はっきり言ってカケラも興味はございません

みおな

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第八十二話

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「お生まれになりました!王子殿下と王女殿下のご誕生ですっ!」

 普段冷静で無口なミリアの、少しうわずったような声に、無意識に体に入っていた力が抜けました。

 陣痛が始まってから・・・
半日ほどで産まれましたので、私は比較的安産だったのだと言われましたが・・・

 お腹が裂けるかと思うほど、痛かったです。

 お庭の散歩を続けていて良かったと思います。

 まさか双子だったとは。

 道理で、お腹が大きくて重かったわけですわ。

 クシュリナ王国では、双子は吉兆の表れだと言われています。

 国によっては、双子は不吉の表れだというところもあるそうですから、この国で本当に良かったと思います。

 体を清められていると、産湯を終えた赤子がミリアとセイラに抱かれてやって来ました。

 柔らかそうな布に包まれている我が子は銀髪に銀の瞳で、以前お聞きした通りにクシュリナ王国王家の色を纏っていました。

 私の色を全く受け継がないのは・・・少し寂しい気もしますが、これだけはどうしようとないことですもの。

 小さな手が私のお乳を求めて動き、教えてもないのにお乳を両の胸から飲んでいるのを見ると、胸の奥が温かくなっていきます。

 赤ちゃん・・・
私の、大切な大切な、愛しい子供たち。

 胸に吸い付いていた双子を不意に重く感じると、側に仕えていた侍女長が笑顔を見せました。

「お腹がいっぱいになって眠ってしまわれたようですね。王子殿下と王女殿下は、護衛と侍女を付けてお部屋にお連れいたします。エリザベス王太子妃殿下、改めて本当におめでとうございます」

 お乳をあげていた胸元を直して、侍女長が笑顔でお祝いを言ってくれました。

 双子たちは、とりあえずはミリアとセイラに抱かれております。

 二人は私の侍女兼護衛兼側近ですから、双子には新たな侍女と護衛を付けることになります。

 私の服が元に戻された後、アルバート様がお部屋に入って来られました。

「リズ!」

「アルバート様・・・」

 アルバート様のお顔を見ると・・・不意に胸の奥が熱くなりました。

 私は安産ではありましたが、初めてのお産でしたのでどうしても不安で。

 出産は命懸けだと、亡くなる方もいると聞いていましたので、やっぱり不安で。

 王太子妃である私が、そんなことを周囲に伝えるわけにもいかず、出産を肩代わり出来るわけでもないアルバート様に、余計な心配をかけるわけにもいかなくて。

 でも。

 もうアルバート様と会えなくなるかもしれないと思うと、怖くて。

 良かった・・・

 アルバート様の元に戻って来られた安堵感に、涙がこぼれました。
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