50 / 88
ゲームの舞台の学園へ
繰り返される愚行
「東のガゼボで、サードニクス様が待っているそうです」
その伝言は、見知らぬ生徒から届けられました。
ちょうど魔法科の授業が終わった直後で、この後は昼食です。
ですから、何の不審もないような伝言でした。
先に食事に行っていてと言った私に、プリシア様はどこか厳しいお顔をされていました。
「プリシア様?」
「何かおかしいです。サードニクス様が1人でアリス様を東のガゼボまで行かせるなんて」
そうかしら?私だって1人歩きくらい出来ますわよ?
小首を傾げると、プリシア様は私の手をぎゅっと握りました。
「先に騎士科に行ってみましょう。本当にガゼボでお待ちだとしても、サードニクス様なら理由を話せば理解って下さいます」
「え、で、でも・・・一応、魔法も使えますし、大丈夫ではないかしら」
「アリス様!アリス様はか弱きご令嬢なんですよ?もし、男の人に押さえつけられたり、魔法を唱えられないようにされたらどうするんですか?いいですか!いくら闇の聖女様とはいえ、生身の人間なんです。もし、意識を失わされ、襲われたらどうするんですか?サードニクス様がどう思われるか考えてみてください!」
前世で自分より一回りも年下のお嬢さんに叱られてしまいました。
私はどうやら前世の時から、危機感が足りないみたいです。
だから、殺されてしまったのだと思います。
仕方ありません。前世で私を助けてくれようとしたお嬢さんの言うことです。素直に従いましょう。
「プリシア様に従いますわ」
「はいっ!じゃ、行きましょう」
良かったですわ。ご機嫌は戻ったみたいです。プリシア様と手を繋いで、騎士科の方へと向かいます。
すると、騎士科の教室前で、セシル様に纏わり付いているクライブ様の姿が見えました。
あら?本当にセシル様はこちらにいらっしゃいましたわ。それともガゼボに向かう前にクライブ様に捕まったのかしら?
「アリスっ!」
私に気付いたセシル様が、クライブ様を振り払ってこちらへと駆けてきます。
「セシル様、ガゼボでお待ちだったのでは?」
「は?何それ」
「アリス様が伝言を受けたのです。サードニクス様が東のガゼボで待っている、と」
プリシア様の説明に、セシル様のお顔が顰められます。
「なんだ、それ。誰からの伝言だった?」
「他のクラスの人だと思います。見覚えがありませんでしたから」
「それで、ガゼボには?」
「私は行こうかと思ったのですが、プリシア様がおかしいからと。セシル様が私を1人で行動させるわけがないからとおっしゃるので、行っていませんわ」
私がそう言うと、セシル様はホッと息を吐きました。
「それが正解。アリス、僕は君を1人で行動させるようなことはしない。だから、僕がそばにいない時は、彼女なりレイモンドなり、誰でもいいから一緒に行動して?お願いだから」
「わかりましたわ」
セシル様にお願いとまで言われたのです。危機感の足りない私ですし、素直に従いますわ。
その伝言は、見知らぬ生徒から届けられました。
ちょうど魔法科の授業が終わった直後で、この後は昼食です。
ですから、何の不審もないような伝言でした。
先に食事に行っていてと言った私に、プリシア様はどこか厳しいお顔をされていました。
「プリシア様?」
「何かおかしいです。サードニクス様が1人でアリス様を東のガゼボまで行かせるなんて」
そうかしら?私だって1人歩きくらい出来ますわよ?
小首を傾げると、プリシア様は私の手をぎゅっと握りました。
「先に騎士科に行ってみましょう。本当にガゼボでお待ちだとしても、サードニクス様なら理由を話せば理解って下さいます」
「え、で、でも・・・一応、魔法も使えますし、大丈夫ではないかしら」
「アリス様!アリス様はか弱きご令嬢なんですよ?もし、男の人に押さえつけられたり、魔法を唱えられないようにされたらどうするんですか?いいですか!いくら闇の聖女様とはいえ、生身の人間なんです。もし、意識を失わされ、襲われたらどうするんですか?サードニクス様がどう思われるか考えてみてください!」
前世で自分より一回りも年下のお嬢さんに叱られてしまいました。
私はどうやら前世の時から、危機感が足りないみたいです。
だから、殺されてしまったのだと思います。
仕方ありません。前世で私を助けてくれようとしたお嬢さんの言うことです。素直に従いましょう。
「プリシア様に従いますわ」
「はいっ!じゃ、行きましょう」
良かったですわ。ご機嫌は戻ったみたいです。プリシア様と手を繋いで、騎士科の方へと向かいます。
すると、騎士科の教室前で、セシル様に纏わり付いているクライブ様の姿が見えました。
あら?本当にセシル様はこちらにいらっしゃいましたわ。それともガゼボに向かう前にクライブ様に捕まったのかしら?
「アリスっ!」
私に気付いたセシル様が、クライブ様を振り払ってこちらへと駆けてきます。
「セシル様、ガゼボでお待ちだったのでは?」
「は?何それ」
「アリス様が伝言を受けたのです。サードニクス様が東のガゼボで待っている、と」
プリシア様の説明に、セシル様のお顔が顰められます。
「なんだ、それ。誰からの伝言だった?」
「他のクラスの人だと思います。見覚えがありませんでしたから」
「それで、ガゼボには?」
「私は行こうかと思ったのですが、プリシア様がおかしいからと。セシル様が私を1人で行動させるわけがないからとおっしゃるので、行っていませんわ」
私がそう言うと、セシル様はホッと息を吐きました。
「それが正解。アリス、僕は君を1人で行動させるようなことはしない。だから、僕がそばにいない時は、彼女なりレイモンドなり、誰でもいいから一緒に行動して?お願いだから」
「わかりましたわ」
セシル様にお願いとまで言われたのです。危機感の足りない私ですし、素直に従いますわ。
あなたにおすすめの小説
王子の片思いに気付いたので、悪役令嬢になって婚約破棄に協力しようとしてるのに、なぜ執着するんですか?
いりん
恋愛
婚約者の王子が好きだったが、
たまたま付き人と、
「婚約者のことが好きなわけじゃないー
王族なんて恋愛して結婚なんてできないだろう」
と話ながら切なそうに聖女を見つめている王子を見て、王子の片思いに気付いた。
私が悪役令嬢になれば、聖女と王子は結婚できるはず!と婚約破棄を目指してたのに…、
「僕と婚約破棄して、あいつと結婚するつもり?許さないよ」
なんで執着するんてすか??
策略家王子×天然令嬢の両片思いストーリー
基本的に悪い人が出てこないほのぼのした話です。
他小説サイトにも投稿しています。
悪役令嬢のはずですが、年上王子が幼い頃から私を甘やかす気でいました
ria_alphapolis
恋愛
私は、悪役令嬢なのかもしれない。
王子の婚約者としては少し我儘で、周囲からは気が強いと思われている――
そんな自分に気づいた日から、私は“断罪される未来”を恐れるようになった。
婚約者である年上の王子は、今日も変わらず優しい。
けれどその優しさが、義務なのか、同情なのか、私にはわからない。
距離を取ろうとする私と、何も言わずに見守る王子。
両思いなのに、想いはすれ違っていく。
けれど彼は知っている。
五歳下の婚約者が「我儘だ」と言われていた幼い頃から、
そのすべてが可愛くて仕方なかったことを。
――我儘でいい。
そう決めたのは、ずっと昔のことだった。
悪役令嬢だと勘違いしている少女と、
溺愛を隠し続ける年上王子の、すれ違い恋愛ファンタジー。
※溺愛保証/王子視点あり/幼少期エピソードあり
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れかつ創作初心者な時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
※ご感想・ご指摘につきましては、近況ボードをお読みくださいませ。
《皆様のご愛読に、心からの感謝を申し上げますm(*_ _)m》
良くある事でしょう。
r_1373
恋愛
テンプレートの様に良くある悪役令嬢に生まれ変っていた。
若い頃に死んだ記憶があれば早々に次の道を探したのか流行りのざまぁをしたのかもしれない。
けれど酸いも甘いも苦いも経験して産まれ変わっていた私に出来る事は・・。
これって私の断罪じゃなくて公開プロポーズですか!?
桃瀬ももな
恋愛
「カタリーナ・フォン・シュバルツ! 貴様との婚約を破棄し、国外追放に処す!」
卒業パーティーの最中、第一王子アルフォンスから非情な宣告を突きつけられた公爵令嬢カタリーナ。
生まれつきの鋭い目つきと、緊張すると顔が強張る不器用さゆえに「悪役令嬢」として孤立していた彼女は、ついに訪れた「お決まりの断罪劇」に絶望……するかと思いきや。
(……あれ? 殿下、いま小さく「よっしゃあ!」ってガッツポーズしませんでした!?)
婚約破棄で、おひとり様になれるはずだったのに!?
パリパリかぷちーの
恋愛
主人公ルシアン・ヴァイオレットは、「悪役令嬢」として振る舞う孤独愛好家の公爵令嬢。念願だった第一王子アランとの婚約破棄を言い渡されると、内心では歓喜し、大都会の喧騒から逃れて森の奥の廃墟同然の別荘へと引きこもる。ルシアンの目的は、誰にも邪魔されない至高の静寂ライフを満喫することだった。
しかし、彼女の理想郷にはすでに先客がいた。それは、無口で無愛想だがハイスペックな謎の男、キース。実は彼は、王国の裏社会を統べる『影の英雄』と呼ばれる辺境伯であり、ルシアンの孤高の姿に心奪われた重度の隠れファンだった。
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?