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第七十五話
「まずは皇帝陛下の方だけど・・・」
ええと、さすがに皇帝陛下に直接は何かすることは出来ませんよね。
でもお母様にかかると、何というか不可能が全て可能になる気がするのは、何故でしょうか。
「あの方・・・私がエリザベスの母親だと知らなかったの」
「はい?」
「あの方・・・バルトフェルド帝国のマクシミリアン皇帝陛下はね、まだ皇太子時代に一時期、クレメンタイン王国に留学されていたことがあるのよ」
お母様、その話の流れだと・・・
「わたくしがスキップ制度を使ったことは、エリザベスに話したわよね?」
「はい」
「その原因のひとつが、あの方なのよ。求婚がしつこくてね。一応、他国の皇太子だから酷い扱いをするわけにもいかなくて」
お母様。他国の皇太子でなくても、酷い扱いをするのは良くないと思います。
「あの方、本当に何を言っても諦めなくてねぇ・・・」
あ。なんとなく理解できます。
力こそ全ての方ですものね。諦めるという単語、皇帝陛下の辞書にはないんでしょうね。
「で、スキップ制度を使って通わないようにしたら、今度は家にまでやって来て」
「ものすごく・・・情熱的ですね」
「いいのよ、正直にしつっこいって言って。そしたら、旦那様が・・・あの方に勝負を挑んでくださったの」
「はい?」
頬を染めてうっとりしているところ申し訳ありませんが、勝負ですか?
いえ。
アルバート様もチェスを挑んだとお伺いしましたけど。
それが、お父様とお母様の馴れ初めとかですか?
「わたくしは覚えていたのだけど、あの方はすっかり忘れていたみたい。ものすごく、怯えて謝罪していたわ」
「・・・」
力こそ全てと考えている皇帝陛下が怯えるって、お父様なにをなさいましたの?
一体、どんな勝負をしたのか、小一時間ほどゆっくりお話していただいてよろしいかしら?
お父様がお母様と私のことを、とてもとても大切に思ってくださっていることは、嬉しいですし、理解しておりますわ。
「一体、どんな勝負を・・・」
「可愛いエリザベス。世の中にはね、知らずにいた方が良いこともあるのよ」
「・・・」
そう・・・ですわね。
しかし、さすがお母様ですわ。
女神の生まれ変わりだの、いや女神そのものだの言われていることはありますわね。
まさか、力こそ全ての皇帝陛下まで魅了していたなんて。
お母様って、もしかして本当に女神様の生まれ変わり、とかではないでしょうか。
あまり容姿も変わられませんし。
お父様は年相応なので、何だか夫婦というより親子・・・パパ活に見えますわね。
ええと、さすがに皇帝陛下に直接は何かすることは出来ませんよね。
でもお母様にかかると、何というか不可能が全て可能になる気がするのは、何故でしょうか。
「あの方・・・私がエリザベスの母親だと知らなかったの」
「はい?」
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お母様、その話の流れだと・・・
「わたくしがスキップ制度を使ったことは、エリザベスに話したわよね?」
「はい」
「その原因のひとつが、あの方なのよ。求婚がしつこくてね。一応、他国の皇太子だから酷い扱いをするわけにもいかなくて」
お母様。他国の皇太子でなくても、酷い扱いをするのは良くないと思います。
「あの方、本当に何を言っても諦めなくてねぇ・・・」
あ。なんとなく理解できます。
力こそ全ての方ですものね。諦めるという単語、皇帝陛下の辞書にはないんでしょうね。
「で、スキップ制度を使って通わないようにしたら、今度は家にまでやって来て」
「ものすごく・・・情熱的ですね」
「いいのよ、正直にしつっこいって言って。そしたら、旦那様が・・・あの方に勝負を挑んでくださったの」
「はい?」
頬を染めてうっとりしているところ申し訳ありませんが、勝負ですか?
いえ。
アルバート様もチェスを挑んだとお伺いしましたけど。
それが、お父様とお母様の馴れ初めとかですか?
「わたくしは覚えていたのだけど、あの方はすっかり忘れていたみたい。ものすごく、怯えて謝罪していたわ」
「・・・」
力こそ全てと考えている皇帝陛下が怯えるって、お父様なにをなさいましたの?
一体、どんな勝負をしたのか、小一時間ほどゆっくりお話していただいてよろしいかしら?
お父様がお母様と私のことを、とてもとても大切に思ってくださっていることは、嬉しいですし、理解しておりますわ。
「一体、どんな勝負を・・・」
「可愛いエリザベス。世の中にはね、知らずにいた方が良いこともあるのよ」
「・・・」
そう・・・ですわね。
しかし、さすがお母様ですわ。
女神の生まれ変わりだの、いや女神そのものだの言われていることはありますわね。
まさか、力こそ全ての皇帝陛下まで魅了していたなんて。
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