はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第五十四話

「お、お姉様は人の犯した罪についてどう思われますか?」

 私にそう尋ねてきたのは、ジェレミーです。

 彼はカリスタ伯爵家の養子になりましたから、私の弟ということになります。

 新鮮、ですわ。

 私は一人娘ですので、お姉様と呼ばれることなど当然ですがありませんでしたから。

 ジェレミーは、とても聡い子です。

 まぁ、ご両親と兄がああでしたから、大人になるしかなかったのかもしれません。

 そんなジェレミーですが、最近は少しお父様やお母様、私に甘えてくれるようになりましたの。

 可愛いですわ!
おずおずとお姉様と呼んでくれた時の感動といったら!

「人の罪?どうしたの?急に」

「一昨日、本屋に出かけた時に話しかけられて・・・」

 ああ。我が家の護衛から、本屋でリップル子爵令息とテクノ伯爵令息からジェレミーが話しかけられていたと聞いたわ。

 離れていたから会話の内容までは分からなかったけど、帰ってからジェレミーの元気がなかったとお母様がおっしゃっていたわ。

 どうしたのと尋ねても、何でもないと言うから、強くは聞けなかったとお母様も心配していたわ。

「そうね。罪の内容にもよるけど、自分のしたことの責任はいつか巡り巡って取ることになると思うわ」

「・・・なら僕も、家族として両親や兄の罪の責任を取る日が来るのかな・・・」

「ジェレミー、それは違うわ。ブレンディ侯爵様や侯爵令息様の罪は、ご本人たちが償うの。ジェレミーがするべきなのは、カリスタ伯爵家の一員として、お父様やお母様、使用人や領民と打ち解けることよ。もちろん、私ともお願いね」

 テクノ伯爵令息とリップル子爵令息、うちの可愛いジェレミーに何を言ったのかしら?

「お姉様・・・でも、僕だけが罪を償わないでカリスタ伯爵家をって・・・」

「まぁ!我が家が養子縁組なのに?私たちはジェレミーと家族になれて嬉しいのに、ジェレミーはそれを信じてくれないの?」

「ちがっ、違います!僕もっ、僕もお姉様たちのこと、大好きです!でもっ、でも、僕がブレンディ侯爵家をカリスタ伯爵家の養子になったのは事実だから・・・」

 ごめんなさい、ジェレミー。
ジェレミーが私たちに寄り添おうと、努力してくれていることは分かっているの。

 そして、家族を切り捨てたことに責任を感じていることも。

 でもね、この先もきっとそんなふうにジェレミーを傷つける発言をする人間はいるわ。

 ジェレミーは、カリスタ伯爵家を継ぐの。

 罪ではないけど、ジェレミー自身がことだから、ジェレミー自身が向き合わなければいけないのよ。
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