転生ガチャで悪役令嬢になりました

みおな

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攻略対象者?

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「何をしているんだ!」

 チェリーさんと近くにあったベンチに腰掛け話していると、いきなり背後から声がかけられた。

 この学園、後ろから声をかけてくる人が多すぎだわ。
 私の心の臓が弱かったら、心臓麻痺おこすわよ。

「部外者が何をしている。チェリー、大丈夫か?何かされなかったか?」

 その言われた内容に、イラッとする。
こういう馬鹿な言動をするのは、乙女ゲームの攻略対象と決まってるのよね。

「あ。カクラムさん、こんにちは」

「チェリー。今日も可愛いな。大丈夫か?コッチに・・・」

「でもっ!そんな失礼な言い方、良くないですよ」

 メッ!とばかりに注意するチェリーさんは、間違いなく真面目にそう言っている。

 お茶会で会った時も思ったけど、チェリーさんはよく乙女ゲームのラノベで見る『頭の中がお花畑』のヒロインではないようだ。

 でも・・・

「チェリーさん。お邪魔のようですから私、失礼しますわ」

「そんなっ!カクラムさんのせいですよっ?ずっと会いたかったのに!」

「なっ・・・俺はチェリーが心配で」

 チェリーさんに責められた彼は、その顔を青くしている。

 カクラム。
カクラム・ダイジェスト。

 ダイジェスト伯爵家の次男で、騎士団副団長の息子。

 多分、彼は攻略対象だ。
チェリーさんにそのつもりはないみたいだけど、勝手に攻略が進むほど、ヒロインは魅力的だということだろう。

 しかし、次男とはいえ伯爵家の子息が筆頭公爵家の令嬢の顔を知らないなんて。

 よくラノベで言われる『脳筋』というやつなのかしら。

「ルミナスさん・・・様。私、本当にお会いしたくて!」

「さんでかまいませんわ。私もチェリーさんとお呼びしているのですから」

「で、でも、ルミナス様はご令嬢で!」

「そうですわね。他の方がいらっしゃる時はお控えいただいた方が、チェリーさんにご迷惑をおかけしなくて済みますが、普段はルミナスさんと呼んで下さいませ」

 あのエレーヌのように、言いがかりをかけてくる令嬢がいないとも限らない。

 しかし、私を不審者扱いしたことで、チェリーさんの中でダイジェスト伯爵令息の好感度は、ダダ下がりのようだ。

「チェリー?何してるんだ?」

 かかる声に、ピクリと体が強張った。

 分かってる。
彼は、私の婚約者ではない。私の婚約者であるクリス様の弟。

 それでも、目の前にヒロインがいて、攻略対象らしき人物がいる。

 名前を呼んで、挨拶しようとして、ふと考える。
 第2王子は、チェリーさんに身分を明かしてはいないみたいだった。

 この場合、王子相手な対応をして恨まれたりしないかしら?


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