え?後悔している?それで?

みおな

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馬鹿は何回言っても馬鹿な件①

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「お母様っ?えっ?なに?どういうことですか?お父様っ」

 アネッタが床に座り込んだジェニッタとダグラスの顔を見比べている。

 どういうことも何もそのままの意味なのだが、アネッタには理解できないようだ。

 ダグラスは大きく息を吐いた。

「馬鹿につける薬はないと言うが、その通りだな。私はお前の父ではないと言っているだろう?何度言えば理解するんだ?」

「旦那様。とりあえず次に進めましょう」

「ああ、そうだな」

 ダグラスは家令から受け取った報告書をパラパラとめくる。

「ジェニッタ。お前は三ヶ月前の第一週の四日目夕食前に、ルーナに『妹をいじめるなんて!』と言ってルーナの頬を左手で打ったな?その時付けていた指輪のせいでルーナの頬に傷ができたと報告が上がっている。暴行罪だな」

「え?は?だ、旦那様、お待ちください。それはルーナがアネッタを・・・」

「平民が公爵令嬢の名前を勝手に口にして、しかも呼び捨てにした。不敬罪だな」

「むっ、娘じゃないですか!」

 ジェニッタの発言に、ダグラスはハァとこれみよがしにため息を吐いた。

 ちなみにこの時点で、家令や護衛たちは「コイツ頭大丈夫か?」という顔でジェニッタを見ている。

 それも無理はない。
 まさかここまで、普通の会話が理解出来ない人間がいるとは思わなかったのだろう。

 どうして公爵と結婚していないのに、令嬢が娘になるのか。

「ルーナがお前をお母様と呼んでいたのは、馴染めなくて不安そうなお前を気遣ってのことだ。ダリルが死んだことで心細いのだろうと優しいルーナは思ったんだ。だがな、私は思ったよ。大切な娘に手をあげるような女にそんな慈悲をかけるなんて、兄弟の縁を切っておくべきだったとな!」

「お父様。そんなことをおっしゃらないで。この方々が愚かなことと、叔父様が慈悲深いことは関係ありませんわ」

「愚かだなんて・・・。旦那様お聞きになりました?この娘は私たちを蔑んで!」

「実際に愚かだろう。ハァ。言葉が通じない相手と話していると、こっちの頭がおかしくなりそうだ」

「こ、公爵っ、あ、アネッタが平民だというのは本当なのか?」

 騎士に押さえつけられたまま、ずっと静かだったダミアンが青白い顔でダグラスを見上げている。

 ダグラスはチラリとダミアンを見ると、わざとらしく大きなため息を吐いた。

 ここにも言葉が通じない相手がいた、という顔である。

 さっきからあれほど言っているのに、他国の男爵令嬢だったジェニッタと、元より平民のアネッタはともかく、ずっと王族であったダミアンが理解っていないのはどうしてだ?と小一時間ほど問い詰めたいダグラスであった。
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