恋とはどんなものかしら

みおな

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私を忘れたあなたと

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 その時間は、私にとってあまりにも苦痛なものだった。

 ルティシアだけを見つめ、ルティシアだけに話しかけ、ルティシアだけの動向に心を動かすシオン様を見るのは、本当に苦痛で、もう速攻で退席させてもらおうかと思ったくらいだ。

 そんな私を救ったのは、意外にもレインハルト様の一言だった。

 「色だけに囚われていると、本当に大切なものを失いますよ」

 「レインハルト?なんのことだい?」

 「いえ、魔道具の破損で失ったものは、近いうちに戻るということですよ」

 シオン様は、レインハルト様の謎かけのような言葉に、不思議そうにしていたけど、私は、それが私に向かって言われていることだと理解った。

 そうなんだ。防御の魔道具が破損していて、それで、シオン様は記憶を失くしたんだ。

 私は、2人に気づかれないように、視線だけでレインハルト様に礼を述べた。
 きっと、レインハルト様は、シオン様の態度に傷ついている私を、気遣ってくれたのだろう。

 ルティシアは、とにかくシオン様と話すのも嫌なようで、シオン様が何を話しかけても返事すらしない。

 いくらなんでも不敬ではないだろうか。注意するべきかな。

 「ルティシア嬢、今度、王宮の薔薇園に・・・」

 「絶対、いゃ・・・むぐ、ぐ・・・」

 即座に拒否しようとする、ルティシアの口を慌てて塞ぐ。
 もう、お願いだから、やめて欲しい。

 何で、私を見ないシオン様に傷ついてるのに、こんなフォローまでしなきゃならないの。

 「レティシア嬢、今度王宮に遊びにおいでよ」

 シオン様は、ルティシアしか誘わない。
 だからなのか、レインハルト様は私だけを誘ってくる。

 そうすると、私に口を塞がれてるルティシアが、私もと声を上げる。

 「レティシアが行くなら、私も行く!」

 ルティシアの言葉に、思わず笑みがもれてしまう。
 なるほど。レインハルト様はこれを狙ったのね。

 「じゃあ、待ってるね」

 結局ー

 シオン様は、ルティシアと打ち解けることは出来ないまま、我が家をあとにした。
 レインハルト様と、後日王宮で会う約束をした私は、その、寂しそうに帰っていく姿を見ながら、そっと胸を押さえた。

 私を見ないシオン様。
 胸が痛い。もし、ルティシアがシオン様に惹かれたら?そう考えるだけで、胸が張り裂けそうになる。

 『あなたが私を忘れても、あなだだけを愛しています』

 あの日言った言葉が、張り裂けそうな胸に、ふっと浮かんだ。

 そうだ。例え、シオン様が私を忘れても、愛していると、そう誓ったのではないか。

 「シオン様、あなただけを愛しています」
 
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