43 / 82
報告②《ジョージアナ伯爵視点》
「殿下、その精霊王様とおっしゃるのは?」
不敬かもしれないが、私はもうアリスに政略結婚をさせるつもりはない。
アリスが幸せになるためなら、爵位はお返しして、領地は王家の管轄にお戻しするつもりだ。
現在の王家は第一王子殿下も第二王子殿下も優秀で、王家に領地をお返ししたとしても、領民に苦労をかけることはない。
スペンサー侯爵家から、蚕産業の譲渡も受けている。
王家なら、上手く活かせてくれるだろう。
しかし、精霊王様とおっしゃるのは、人外ではないのか?
そのような方の寵愛を受けて、アリスは困っているのではないだろうか。
「遠い昔、サザンスィート王国に嫁いだ美しき女王陛下が精霊女王だそうだよ。本来は、サザンスィートの王家のみに伝わる伝承なんだ。でも、ジョージアナ嬢が寵愛を受けたということで、王太子殿下であるジュリアン殿が知らせてくれた」
「その、アリスは・・・」
「とりあえず、お友達からと約束されたそうだよ。精霊王様にとってジョージアナ嬢は特別な存在だそうだ。何と言ったかな、そうだ、番だ。精霊を見ることができる人間は稀にいるそうだ。ジュリアン殿も見えると言っていた。その声を聞くことができる者もいるらしい。だが、その身に触れることができるのは、王の番のみなのだと。それが、ジョージアナ嬢らしい」
そのようなことを言われても、可愛いアリスが望まないのなら、たとえ唯一の存在だと言われても、お断りだ。
「精霊王様とは仲良くされてるようだよ。お名前で呼んでるらしいし。それに、ジョージアナ嬢が伯爵家を継ぐと伝えたら、婿に行くとまでおっしゃられたらしくてね。ご令嬢もそこまで自分を思ってくれるならと、婚約を前提に仲良くされているようだ」
「アリスの望みならば、私はかまいませんが・・・」
「分かってるよ。マリンティアの大切な友人であるご令嬢だ。いくら国の為になることでも、無理強いするつもりはない。そんなことをしたら、サザンスィートからも絶縁されそうだしね」
第一王子殿下の言葉に、息を吐く。
殿下の言葉を鵜呑みにするつもりはない。
だが、頭の切れる殿下のことだ。
無理強いすれば、我々が国を捨ててでも退ける事は理解っているだろう。
「それで、伯爵の方は何用かあったのか?」
殿下のお話が段落したところで、ずっと黙って話を聞かれていた陛下が、口を開かれた。
そうだ。アリスが戻って来るまでに、アレをどうにかしておかねば。
「スペンサー侯爵令息が交際していたゾナトフ男爵令嬢ですが、借金を踏み倒して行方をくらませた模様です」
不敬かもしれないが、私はもうアリスに政略結婚をさせるつもりはない。
アリスが幸せになるためなら、爵位はお返しして、領地は王家の管轄にお戻しするつもりだ。
現在の王家は第一王子殿下も第二王子殿下も優秀で、王家に領地をお返ししたとしても、領民に苦労をかけることはない。
スペンサー侯爵家から、蚕産業の譲渡も受けている。
王家なら、上手く活かせてくれるだろう。
しかし、精霊王様とおっしゃるのは、人外ではないのか?
そのような方の寵愛を受けて、アリスは困っているのではないだろうか。
「遠い昔、サザンスィート王国に嫁いだ美しき女王陛下が精霊女王だそうだよ。本来は、サザンスィートの王家のみに伝わる伝承なんだ。でも、ジョージアナ嬢が寵愛を受けたということで、王太子殿下であるジュリアン殿が知らせてくれた」
「その、アリスは・・・」
「とりあえず、お友達からと約束されたそうだよ。精霊王様にとってジョージアナ嬢は特別な存在だそうだ。何と言ったかな、そうだ、番だ。精霊を見ることができる人間は稀にいるそうだ。ジュリアン殿も見えると言っていた。その声を聞くことができる者もいるらしい。だが、その身に触れることができるのは、王の番のみなのだと。それが、ジョージアナ嬢らしい」
そのようなことを言われても、可愛いアリスが望まないのなら、たとえ唯一の存在だと言われても、お断りだ。
「精霊王様とは仲良くされてるようだよ。お名前で呼んでるらしいし。それに、ジョージアナ嬢が伯爵家を継ぐと伝えたら、婿に行くとまでおっしゃられたらしくてね。ご令嬢もそこまで自分を思ってくれるならと、婚約を前提に仲良くされているようだ」
「アリスの望みならば、私はかまいませんが・・・」
「分かってるよ。マリンティアの大切な友人であるご令嬢だ。いくら国の為になることでも、無理強いするつもりはない。そんなことをしたら、サザンスィートからも絶縁されそうだしね」
第一王子殿下の言葉に、息を吐く。
殿下の言葉を鵜呑みにするつもりはない。
だが、頭の切れる殿下のことだ。
無理強いすれば、我々が国を捨ててでも退ける事は理解っているだろう。
「それで、伯爵の方は何用かあったのか?」
殿下のお話が段落したところで、ずっと黙って話を聞かれていた陛下が、口を開かれた。
そうだ。アリスが戻って来るまでに、アレをどうにかしておかねば。
「スペンサー侯爵令息が交際していたゾナトフ男爵令嬢ですが、借金を踏み倒して行方をくらませた模様です」
あなたにおすすめの小説
愛のゆくえ【完結】
春の小径
恋愛
私、あなたが好きでした
ですが、告白した私にあなたは言いました
「妹にしか思えない」
私は幼馴染みと婚約しました
それなのに、あなたはなぜ今になって私にプロポーズするのですか?
☆12時30分より1時間更新
(6月1日0時30分 完結)
こう言う話はサクッと完結してから読みたいですよね?
……違う?
とりあえず13日後ではなく13時間で完結させてみました。
他社でも公開
婚約破棄してくださって結構です
二位関りをん
恋愛
伯爵家の令嬢イヴには同じく伯爵家令息のバトラーという婚約者がいる。しかしバトラーにはユミアという子爵令嬢がいつもべったりくっついており、イヴよりもユミアを優先している。そんなイヴを公爵家次期当主のコーディが優しく包み込む……。
※表紙にはAIピクターズで生成した画像を使用しています
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
【完結】不貞された私を責めるこの国はおかしい
春風由実
恋愛
婚約者が不貞をしたあげく、婚約破棄だと言ってきた。
そんな私がどうして議会に呼び出され糾弾される側なのでしょうか?
婚約者が不貞をしたのは私のせいで、
婚約破棄を命じられたのも私のせいですって?
うふふ。面白いことを仰いますわね。
※最終話まで毎日一話更新予定です。→3/27完結しました。
※カクヨムにも投稿しています。
幼馴染以上、婚約者未満の王子と侯爵令嬢の関係
紫月 由良
恋愛
第二王子エインの婚約者は、貴族には珍しい赤茶色の髪を持つ侯爵令嬢のディアドラ。だが彼女の冷たい瞳と無口な性格が気に入らず、エインは婚約者の義兄フィオンとともに彼女を疎んじていた。そんな中、ディアドラが学院内で留学してきた男子学生たちと親しくしているという噂が広まる。注意しに行ったエインは彼女の見知らぬ一面に心を乱された。しかし婚約者の異母兄妹たちの思惑が問題を引き起こして……。
顔と頭が良く性格が悪い男の失恋ストーリー。
※流血シーンがあります。(各話の前書きに注意書き+次話前書きにあらすじがあるので、飛ばし読み可能です)
【短編】復讐すればいいのに〜婚約破棄のその後のお話〜
真辺わ人
恋愛
平民の女性との間に真実の愛を見つけた王太子は、公爵令嬢に婚約破棄を告げる。
しかし、公爵家と国王の不興を買い、彼は廃太子とされてしまった。
これはその後の彼(元王太子)と彼女(平民少女)のお話です。
数年後に彼女が語る真実とは……?
前中後編の三部構成です。
❇︎ざまぁはありません。
❇︎設定は緩いですので、頭のネジを緩めながらお読みください。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。