30 / 37
同郷だと思うと
しおりを挟む
同じ日本人だと思うと、突き放せない。
だって、異世界で同郷と会えることなんて、ほとんどないでしょ。
騙されたとか、色々言いたいことはあるけど、それより懐かしさというか嬉しさというか、そっちの感情の方が大きい。
仕方ないわよね。
結局のところ、私はクリス様のこともクリストファー殿下のことも嫌いになりきれないのだから。
「怒っていませんから、もう謝らないで下さい。事情があって話せなかったことは理解していますし、元日本人のよしみで許してあげます」
「本当にすまない」
「でも、女装した男性に負けたというのも何だか癪にさわりますね」
エリザベートも美人なんだけど、あのクリス様の美しさには敵わないと思ってしまう。
あのイザベリーナが美人だというくらいだしね。
クリス様の美しさは認めてたけど、相手が男性だと思うと複雑な気分だわ。
「は?負けたとは?」
「ダンブル侯爵子息だけでなく、他にもクリス様に恋心を抱いている方、たくさんいますのよ」
「は?」
あら?気付いてなかったのかしら?
アスランはわかりやすかったと思うけど。
「ダンブル侯爵子息は、クリス様のことが好きだったから、私に絡んできてたんです。か弱いクリス様を守る騎士のつもりだったんでしょうね」
「・・・冗談・・・だろう?」
「あ、じゃあ、侯爵子息に言ってみます?自分は男だって。ショックでしょうね、自分が好きになった相手が男性だと知ったら。そしたら私も少しは溜飲が下がりそうですし」
アスランの処罰はどうなるんだろう?
十三歳だし、処刑とか鉱山送りとかにはならないと思う。
でも被害者が私だから、そんなに軽い罪にもできないだろうし。
これ。クリス様が男性だとわかってショックを受ければ、もしかしたら大人しく刑に服すかも?
そういや、結局のところ呪いはどうなったの?
女性として十五歳を迎えればって言ってるけど、今殿下はクリストファーとしてここにいるわよね?
大丈夫なの?
「あの・・・」
「エリザベート嬢の溜飲が下がるのなら、身分は明かせないが男だとバラすことはかまわない」
「あ、はい。ええと、そのことではなくですね。男性の姿ですけど、呪いは大丈夫なんですか?」
解呪は出来てないのよね?
今、男性の姿でいても大丈夫なの?
「ああ。少しの時間なら大丈夫だ。時間で言うなら一日一時間程度だが」
「時間を過ぎると?」
「まず立っているのも辛くなる。すぐに命がどうこうなるわけではないが、しばらく寝込むことになる。多分、それが重なると衰弱していくのだと思う」
なら、そろそろ女装する方がいいのではないかしら。
謁見から一時間がら経とうとしていた。
だって、異世界で同郷と会えることなんて、ほとんどないでしょ。
騙されたとか、色々言いたいことはあるけど、それより懐かしさというか嬉しさというか、そっちの感情の方が大きい。
仕方ないわよね。
結局のところ、私はクリス様のこともクリストファー殿下のことも嫌いになりきれないのだから。
「怒っていませんから、もう謝らないで下さい。事情があって話せなかったことは理解していますし、元日本人のよしみで許してあげます」
「本当にすまない」
「でも、女装した男性に負けたというのも何だか癪にさわりますね」
エリザベートも美人なんだけど、あのクリス様の美しさには敵わないと思ってしまう。
あのイザベリーナが美人だというくらいだしね。
クリス様の美しさは認めてたけど、相手が男性だと思うと複雑な気分だわ。
「は?負けたとは?」
「ダンブル侯爵子息だけでなく、他にもクリス様に恋心を抱いている方、たくさんいますのよ」
「は?」
あら?気付いてなかったのかしら?
アスランはわかりやすかったと思うけど。
「ダンブル侯爵子息は、クリス様のことが好きだったから、私に絡んできてたんです。か弱いクリス様を守る騎士のつもりだったんでしょうね」
「・・・冗談・・・だろう?」
「あ、じゃあ、侯爵子息に言ってみます?自分は男だって。ショックでしょうね、自分が好きになった相手が男性だと知ったら。そしたら私も少しは溜飲が下がりそうですし」
アスランの処罰はどうなるんだろう?
十三歳だし、処刑とか鉱山送りとかにはならないと思う。
でも被害者が私だから、そんなに軽い罪にもできないだろうし。
これ。クリス様が男性だとわかってショックを受ければ、もしかしたら大人しく刑に服すかも?
そういや、結局のところ呪いはどうなったの?
女性として十五歳を迎えればって言ってるけど、今殿下はクリストファーとしてここにいるわよね?
大丈夫なの?
「あの・・・」
「エリザベート嬢の溜飲が下がるのなら、身分は明かせないが男だとバラすことはかまわない」
「あ、はい。ええと、そのことではなくですね。男性の姿ですけど、呪いは大丈夫なんですか?」
解呪は出来てないのよね?
今、男性の姿でいても大丈夫なの?
「ああ。少しの時間なら大丈夫だ。時間で言うなら一日一時間程度だが」
「時間を過ぎると?」
「まず立っているのも辛くなる。すぐに命がどうこうなるわけではないが、しばらく寝込むことになる。多分、それが重なると衰弱していくのだと思う」
なら、そろそろ女装する方がいいのではないかしら。
謁見から一時間がら経とうとしていた。
39
あなたにおすすめの小説
ヒロイン不在だから悪役令嬢からお飾りの王妃になるのを決めたのに、誓いの場で登場とか聞いてないのですが!?
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
ヒロインがいない。
もう一度言おう。ヒロインがいない!!
乙女ゲーム《夢見と夜明け前の乙女》のヒロインのキャロル・ガードナーがいないのだ。その結果、王太子ブルーノ・フロレンス・フォード・ゴルウィンとの婚約は継続され、今日私は彼の婚約者から妻になるはずが……。まさかの式の最中に突撃。
※ざまぁ展開あり
ヒロインしか愛さないはずの公爵様が、なぜか悪女の私を手放さない
魚谷
恋愛
伯爵令嬢イザベラは多くの男性と浮名を流す悪女。
そんな彼女に公爵家当主のジークベルトとの縁談が持ち上がった。
ジークベルトと対面した瞬間、前世の記憶がよみがえり、この世界が乙女ゲームであることを自覚する。
イザベラは、主要攻略キャラのジークベルトの裏の顔を知ってしまったがために、冒頭で殺されてしまうモブキャラ。
ゲーム知識を頼りに、どうにか冒頭死を回避したイザベラは最弱魔法と言われる付与魔法と前世の知識を頼りに便利グッズを発明し、離婚にそなえて資金を確保する。
いよいよジークベルトが、乙女ゲームのヒロインと出会う。
離婚を切り出されることを待っていたイザベラだったが、ジークベルトは平然としていて。
「どうして俺がお前以外の女を愛さなければならないんだ?」
予想外の溺愛が始まってしまう!
(世界の平和のためにも)ヒロインに惚れてください、公爵様!!
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
悪役令嬢だとわかったので身を引こうとしたところ、何故か溺愛されました。
香取鞠里
恋愛
公爵令嬢のマリエッタは、皇太子妃候補として育てられてきた。
皇太子殿下との仲はまずまずだったが、ある日、伝説の女神として現れたサクラに皇太子妃の座を奪われてしまう。
さらには、サクラの陰謀により、マリエッタは反逆罪により国外追放されて、のたれ死んでしまう。
しかし、死んだと思っていたのに、気づけばサクラが現れる二年前の16歳のある日の朝に戻っていた。
それは避けなければと別の行き方を探るが、なぜか殿下に一度目の人生の時以上に溺愛されてしまい……!?
乙女ゲームのヒロインに転生したのに、ストーリーが始まる前になぜかウチの従者が全部終わらせてたんですが
侑子
恋愛
十歳の時、自分が乙女ゲームのヒロインに転生していたと気づいたアリス。幼なじみで従者のジェイドと準備をしながら、ハッピーエンドを目指してゲームスタートの魔法学園入学までの日々を過ごす。
しかし、いざ入学してみれば、攻略対象たちはなぜか皆他の令嬢たちとラブラブで、アリスの入る隙間はこれっぽっちもない。
「どうして!? 一体どうしてなの~!?」
いつの間にか従者に外堀を埋められ、乙女ゲームが始まらないようにされていたヒロインのお話。
私は《悪役令嬢》の役を降りさせて頂きます
・めぐめぐ・
恋愛
公爵令嬢であるアンティローゼは、婚約者エリオットの想い人であるルシア伯爵令嬢に嫌がらせをしていたことが原因で婚約破棄され、彼に突き飛ばされた拍子に頭をぶつけて死んでしまった。
気が付くと闇の世界にいた。
そこで彼女は、不思議な男の声によってこの世界の真実を知る。
この世界が恋愛小説であり《読者》という存在の影響下にあることを。
そしてアンティローゼが《悪役令嬢》であり、彼女が《悪役令嬢》である限り、断罪され死ぬ運命から逃れることができないことを――
全てを知った彼女は決意した。
「……もう、あなたたちの思惑には乗らない。私は、《悪役令嬢》の役を降りさせて頂くわ」
※全12話 約15,000字。完結してるのでエタりません♪
※よくある悪役令嬢設定です。
※頭空っぽにして読んでね!
※ご都合主義です。
※息抜きと勢いで書いた作品なので、生暖かく見守って頂けると嬉しいです(笑)
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる