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自由には責任が伴いますのよ

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「・・・ッ!ふざけるな!ふざけるな!ふざけるな!僕はセオドア王国王家の唯一の王子!未来の国王だっ」

 この方に、王族としての品位を求めたわたくしが愚かなのでしょうか?

 拘束を解こうと暴れていらっしゃいますけど、解かれるわけがありませんし、結末は変わりませんわよ?

「何度ご説明すればご理解いただけますの?貴方はすでに廃籍された身。王族ではありませんわ。それに、王族だとおっしゃりたいなら、それに見合う態度をお取りください」

「なんだと?」

「王族だとおっしゃるのに、他国の王族の前でそのような品位に欠けた言動。いい加減になさいませ。身分が高いからと言って、何もかも自由が許されるわけではありませんわ。自由にはそれ相応の責任が伴うのです」

「言っても無駄よ、アリスティア。あの王妃おんなはね、そんな最低限の教育すら自分の息子にして来なかったの」

 あら?お母様。
この方々の処遇に関しては、すでに決定事項ですから、わたくしとジーク様がお伝えするということで同席されませんでしたのに。

 どうされたのかしら?

「何かあったのですか?お母様」

 そう問いかけると、お母様は騎士たちに、元王太子殿下とユリア様をしっかりと拘束するように指示されました。

「?」

「報告はふたつ。まず、セオドア王国はシュワルミット王国の属国になることが正式に決まったわ」

 セオドア王国は、キャスリーンお義姉様のご親戚の方が王位を継がれるのですよね。

 別に王族がセオドアでなくなっても、属国になる必要性はないのでは?

「そしてこれが属国になる原因というか、きっかけなのだけど・・・」

 お母様は一旦言葉を切られて、元殿下の前に立たれました。

「なっ、なんだっ!」

「貴方のお母様、セオドア王国王妃殿下は国王陛下に刺殺されたわ」

「!」

「そして、国王陛下もその後を追われたわ。後のことに関しては、全てローゼンタール王国に委ねると残されてね。王妃殿下はね、アリスティアさえ王太子妃になれば王太子である貴方がどれだけ愚かで役立たずでも、問題ないと考えていたの。そんなわけないのにね。王太子時代はそれで良くても、国王陛下がそれでは他国に侮られるわ。そのうち配下の者にも、国王ではなく女王陛下と王配扱いされるでしょう。そんなことすら、息子可愛さに気づかなかったのよ」

 いくら本人が国王だと言っても、政務のほとんどを王妃がこなしていれば、周囲は采配を国王ではなく王妃に委ねるようになるのだと、お母様は続けます。

 元殿下は・・・
呆然としていました。
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