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50.後悔してくれればいい
友達と言いながら、きっとフランチェスカ様は私のことを下に見ていたんだと思う。
私のことを初恋だと言って婚約者となったアスラン殿下が、自分に靡くことを分かっていたのかもしれない。
「友達だなんて・・・本当は思ってらっしゃらなかったのでしょう?だって思ってくださってたら、友人の婚約者を寝取るなんて出来ませんもの」
「そ、それは・・・」
「良いんですのよ。だって、第二王子殿下もアイボリー公爵令嬢様のことを愛してらっしゃるんですもの。仕方ありませんわ。ご安心くださいませ。想い合う二人を引き裂いたりしませんわ」
兄と婚約者を裏切っても叶えたい気持ちなら、レイホリック聖国に行っても二人仲良く頑張れるわ。
「ち、違うっ!僕は本当にアイシュのことを・・・」
「お嬢様に触れるな!」
私に手を伸ばそうとしたアスラン殿下の手を、リュカがはねのけた。
「アイシュの護衛だかなんだか知らないが、お前如きがアイシュのエスコートだと?身の程を知れ!」
リュカは平気な顔をしていたけど、その言葉に私はカチンときてしまった。
「今、なんとおっしゃいまして?」
「え?いや、だから、護衛如きが・・・」
「私にとってリュカは、どこかの浮気をするような婚約者より何倍も信用できる人ですわ。先ほどから、名前呼びをやめろということすら理解できない方に言われたくありません。不愉快極まりないですわ!」
「アイシュ・・・何故そんなに酷いことを言うんだ・・・」
はぁ。
この方、こんなに言葉が通じない方だったかしら?
「見苦しい!衛兵!その二人をすぐにレイホリック聖国に送り届けるよう、拘束し監禁しておけ!」
「ち、父上っ!母上っ、助けて下さいっ!」
「お父様っ!お母様っ!」
騎士に拘束された二人は、自分たちの両親に助けを求める。
アイボリー公爵夫妻は目を逸らし・・・
王妃様はアスラン殿下の顔をしっかりと見つめて言った。
「自分のしたことの責任を取るのは、人として当たり前のことです。本当に・・・小娘にいいように手の上で転がされるなんて、情けない。処刑されないだけありがたいと思いなさい」
「そんな・・・母上っ!僕を愛していないのですかっ」
「愛していないわけがないでしょう!あなたもレオナルドも私の大切な息子です。兄の婚約者を寝取るなんて・・・私の育て方が悪かったのね。ごめんなさいね、フローレンス公爵令嬢」
「いいえ」
王妃様は謝罪してくださったけど、いい年したアスラン殿下の罪を、親が責任を取るのはおかしなものだ。
彼らのしたことは彼らの責任。
私のことはともかく、自分たちの行いがどれだけ家族を悲しませ、大変なことをしてしまったのか、彼らが気付いて後悔してくれれば良いと思う。
私のことを初恋だと言って婚約者となったアスラン殿下が、自分に靡くことを分かっていたのかもしれない。
「友達だなんて・・・本当は思ってらっしゃらなかったのでしょう?だって思ってくださってたら、友人の婚約者を寝取るなんて出来ませんもの」
「そ、それは・・・」
「良いんですのよ。だって、第二王子殿下もアイボリー公爵令嬢様のことを愛してらっしゃるんですもの。仕方ありませんわ。ご安心くださいませ。想い合う二人を引き裂いたりしませんわ」
兄と婚約者を裏切っても叶えたい気持ちなら、レイホリック聖国に行っても二人仲良く頑張れるわ。
「ち、違うっ!僕は本当にアイシュのことを・・・」
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私に手を伸ばそうとしたアスラン殿下の手を、リュカがはねのけた。
「アイシュの護衛だかなんだか知らないが、お前如きがアイシュのエスコートだと?身の程を知れ!」
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「え?いや、だから、護衛如きが・・・」
「私にとってリュカは、どこかの浮気をするような婚約者より何倍も信用できる人ですわ。先ほどから、名前呼びをやめろということすら理解できない方に言われたくありません。不愉快極まりないですわ!」
「アイシュ・・・何故そんなに酷いことを言うんだ・・・」
はぁ。
この方、こんなに言葉が通じない方だったかしら?
「見苦しい!衛兵!その二人をすぐにレイホリック聖国に送り届けるよう、拘束し監禁しておけ!」
「ち、父上っ!母上っ、助けて下さいっ!」
「お父様っ!お母様っ!」
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アイボリー公爵夫妻は目を逸らし・・・
王妃様はアスラン殿下の顔をしっかりと見つめて言った。
「自分のしたことの責任を取るのは、人として当たり前のことです。本当に・・・小娘にいいように手の上で転がされるなんて、情けない。処刑されないだけありがたいと思いなさい」
「そんな・・・母上っ!僕を愛していないのですかっ」
「愛していないわけがないでしょう!あなたもレオナルドも私の大切な息子です。兄の婚約者を寝取るなんて・・・私の育て方が悪かったのね。ごめんなさいね、フローレンス公爵令嬢」
「いいえ」
王妃様は謝罪してくださったけど、いい年したアスラン殿下の罪を、親が責任を取るのはおかしなものだ。
彼らのしたことは彼らの責任。
私のことはともかく、自分たちの行いがどれだけ家族を悲しませ、大変なことをしてしまったのか、彼らが気付いて後悔してくれれば良いと思う。
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