サイトにて別名義で掲載していた作品です。

婚約破棄された人たらし悪役令嬢ですが、 最強で過保護な兄たちと義姉に溺愛されています

由香
ファンタジー
婚約破棄のその日、 悪役令嬢リリアーナは――弁明すら、しなかった。 王太子と“聖女”に断罪され、すべてを失った彼女。 だがその裏で、王国最強と名高い三人の兄と、 冷静沈着な義姉が、静かに動き始めていた。 再検証によって暴かれる“聖女の嘘”。 広場で語られる真実。 そして、無自覚に人を惹きつけてしまう リリアーナの優しさが、次々と味方を増やしていく――。 これは、 悪役令嬢として断罪された少女が、 「誰かの物語の脇役」ではなく、 自分自身の人生を取り戻す物語。 過保護すぎる兄たちと義姉に溺愛されながら、 彼女は静かに、そして確実に幸せへ向かっていく。

処理中です...