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怒りと諦め
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「改めて、申し訳なかった。エリザベート・クライスラー公爵令嬢」
国王陛下が頭を下げられ、隣で王妃殿下、アーロン殿下、そしてクリストファー殿下が同じように頭を下げる。
公爵とはいえ、あくまでも臣下に王族が頭を下げるなど普通はあってはならないことだ。
それでもお父様もお母様も、キツい表情を崩さない。
イザベリーナはよく分からなくて困った表情をしているけど、さすが三年間しっかりと王宮で教育を受けただけあって、おとなしく私の隣に立っている。
本当に、イザベリーナは王太子妃に相応しくなった気がする。
十歳の子供が、こんなふうに周囲を見て自分を律するなんて、本当は良いことじゃないのかもしれない。
でも、公爵令嬢として貴族として、この世界ではそうしなければいけない。
私はそっと、イザベリーナの左手を右手で握った。
褒められたことではないけど。
イザベリーナがホッとしたような顔で私を見たけど、本当は私の方がイザベリーナに頼っているのかもしれない。
転生したアラサー女子だと、だから子供なんかには負けないと、我儘妹や浮気王子なんかには負けないと、ずっと思って来た。
でも、今の私は結局は十三歳の子供でしかなくて。
何でも大丈夫って思ってたけど、やっぱりどっかに不安とか弱さとかあって。
そんな中で出会ったヒロインのはずのクリス様が、悪役令嬢のはずの私とすごく仲良くしてくれて。
アーロン殿下とイザベリーナもちゃんと矯正出来てて。
大丈夫なんだって、私はちゃんとやれてるんだって思ってたのが、全部ひっくり返った気がした。
私がヒロインだって思ってた子は、本当は第一王子殿下だった。
公爵令嬢の私に、本当の友人は少ない。
同じくらいの身分でないと、どうしても家の利権とか関わって来てしまう。
だから。
クリス様なら、本当の友人になれる気がしてたから、だから多分今、苦しいんだと思う。
でも、大丈夫。
私はアラサー女子だったんだから。
前世で、三年交際した彼氏を友人だと思ってた子に寝取られた経験有りなんだから。
だから、こんなのは平気。
「どうして、ダンブル侯爵子息がエリザベートを攫うことが出来たのか、ご説明願えますか?ダンブル侯爵からお伺いしたところによると、王家が押送するとおっしゃったとか」
お父様の声が冷たい。
お母様も、助け出された時から、ずっと怒ってくれてる。
だから大丈夫。
家族は私のことを愛してくれてる。守ろうとしてくれてる。
「うちの可愛い娘を危険に晒すなんて。王家は随分とクライスラー公爵家を馬鹿にしていますのね」
国王陛下が頭を下げられ、隣で王妃殿下、アーロン殿下、そしてクリストファー殿下が同じように頭を下げる。
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何でも大丈夫って思ってたけど、やっぱりどっかに不安とか弱さとかあって。
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だから。
クリス様なら、本当の友人になれる気がしてたから、だから多分今、苦しいんだと思う。
でも、大丈夫。
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「どうして、ダンブル侯爵子息がエリザベートを攫うことが出来たのか、ご説明願えますか?ダンブル侯爵からお伺いしたところによると、王家が押送するとおっしゃったとか」
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