はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第76.5話〜作者?視点〜

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「「ふぅ」」 

 ソファーに沈み込んだ双子は、声を揃えて大きなため息を吐いた。

 バルトフェルド帝国の公爵令嬢が、すでに婚姻している王太子アルバートに求婚してきた件。

 そして王太子妃エリザベスに、王太子妃の座を明け渡すように繰り返してきた件。

 あまりに酷いそれらに対応するために、フォールス家をあげて対応することになった。

 国として国王陛下が抗議しても、全く効果がないのだ。

 バルトフェルド帝国は、現皇帝が力で成し上げた国だ。

 元々そういう傾向だったのが、現皇帝の代で顕著になった。

 だから。

 欲しい物は力で手に入れろ。それが出来ないなら諦めろ。

 その考えのもとで、多くの帝国人は行動しているのだろう。

 以前、帝国がクシュリナ王国に侵攻しようとした時は、魔法師たちが結界を作り帝国を退けた。

 そして現在も帝国側との国境で、設置された魔道具は稼働し続けている。

 それに興味を持った皇帝は貸出を求めてきたが、そこはアルバートがチェスで挑み勝利したことで退けることが出来た。

 同じ勝負を持ちかけてもいいが、前回敗北しているため皇帝が今度も負ける可能性は低い。

 勝負に絶対はないとしても、勝つ可能性が下がった勝負を仕掛けて、負けた時どんな要求をされるかを考えると、アルバートも手の打ちようがなかった。

 そこで、フォールス家の出番である。

 何か皇帝の弱点になるものを探し出して、そこを突くことにしたのだ。

 何せ、皇帝には言葉が通じない。

 何をどう言っても「そんなに嫌なら力で黙らせればいい」というスタンスである。

「まさかあの脳筋が、あそこまで怯えるなんてね」

「カリスタ伯爵夫人に求婚したとき、何をしたんだろうね、伯爵」

 弱点らしき弱点が見つからないと、バルトフェルド帝国内の協力者から聞いて、次の手を考えているとき、いきなり皇帝から謝罪の手紙がアルバートに届いた。

 二度と王太子や王太子妃に、バルトフェルド帝国の帝国民が関わることはしない。

 求婚をしていた公爵令嬢は、そちらの望んだ相手と結婚させる。

 そう書かれた手紙に、国王陛下もアルバートもポカンとした。

 あれだけ・・・国として抗議しても聞く耳を持たなかった皇帝からの謝罪。

 皇帝が、自分の信条を変えるわけはない。

 つまりは、誰かが皇帝を力でねじ伏せたということだ。

 カリスタ伯爵が、帝国の商人たちと会っているのはフォールス家も把握していたが・・・

 夫人が皇帝宛てに送った手紙に、何が書かれていたのか。

 手紙を読んだ皇帝が、即座に謝罪の手紙を送ってきたというのだから、内容が知りたいところである。
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