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じゃ、語って貰いましょうか!
「まずはカイン様、何も聞かずに手伝っていただきありがとうございます」
「いや、こちらこそありがとう。僕の大切な兄が戻って来てくれた」
カイン様はまだ萎れたままだけど、とても嬉しそうだった。
ああ。
これから詳細を話したら、きっと怒りモードとかになるんだろうなぁ。
お兄さんラブっぽいしなぁ。うちの家族が、私のことで怒るのと同じ気がする。
「王太子殿下。おそらくはお気づきだとは思いますが、殿下は魅了魔法をかけられておりました。かけた相手は、これも予想ですが男爵令嬢だと思います」
「魅了魔法っ?アイリーン嬢、それはっ」
「カイン様。おっしゃりたいことは理解しますが、今は王太子殿下からお話を伺いたいのです」
「ッ!すまない」
うん。ごめんね?
大切な兄であり、一国の王太子に魅了魔法だなんて、憤るよね。
でも今は、色々と聞いておきたいんだ。
王太子殿下、名をカイラス様と言う、はずっと目を瞑って何かに耐えているようだった。
そしてゆっくりと目を開けると、カイン様、エリーゼ、そして私で視線を止めた。
「アイリーン嬢はまだ幼いのに、不思議な子だね。全てを見通している気がする」
「私も、悩んだり迷ったり間違ったりします。それはきっと、姉も兄も父や母も同じだと思います。ただ私は、私を愛してくれている家族だけは悲しませたくない。どれだけ迷っても、それだけは間違えたくない、そう思っています」
「そうか・・・そうだね」
「ただ・・・王太子殿下やカイン様のように、ご自分よりも国民を、国を大切に思うお気持ちはご立派だと思います。私は公爵家の娘ですけど次女ですし、背負うものがありません。背負うものがある方のお気持ちを否定するつもりはありません」
カイラス様は、王太子の座をカイン様に譲ろうとしていた。
それは魅了された自分が王太子の座にいては、シェリエメール王国のためにならないから。
国を、国民を守ろうとしたカイラス様の考えを、間違いだとは思わない。
すでに魅了されているなら、それしか選択はなかったのかもしれない。
「僕は・・・ずっと迷っていた。王太子であることにじゃない。国を守ることに何も不満はない。この国のために、民のために、全てを捧げてることに何も不満はない。ただ・・・僕は中々、婚約者が決まらなくてね。年齢の合うご令嬢とはどうしても気が合わなくて、いつまでも婚約者が決まらなかった。理由は、自分では理解っていた。僕は・・・自分より年齢の離れたご令嬢でないと、好意を持てないんだ」
なんですと?
「いや、こちらこそありがとう。僕の大切な兄が戻って来てくれた」
カイン様はまだ萎れたままだけど、とても嬉しそうだった。
ああ。
これから詳細を話したら、きっと怒りモードとかになるんだろうなぁ。
お兄さんラブっぽいしなぁ。うちの家族が、私のことで怒るのと同じ気がする。
「王太子殿下。おそらくはお気づきだとは思いますが、殿下は魅了魔法をかけられておりました。かけた相手は、これも予想ですが男爵令嬢だと思います」
「魅了魔法っ?アイリーン嬢、それはっ」
「カイン様。おっしゃりたいことは理解しますが、今は王太子殿下からお話を伺いたいのです」
「ッ!すまない」
うん。ごめんね?
大切な兄であり、一国の王太子に魅了魔法だなんて、憤るよね。
でも今は、色々と聞いておきたいんだ。
王太子殿下、名をカイラス様と言う、はずっと目を瞑って何かに耐えているようだった。
そしてゆっくりと目を開けると、カイン様、エリーゼ、そして私で視線を止めた。
「アイリーン嬢はまだ幼いのに、不思議な子だね。全てを見通している気がする」
「私も、悩んだり迷ったり間違ったりします。それはきっと、姉も兄も父や母も同じだと思います。ただ私は、私を愛してくれている家族だけは悲しませたくない。どれだけ迷っても、それだけは間違えたくない、そう思っています」
「そうか・・・そうだね」
「ただ・・・王太子殿下やカイン様のように、ご自分よりも国民を、国を大切に思うお気持ちはご立派だと思います。私は公爵家の娘ですけど次女ですし、背負うものがありません。背負うものがある方のお気持ちを否定するつもりはありません」
カイラス様は、王太子の座をカイン様に譲ろうとしていた。
それは魅了された自分が王太子の座にいては、シェリエメール王国のためにならないから。
国を、国民を守ろうとしたカイラス様の考えを、間違いだとは思わない。
すでに魅了されているなら、それしか選択はなかったのかもしれない。
「僕は・・・ずっと迷っていた。王太子であることにじゃない。国を守ることに何も不満はない。この国のために、民のために、全てを捧げてることに何も不満はない。ただ・・・僕は中々、婚約者が決まらなくてね。年齢の合うご令嬢とはどうしても気が合わなくて、いつまでも婚約者が決まらなかった。理由は、自分では理解っていた。僕は・・・自分より年齢の離れたご令嬢でないと、好意を持てないんだ」
なんですと?
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